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小沢と橋下のスタンスは“撃ち合い、殴り合いは避けましょう”の様相になっている
2012年09月03日 ：（世相を斬る あいば達也）
極めて具体性に欠けた“夢物語”が橋下徹率いる「大阪維新の会」から“維新八策”と云うネーミングで発表されたが、前半の象徴的理念部分は、まさに新興宗教の勧誘文の典型のようである。最近のメディアジャックといえば、AKB48と橋下大阪維新の会だろう。もうマスメディアの頭には小沢新党「国民の生活が第一」などはナッシングになっている。AKB48の悪口は週刊新潮が書くようだが、AKB48の批判と云うより、それをこぞって取り上げるメディアの体たらくに悪態をついている。つまり、AKB48を批判はしていない(笑)腰が今ひとつ座っていない。
橋下大阪維新の扱いは、是々非々だが、紙面を賑わさない日はない。面白ネタに喰いつくマスメディアにしてみると、ありがたい限りの素材なのだ。書いている方、読んでいる方、時には観ている側も、芸能ネタと重なる形で接触している趣きもある。ただ、特にTVでの露出度イコール、好感度に繋がる現象も多いので、影響を馬鹿にするのも禁物なのだろう。それに対し、小沢一郎と云う政治家の露出は、主に東京地検特捜や検察審査会や裁判における露出が中心で、逆好感度と云う影響も軽視できないのだろう。いずれにせよ、いま日本のマスメディアは小沢一郎を政治勢力として、ナッシング状態に置いておきたいようである(笑)。
橋下徹のブレーンの面々が出そろうと、“あぁ、小泉純一郎バージョンだな”と判り過ぎるわけだが、自助・共助を主体とした国民の自立（この場合、自己責任重視）がメインで、公助は極力最低限に抑える方向が明確になっている。つまり、余程の弱者を除いて、99％の国民は自助と共助で生き抜きなさいと言っている。非常に判りやすく、特に嫌いではない。ただ、普通から強者にとって生きがいのある国家であり、普通以下は落ちこぼれても致し方ない方向性も示している。筆者などは、国民の7割程が普通以下だと認識しているので、7割の国民には厳しいグレートセッションを用意しているようである(笑)。
ただ面白い点は、基本理念を読んでいると“小沢一郎のパクリじゃん”と思わせる部分が多数散見する。最も気になるのは、グローバル経済で勝者になるため、と云う目標が彼らの魂である。所謂、明らかな市場原理主義だ。そこが小沢一郎と決定的に異なる部分なのだろう。長谷川幸洋氏が消費増税への疑問、原発再稼働への疑問等々、ニュートラルな論を展開しているが、ことTPP、グローバル経済の勝者、市場原理主義的考えに置いては、筆者と大きく距離を持つ。長谷川氏が橋下にシンパシーを感じるのは、成長経済主義が一致しているからだろう。特に筆者と論が異なるからと云って、非難する問題ではないが、グローバル経済、金融資本主義が行き詰っているのに、今さらな〜と筆者などは思う。
≪ 維新連携にも意欲 大阪維新の会との選挙協力を明言
新党「国民の生活が第一」の小沢代表は２日のＮＨＫ番組で、次期衆院選について「できれば１００人前後、わが党だけで擁立できるようにしたい」と述べ、党所属衆院議員の３７人を大きく上回る候補を擁立する方針を明らかにした。
地域政党・大阪維新の会（代表・橋下徹大阪市長）との連携については「力を合わせて国民のために頑張ってくださいというのが素直な国民の声だ。できる限り協力できるようにしたい」と述べ、意欲を示した。≫（読売新聞）
上記のような記事を書いているが、小沢は維新に限定したモノ言いはしていなかった。国民の期待を裏切った民主党、そもそも駄目な自民党。そうなれば、残された民自ではない政党が頑張り、国民の溜まりにたまった閉塞の受け皿にならなければならない。その為には、維新に限らず、他の政党との“足の引っ張り合い”にならないような連携を模索し、民自に変わる勢力を用意しなければならない、と言っている。橋下も小沢も、共に手を取り合ってと云う流れではないが、敵対的関係にならない構図があるなら、その方向で調整したいと云うニアンスは双方に籠められている。
筆者としては“縄文の心のありやなしや”で政治の好みを決めているだけに、橋下と小沢の勢力の連立と云うのには違和感だらけである。しかし、民主党、自民党、霞が関と対峙するだけでも容易な政策転換ではないので、過渡的連立としては、最低でも行財政改革に接近できるかもしれないと云う妥協もあるのだろうと思わざるを得ない。小沢一郎の「生活」だけで、200議席取れる見通しがあれば、断固拒否だが、そこまでの強気の予測も考えられない。そうなると、50〜100議席を有する政党との連立は欠かせない、現実的問題だ。
維新の会が９日に開く公開討論会に小沢一郎に声が掛からなかったと嬉しそうにマスメディアが報じていたが、当然だろう。出来てもいない政党の討論会に、小沢“出て来い”などと言える筈もない。朝日は橋下維新の政党化要件の記事を以下のように報じている。
≪ 松野氏ら５議員、維新参加正式伝達 「八策」に賛意表明
民主党の松野頼久元官房副長官や自民党の松浪健太衆院議員、みんなの党議員ら衆参５議員は１日、大阪維新の会（代表・橋下徹大阪市長）幹事長の松井一郎大阪府知事らと大阪市内で会談し、維新の会が９日に開く公開討論会への参加を正式に表明した。５議員は維新の政権公約「維新八策」にも賛意を示し、新党参加が固まった。１２日に新党立ち上げを宣言する見通しだ。
関係者によると、会談には松野氏（衆院熊本１区）と松浪氏（衆院比例近畿）、民主党の石関貴史衆院議員（群馬２区）、みんなの党の上野宏史、小熊慎司両 参院議員（いずれも比例代表）の５人と松井氏らが出席した。
会談では、討論会で協議する維新の政権公約「維新八策」の内容や、参加を希望する国会議員などについて情報交換。松野氏が「民主党の例をみても、政策一致が大事。選挙で訴えたことを守ることが大事だ」と述べたのに対し、松井氏も同意し、「維新は大事なことは多数決で決めている。決めた以上は守る。従わないといけない」と応じたという。
維新は８日に国政進出を正式決定する予定。５人は、維新が１２日に大阪市内で開く政治資金パーティーに参加し、その場で国政政党の立ち上げを正式表明する見通しだ。５議員の参加で新党は政党要件を満たし、次期衆院選で小選挙区と比例区の重複立候補ができるなどの利点を得る。
会談では、議員側から、９日の公開討論会にほかにも現職・元職議員十数人の参加を呼びかけることができると提案したが、維新側は「自ら来たいという人に来てほしい」と留保したという。
維新の会は、新党参加の条件として、公開討論会への参加と維新八策への賛成を求めている。≫ 朝日新聞
この記事が事実であれば、参加議員は政権公約「維新八策」に賛同したとなっている。公開討論会せずに丸呑み？これでは“踏み絵”を土足でビシバシ踏みました、と云う感じなのだが、松野頼久って男は、そんな政治家だったのだろうか？少々筆者の眼鏡も曇ってきたようだ(笑)。ただ、筆者としては、未だ若干の未練と云うか、自分の目を信じてやりたい気分も手伝い、穿った見方も残している。
松野頼久や松浪健太の二人がスパイではないが、橋下「大阪維新」単独で政権を握れるわけでもないだろう。そのくらいは、橋下も想像している。民主・自民本体との関係ではないが、解散総選挙の号砲に合わせて、そこから離党する議員や「国民連合」との連携、延いては連立も視野に入れると、彼ら二人が接着剤となる可能性は大いにある。その後、「大阪維新」自体にも、ギシギシと軋みも生ずるだろうから、そこから先、またまた一寸先は闇になるのかもしれない。今夜は、政局雑感の意味合いで書いてみた。民主党、自民党、ホントまったく興味がなくなった。ではでは、オヤスミナサイ！
元記事リンク：http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/ade65058f8147128fe1c1d04f3fd1a6d
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