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「ジャーナリスト同盟」通信より
http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/51992301.htmll
2012年9月15日
＜政府の新エネ政策の矛盾・逃げ道＞
「２０３０年代の原発ゼロ」が独り歩きしている。９月１４日政府が公表した新エネルギー戦略のことである。野田ドジョウの方針だ。選挙を意識した嘘の公約であろう、と国民の多くが、決めつけている。「白アリを退治するまで、消費税を上げない」という国民への約束を反故にして、１０％の消費税に引き上げる法律を、自民と公明を抱き込んで強行した野田である。原発で２匹目のドジョウを狙う策略なのだろう、と大方の市民は判断している。
＜ドイツＺＤＦテレビは官邸前から分析報道＞
それでもドイツのＺＤＦテレビは「１歩前進」と報じた。同時に「逃げ道だらけだ」と決めつけて、同日の官邸前の反原発デモの現場から報道した。さすがはドイツのジャーナリズムは鋭い。
官邸前からデモ参加者の声を紹介する報道が、日本のテレビ局に１つでもあったろうか。ないだろう。
日本の新聞テレビは、財閥出身の経団連会長の原発ゼロに反対する声を大きく報じた。同時に大間原発建設を始動させ、６カ所村の再処理工場の継続を訴える愚かな青森県の利権政治屋の行動を取り上げた。
矛盾だらけの政策の背後には、ワシントンの意向も反映させている。「核燃料サイクルは継続せよ」が彼らの厳命だ。「もんじゅ」にも延命装置をつけた。国民を愚弄するドジョウは、会見でわざわざ「柔軟性」という言葉を使って、ワシントンと財閥に配慮した。
メルケルと野田の政策は天地の開きがあろう。ドイツがやろうとしていることが、なぜ日本では出来ないのか。官閥・財閥の原子力ムラに支配されている日本を、何としても変えねばなるまい。官尊民卑から離脱する２１世紀の日本にしないと、この国の民が哀れでならない。
＜編集者は首をくくれ＞
こんな日本にした元凶は、日本のジャーナリズムの腐敗にある。正論を主張しないからである。財閥・官閥。ワシントンに屈してしまっているからである。
そこで日本の言論人に言いたい。新聞人・テレビ編集者が、一斉に蜂起するのである。彼らジャーナリズムを担う責任者が、首をくくるのである。現場の取材に責任ある対応をするのである。経営者の圧力を跳ね返すのだ。それを全社で行動するのである。
新聞テレビが正義を実践するのである。官閥と財閥のくびきから脱するのである。そうすれば日本を再生できる。石原や野田の宣伝報道からの離脱である。ジャーナリストを自負するのであれば、こうした当たり前の決断をする責任があるのである。
＜自民与党化で骨抜き＞
９月１４日夜のゴールデンタイムにＮＨＫは、民主党代表選の大宣伝報道に比例して、自民党総裁選にも大々的に公共電波を提供した。５４基の原発推進政策は、原子力ムラと一体的になってきた自民党政治に問題がある。
３・１１で変化したと思いたかったのだが、５人の総裁候補から変化を感じる発言はなかった。「政権が交代すると、また元の木阿弥」というドイツ記者の分析を裏付けることになる。
原発政策では、嘘つき民主党だけでなく、自民党からも史上空前の大惨事に対して反省も謝罪も聞かれない。政党・政治家以前に人間失格である。そんな政党が与党化すると、原発ゼロは骨抜きにされるだけである。
＜ＮＨＫの快挙？＞
５人の総裁候補を招いてのＮＨＫ番組で、一つだけ素晴らしい演出があった。用意した紙に意見を書かせたのだ。確か「選挙後の政権構想について考えを書いて欲しい」という司会者の要望に５人が、大きな用紙に持論を書いたのだ。それを一人一人の文字を、映像で大きく紹介した。
これは見事な、ＮＨＫにしては快挙ともいえる演出だった。
５人の候補は、実に見事な文字を披歴してくれたからである。習字の先生でなくても、びっくりするような文字が次々と登場した。以前、漢字の読めない首相や大臣がいたが、今回の５人の文字は、どうみても小学生の書いた幼稚なものだった。
＜総裁候補の文字は小学生＞
筆者に一人の孫娘がいる。先頃、ＮＨＫの俳句番組に出て「スカイツリー プールサイドに 落ちる雨」を即席で読んだ。近代を象徴するスカイツリーの日本、その結果としての放射能雨という構図に驚いたものだが、５人の文字は彼女の文字と同等か、それ以下なのだ。
以前、自民党の政治家の中に政治資金を節約するため、冠婚葬祭に色紙を持参して、その場をやりくりしていた人物がいた。もらった方も、現金よりも価値がある。喜ばれる。政治家も大いなるコスト削減が出来る。其の分、悪い金に手を出さなくて済む。一石二鳥であろう。
＜色紙も書けないお粗末＞
宮澤喜一の事務所にゆくと、立派な書が掛かっていた。有名な漢詩を、半分を胡耀邦総書記が、残り半分を宮澤が書いたものだ。二人の日中首脳の書は、甲乙つけがたい立派なものだった。それは教養の高さを印象付けていた。
吉田茂の字もいい。三角大福時代の書も。皆それぞれ政治集会をすると、色紙を支持者に配っていたものだ。文字で人物を測定するつもりなど毛頭ないが、それにしても自民５人衆のそれはひどすぎる。
極右知事の七光りで飛び出した候補は、総選挙で「単独過半数を目指ス」と書いた。ひらがなとカタカナ混じりだ。頭が混乱していたのだろうか。
ふと鳩山邦夫のことを思い出した。彼が書いたという色紙のことである。「票が減ってしまうのではないか」と心配したほどである。原発問題から、あらぬ方向に走ってしまったが、日本政治・政治家は、悲しいことだが著しく劣化している。
そして、やたら「国を守る」などと国家主義を絶叫する輩ばかりである。５４基も建設した罪は途方も無く重い。それでいて反省もしていない当事者ばかりなのだ。
２０１２年９月１５日８時５５分記
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