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Re: テスト
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投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 10 月 15 日 00:10:35: igsppGRN/E9PQ
 

(回答先: テスト 投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 9 月 24 日 15:21:59)

小沢一郎妻に「離縁状」を書かせた男 第1回
http://g2.kodansha.co.jp/17703/17875/17876/17877.html
青木理(ジャーナリスト) G2


その記事は、確かに衝撃的な波紋を引き起こした。さる6月14日に発売された『週刊文春』(6月21日号)が、次のような大見出しを掲げ、トップ記事として放った“スクープ”である。

〈小沢一郎 妻からの「離縁状」全文公開
「愛人」「隠し子」も綴られた便箋11枚の衝撃〉

30年以上にわたって日本政治の舞台中央に立ち続け、いまもなお、良きにつけ悪しきにつけ一挙手一投足がメディアの関心事となっている小沢一郎(70)。その妻・和子が小沢の地元・岩手の支援者らに向けてしたためたとされる手紙には、にわかには信じがたいような内容がいくつも綴られていたのだから、衝撃を呼ぶのも無理はなかったろう。

〈小沢は放射能が怖くて秘書と一緒に逃げだしました〉〈長年お世話になった方々が一番苦しい時に見捨てて逃げだした小沢を見て、岩手や日本の為になる人間ではないとわかり離婚いたしました〉〈八年前小沢の隠し子の存在が明らかになりました〉〈三十年間皆様に支えられ頑張ってきたという自負心が粉々になり、一時は自殺まで考えました〉〈それでも離婚しなかったのは、小沢が政治家としていざという時には、郷里と日本の為に役立つかもしれないのに、私が水をさすようなことをしていいのかという思いがあり、私自身が我慢すればと、ずっと耐えてきました〉〈ところが三月十一日、大震災の後、小沢の行動を見て岩手、国の為になるどころか害になることがはっきりわかりました〉……。

『週刊文春』の発行元である文藝春秋などによれば、公称70万の部数は発売の翌15日夕までに完売し、手紙の内容はネット上などでも凄まじい勢いで伝播していった。同時に、日ごろから小沢に批判的な識者たちも、ついに決定的なダメージを「剛腕・小沢」に与える大スキャンダルが飛び出したと沸き立った。

たとえば、評論家の立花隆は翌週号の『週刊文春』(6月28日号)に、次のような一文を寄せている。

〈「これで小沢一郎はおしまいだ」と確信した。誰がどう読んでも、小沢は政治家失格だと確信する、それほど衝撃的な手紙だった〉

〈何しろあの一本の記事が当代随一の政界実力者の政治力を一挙に奪ってしまったのだ〉

問題の手紙が真に小沢和子の手によって書かれたものであり、その内容がすべて事実であるならば、こうした指摘も決して的外れではなかっただろうと思う。しかし、以後の経過を見ると、事態は必ずしもそのように推移していない。有力週刊誌や夕刊紙などはさまざまな形で後追い報道を繰り広げたものの、新聞やテレビといった大手メディアはほぼ沈黙を守り、問題の手紙がまるで「なかったもの」であるかのように振る舞っている。実際には政治家・小沢の今後にボディーブローのように効いてくるのかもしれないが、〈当代随一の政界実力者の政治力を一挙に奪ってしまった〉とまで断じるような状況には、少なくとも見えない。すべてがどこか霧のようなものに覆われたかのごとく、もやもやとしたままである。

■小沢一郎への嫌悪感

それにしても、小沢一郎という政治家は、ひどく奇態な存在である。いや、正確に記すなら、小沢一郎という存在そのものよりも、それを取り巻く周辺状況の方が奇態というべきなのかもしれない。

さまざまな世論調査などに目をやれば、世の人々の相当数は小沢一郎という政治家に嫌悪感を抱いているらしい。民主党を飛び出した小沢が立ち上げた「国民の生活が第一」なる新党について、結成直後に共同通信が世論調査を実施したところ、「期待している」とする回答が16・5%にとどまる一方、「期待していない」とする回答が81・8%にも上ったというのは、その証左の一つであるだろう。

しかし、一部の人々は小沢を熱心に支持しているらしい。世の多数が小沢に嫌悪感を抱いているのは、検察や官僚組織が意図的かつ恣意的に小沢の追い落としを謀っているからであり、しかも新聞やテレビといった大手メディアがその尻馬に乗って小沢バッシングやネガティブキャンペーンを繰り広げているからにほかならないと主張する人々は、さらに熱狂的に小沢支持に突き進む。

そうした主張には頷ける部分もあるにはあるのだが、小沢を取り巻く奇態な風潮の中で、事実は往々にして極端な方向へと歪められていく。一方の側は、事実を過大視してここぞとばかり小沢バッシングに狂奔し、もう一方の側はやはり事実を過大視したり過小評価したりしながら、すべては背後に「政治的謀略」がある、などと声を張り上げて訴える。

余談に属するのかもしれないが、小沢一郎をターゲットとする東京地検特捜部の捜査が繰り広げられていた当時、私は検察捜査の問題点をさまざまな場で批判した。どう考えても無理筋の捜査であったし、過去の政治資金事件に比べて捜査のハードルが明らかに低く、戦後初の本格的政権交代を検察ごときが掻き回すことにどうしようもない不快感を覚えたからなのだが、小沢を支持するらしき人々からはネット上などで随分と過分なお褒めを頂戴した。

一方で私は、小沢一郎という政治家に一片の好意も抱いていない。だから、同時に小沢批判にも幾度か言及したのだが、その途端、同じような人々からひどく感情的なバッシングを浴びることになった。別にネットなどで何を書かれようとどうでもいいのだが、小沢一郎という存在をめぐる近年の議論は、かくも感情的で、かくも極端に走りがちなことは痛感させられた。

つくづくと思うのだが、事実はもっと虚心に見つめられねばならない。さもなくば、歪んだ見方が大手を振って罷り通ってしまうし、エキセントリックな謀略論に閉じこもって異論を封殺するような輩も跋扈してしまう。

では、衝撃的に報じられて世に広く伝播しながら、新聞やテレビがほぼ沈黙した小沢和子の手紙の実相とは何だったのか。普段は「恣意的な小沢叩きに躍起となっている」と揶揄される新聞やテレビはいったいなぜ、格好のネタともいえる和子の手紙に反応しなかったのか。

幾人もの小沢関係者のもとを訪ね歩いたのだが、長きにわたって小沢と行動をともにしてきた元側近に尋ねてみると、やや言葉を濁しながら、こんなふうに打ち明けはじめた。

「あの手紙は、小沢先生の奥さまが書かれたものに間違いありません。ただ、おそらくはすべてが自らの意志で書かれたものではないと思います」

―自分の意志じゃないとすれば、いったい誰が?

「実は……」

つづく

 

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