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(回答先: Re: てすと 投稿者 初心に帰るお天道様に恥じない生き方 日時 2013 年 12 月 03 日 17:25:11)
日本人は尻に火がつかないと考えようともしないし、動こうともしないスロー・スターターの感がある。
童話『かちかち山』のタヌキを連想した。
この童話のクライマックス。
タヌキは、背中に担いだ柴(しば)にウサギが火打ち石で火を付けようとカチカチと音を鳴らしても、ウサギから「ここはかちかち山だからね」と言われて「なるほどね」と納得する。
そのうち柴がぼうぼうと燃えだすと、またウサギに「ここはぼうぼう山だからね」と言われて「ああ、なるほどね」と納得する。
結局、タヌキは炎熱で焼かれるまで気が付かず、背中に大やけどを負うことになる。
今の日本の状況は、この童話の性格とは全く関係ないのだが、背中の火に気が付かずに大やけどを負うタヌキと同じに見えて仕方がない。
今、特定秘密保護法案という典型的な言論統制法案が成立するかどうかの剣が峰に差しかかかり、心ある人たちが固唾を飲んで法案の阻止に動いている。
ほかに安倍政権が打ち出している法案群は国民を焼き殺す紅蓮の炎であるが、それぞれに非常に巧妙なカムフラージュ(偽装)を施されているために気付かれていない。
この状況は柴に火を付けられても、それが燃え出しても気付かないタヌキとそっくりである。
安倍政権の打ち出す政策群はアベノミクスと言われ、それぞれが大胆な金融政策、 機動的な財政政策、 民間投資を喚起する成長戦略という3本の矢で表されている。
これについては、エコノミストの植草一秀氏や森永卓郎氏などが「アベノリスク」として警鐘を鳴らし、浜矩子氏は「アホノミクス」として徹底的に批判している。
本記事は第1と第2の矢である金融と財政政策については感想を控えるが、第3の矢である『成長戦略』については、素人目線ではあるが、今感じている大きな危惧を述べてみたい。
今開かれている第185臨時会は、2013年10月15日に召集され、会期は12月6日(金)までの53日間、あと3日間である。
この国会では固め打ちのように国民生活に大打撃を与える法案が複数出されている。
産業競争力強化法案、日本版NSC(国家安全保障局)設置法案、生活保護法改正法案、国家戦略特区法案、特定秘密保護法案、etcである。
この中で、第3の矢・成長戦略の柱と言われているものが「国家戦略特区法案」であり、その骨子は外資の投資活動奨励と企業の税制優遇である。
林立した恐ろしい法案群の影で、11月29日に目立たないようにそっと閣議決定されたものがあった。
それは政府主導でコーポレート・ガバナンス(企業統治)を強化するための「会社法改正案」である。
この中で、政府が強力に求めていた上場企業への「社外取締役の設置義務付け」は経済界の反発を受けて見送ったらしいが、法施行の2年後に、「義務付け」をあらためて検討することを附則に盛り込んでいる。
この目立たないニュースに見える安倍政権の恐ろしい“肝(きも)”は、「社外取締役の設置義務付け」という考え方である。
関岡英之氏の「国家の存亡」や彼と故・吉川元忠氏の「国富消尽」を参照しながら、自分の感想を述べてみる。
覚えている方も多いと思うが、2002年の小泉政権時に半世紀ぶりに商法が大改正され、米国流の社会取締役制度が導入された。
この当時、社外取締役制度発足については、ほとんど国民の関心を惹かず、政府のイメージ付けは、社内のしがらみや利害関係に縛られず、同族経営による不祥事リスクの軽減のメリットがあるなどと言っていたような気がする。
関岡氏によれば、コーポレート・ガバナンスなどという言葉が流行りだしたのはこの頃からだったらしいが、政府がそれとなく謳っていた外取締役制度のメリットが米国流企業統治の模倣だとはいうことは案外知られていない。
会社の歴史や社風、現場の微妙な統治形態、バランスなどを知らない社外取締役は経営、特に他社からの買収提案の判断を“損得勘定”だけで行う傾向が強い。
これが最も露骨に出てくるのは外資系の社外取締役である。
彼らは市場原理のみで短期的儲けでしか、企業の吸収合併を考えていないが、それが米国流である。
かくして小泉政権は株式交換を手法とした米国流M&Aを日本に解禁した。
関岡氏にはこの商法改正を対米追従政策でも最大級の売国だと断言している。
会計のことはよく分らないが、米国は日本に米国流の減損会計を導入する圧力をかけたが、それはそれまでの日本式の簿価会計では財務諸表の表面に出なかった不動産などの含み損益をあぶり出すためだった。
買収しやすくするために、会計上で日本企業を米国企業に比べて、相対的に低く算定させる必要があった。
素人考えかもしれないが、日本式簿価会計は電気回路で言えばコンデンサのように、電荷を蓄えたり放出したりする一種の安定化制御能力を持ち、企業経営の安定化装置として役立っていたように思う。
ところが、敵対的なM&Aを企む多国籍企業からみると、日本に新会社法を成立させて、国境を越えた株式交換のシステムを稼働させる必要があった。
個別決算から連結決算への転換もその流れにある。
そこで彼ら(ジャパンハンドラーズ)は法制審議会に圧力を掛け、2007年5月に米国流の「三角合併」を解禁させたのである。
外国株を使った株式交換が日本で行われると、外資は多額の買収資金を借り入れることなしに自社株を使って日本企業を傘下に収めることができる。
多国籍企業の巨大な時価総額にくらべれば、日本の大企業といえども圧倒的な比較劣位にある。
この状況で米国の外資防衛条項・“エクソンフロリオ条項”の考え方が皆無の日本では、「外国株対価の合併」を解禁してしまえば、日本企業は軒並み外資の手のうちに落ちてしまうことになる。
三角合併が解禁された2007年以降、おそらくこれに抵抗し暗闘していた日本人たちがいたとは思うが、これは全く外に出てこなかった。
結局は、小泉政権で外資による日本買いは加速的に進み、2007年のその時点でさえ、日本企業の3〜4割は外資の手中に落ちている。
外資が経営権を取得する際には株主総会で2/3の賛成が必要だが、シティ・グループは株取得を優位に進めるために日興コーディアルを買収した。
粉飾決算問題で苦境に立たされたこの会社が、たとえばみずほグループなど日本の金融会社の支援を受けて入れば、その後の日本はこれほど外資に蹂躙されることはなかったのかもしれないが、グローバル資本の傘下に入ったために命運が変わってしまった。
外国資本は中間に日本人を使って目立たないように邦人企業の株を買い漁り、取締会へ圧力をかけ、結果的に経営権を取得するという間接侵略の手法を使った。
彼らは、買収した日本の銀行や証券会社の持つ情報や人材を使って株を買い占め、日本人が気づいたときには日本企業の経営権を掌握しているというシーケンスである。
バブルが崩壊した1991年には4%台だった外国人持ち株比率が2007年は28%で、じつに7倍になっていたが、現在はそれを大きく上回っているはずだ。
この手の正確な情報が容易にネットで調べられないのは奇妙である。
以上の外資による日本侵略については、詳しくは関岡英之氏の「国家の存亡」「奪われる日本」、吉川元忠氏との共著「国富消尽」などに詳しい。
少し長くなってしまったが、小泉政権時の外資導入政策を掲げたのは、アベノミクスの成長戦略が、その延長線上にある日本買いの究極的な加速を目指していることが見えてくる。
産業競争力会議の中心に竹中平蔵氏がいて、彼が国家戦略特区諮問会議の中心メンバーに加わったのには、以上の文脈から恐ろしい意味がある。
この観点から、11月29日に目立たないように閣議決定された「会社法改正案」の中の、上場企業への「社外取締役の設置義務付け」が意味する恐怖の近未来が垣間見える。
この措置が、外国資本が日本企業の経営権を完全掌握する展望で行われていることは明らかである。
産業競争力強化や国家戦略特区など、安倍政権が着手している外国資本の投資を骨子とする政策がどれほど破壊的なものか見えてくると思う。
安倍首相は規制改革が民間活力を爆発させ、成長に繋がると言っているが逆である。
安倍政権の成長戦略は外資に日本を叩き売る究極の売国なのである。
この第3の矢を受け入れている日本人は、背中に火が付いたかちかち山のタヌキである。
国政偽装によって、背後に迫りくる外国資本による大災厄に気づいていないのである。
安倍成長戦略は日本人を地獄にたたき落とす売国政策 神州の泉
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2013/12/post-ba57.html
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- Re: てすと 初心に帰るお天道様に恥じない生き方 2013/12/04 12:46:12 (3)
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