この案は2月24日に開催された、「選択する未来」委員会の第3回会合で示された。「選択する未来」委員会は、安倍晋三首相の指示で設置されたもので、50年先を見据えた日本経済の課題を議論するというもの。人口減少が進むことで懸念される国内需要の縮小や、労働力人口の減少などを、どのように解決するべきかを議論する。
この日の会合で、内閣府が提出した資料によると、このまま何もしなければ、日本の人口は2060年に約8700万人、2110年に約4300万人まで減少するとされる(国立社会保障・人口問題研究所試算)。2012年の1億2752万人に比べると、3分の1程度の数だ。
■日本の人口がここまで減ると、どのようなことが考えられるのか
日本経済研究センターの岩田一政理事長は、「選択する未来」委員会の第1回会合で提出した資料のなかで、これまでと同様の施策が実施された場合、日本経済にはどのような影響があるかを具体的に述べている。
日本経済は2030年頃にゼロ成長からマイナス成長となり、2050年に日本は経済規模で世界5位に転落する。また、生活水準が2割低下し、さらには社会保険料の水準を維持するなら消費税は25%まで引き上げられることになる。
簡単に言うと、人口は減るのに高齢者の割合が増えるため、これを支える年代は負担が重くなり、生活水準が低下するということだ。
まだ、岩田氏は第3回で提出した資料では、日本経済の規模が縮小すると、国際社会での存在感も薄まると述べている。中国も今後は人口減に見舞われるため、右肩上がりではなくなるが、それでも2100年は日本の4倍だ。日本は世界の11位に落ちる。これでは、米国や中国などに対し、台頭な交渉をすることは難しくなるだろう。 (内閣府「「選択する未来」委員会 第3回会議資料5-2 岩田委員提出参考資料」より 2014/02/24)
■人口減少に歯止めをかける政策は
岩田氏は、人口減少に歯止めをかける取り組みとして、国家で人口の目標値を定めることが必要と述べる。フランスのように、子どもを産めば産むほど育児給付を増えるようにする制度を作り、出生率を現状の1.4から1.8に引き上げることや、移民の受け入れに取り組むべきだという。
移民は行政コストがかかるが、税収が期待できる。また、人手不足の介護や保育を移民に担ってもらうことも考えられる。海外人材が増えることで、日本人にはない技能や発想によって、生産性が高まることにも期待ができる。
岩田氏は移民の受け入れを徐々に増やし、2050年以降は、1年間に20万人を受け入れてはどうかと提案している。人口に占める外国人の比率を現状の1.8%から2050年には6%、2100年には13%まで増やす。
移民政策では外国人との間での摩擦も懸念されるが、岩田氏は留学生を取り込むことで、この問題を軽減できるとしている。留学生は高度人材の卵であることも、魅力的だ。岩田氏は、学校の講義を英語化するよりも技術などの日本の強みを全面に押し出して獲得に努めるべきだと訴える。
岩田氏は、出生率の向上策と移民政策を組み合わせることで、人口減少に歯止めがかけられるとしている。人口に占める高齢者の割合も、2050年頃から反転し、低下に向かい始めるという試算だ。
「選択する未来」委員会は今後、分科会でも移民の議論を進め、年内に報告書をまとめるという。
なお、安倍首相は2月13日の衆議院予算委員会で、今後の移民政策について問われ「わが国の将来のかたちや、国民生活全体に関する問題として、国民的議論を経た上で多様な角度から検討する必要がある」と答弁している
今頃日本政府は世界で大失敗している移民受け入れを考えています。日本や世界や宇宙の動向
http://blog.livedoor.jp/wisdomkeeper/archives/51919625.html
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外国からの移民を毎年20万人ずつ受け入れることで、日本の人口1億人を100年後も維持できるという試算を、内閣府が示した。1億人を維持することで、世界第3位の経済規模を維持することができ、国際社会における日本の発言権も一定に保つことができるという。