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(回答先: test 投稿者 okonomono 日時 2012 年 9 月 10 日 00:28:30)
食料、自給率より生産力 TPPにらみ政策転換 農水省検討
http://digital.asahi.com/articles/TKY201303120890.html
朝日新聞 2013年3月13日
農林水産省が、農業政策で「食料自給率」に重点を置くのを改め、国内の総合的な農業生産力を示す「食料自給力」を政策目標にすることを検討していることがわかった。環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加をにらみ、国内の農業生産を強化するには政策の転換が必要だと判断した。▼7面=カロリー重視限界
複数の農水省幹部が明らかにした。来年度から議論を始め、2014年度末にまとめる「食料・農業・農村基本計画」に盛り込む。
国が食料自給率の向上をめざすことは、1999年施行の食料・農業・農村基本法で定められた。自給率は、カロリー(熱量)と生産額の二つで示すが、国民に必要な食料を国内で確保できる指標として、カロリーが重視されてきた。
カロリーの自給率は、近年は40%前後で推移している。小麦や、食用油の原料となる大豆をほぼ輸入に頼っているためだ。カロリーが高いコメや砂糖は高関税で守られており、関税ゼロが原則のTPPに参加すれば、さらに下がりそうだ。
農水省は、減反した水田でコメから大豆や小麦に転作するためなどに年3千億〜5千億円の予算をつぎ込んできたが、自給率は上がっていない。さらに農地の面積や農業者数も減り、農業の生産力は落ちている。
自給率は、食事の洋風化など消費者の動向にも左右される。これに対し食料自給力は、農業の生産力を総合的に把握できるようにする。具体的な目標は今後議論するが、農地の面積、専業農家の数などを検討する。カロリーが低い農作物の生産力も反映される生産額ベースの食料自給率も重視していく。一方、新しい目標を加えることで、政策の効果をよりアピールしやすくするという狙いもある。(小山田研慈)
◇
食料自給率、カロリー重視限界 巨額投入、薄い効果
http://digital.asahi.com/articles/TKY201303120670.html
朝日新聞 2013年3月13日
熱量(カロリー)でみる「食料自給率」は、国民の食べ物をどれだけ国内で賄えるかを示す食料安全保障の指標として重視されてきた。ただ、いくらお金をつぎ込んでも数字は横ばいのままで、政策目標としては限界にきていた。
カロリーの自給率は1965年には73%あったが、98年に40%に下がり、以降はほぼ変化がない。
農水省が自給率の公表にカロリーベースを加えたのは87年から。当時、米国が日本の農産物市場の開放を強く求めていた。市場開放に反対するJA(農協)を中心にカロリーの自給率の向上を求める声が高まった。
93年には自由貿易交渉のウルグアイ・ラウンドが合意に至り、日本も農産物の自由化(関税化)が決まった。これを受けて食料・農業・農村基本法が99年に施行され、自給率の向上に政府が取り組むことが明記され、特にカロリーベースが重視された。
主な対策として、減反したコメの耕作地で麦や大豆をつくる転作を進めた。農水省は2007年度には約3300億円、民主党政権の11年度にも約5400億円を投じたが、自給率は上向かなかった。
食料安全保障の面からも不十分だ。この30年間で農地は16%、各地域で中心的な農家は55%も減った。今後、環太平洋経済連携協定(TPP)に加われば、自給率が下がるのは避けられず、これまでの政策が成り立たなくなる。
政策目標に「自給力」を加えることに、自民党内では前向きな声が多い。石破茂幹事長は農水相時代に、自給力を示す新たな指標作りを内々に指示したが、09年秋の政権交代で立ち消えになった。昨年末の衆院選では「食料自給力の向上」を公約しており、小里泰弘農林部会長も「みかけの自給率より、自給力の方が大事」と意欲を示す。
新たな目標で、転作に集中していた予算が、優良農地の確保や若い専業農家の育成にも回しやすくなる。ただ、これだけで食料安全保障を確保できるかは未知数だ。規制緩和や税制改正なども課題になってきそうだ。(小山田研慈)
■過去の食料・農業・農村基本計画の概要
◆2000年(自民党)
<当時の食料自給率>
カロリー:40%
生産額:70%
<10年後の目標の食料自給率>
カロリー:45%
生産額:74%(参考値扱い)
◆2005年(自民党)
<当時の食料自給率>
カロリー:40%
生産額:70%
<10年後の目標の食料自給率>
カロリー:45%
生産額:76%
◆2010年(民主党)
<当時の食料自給率>
カロリー:41%
生産額:65%
<10年後の目標の食料自給率>
カロリー:50%(政治的に強調)
生産額:70%
※「当時の食料自給率」は、計画が策定された年の2年前の数字
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