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【1945年2月14日】
「陛下 我国体について、近衛の考えと異なり、軍部では米国は日本の国体変革までも考えていると観測しているようである。その点はどう思うか。
近衛 軍部は国民の戦意を昂揚させるために、強く表現しているもので、グルー次官らの本心は左に非ずと信じます。グルー氏が駐日大使として離任の際、秩父宮の御使に対する大使夫妻の態度、言葉よりみても、我皇室に対しては十分な敬意と認識とをもっていると信じます。ただし米国は世論の国ゆえ、今後の戦局の発展如何によっては、将来変化がないとは断言できませぬ。この点が、戦争終結の策を至急に講ずる要ありと考うる重要な点であります。
陛下 先ほどの語に軍部の粛正が必要だといったが、何を目標として粛軍せよというのか。
近衛 一つの思想がございます。これを目標と致します。
陛下 人事の問題に、結局なるが、近衛はどう考えておるか。
近衛 それは、陛下の御考え……。
陛下 近衛にも判らないようでは、なかなか難しいと思う。
近衛 従来、軍は永く一つの思想によって推進し来ったのでありますが、これに対しては又常に反対の立場をとってきた者もありますので、この方を起用して粛軍せしむるのも一方策と考えられます。これには宇垣、香月、真崎、小畑、石原の流れがございます。これらを起用すれば当然摩擦を増大いたします。
考えようによっては、何時かは摩擦を生ずるものならば、この際これを避くることなく断行するのも一つでございますが、もし敵前にこれを断行する危険を考えれば、阿南、山下両大将のうちから起用するも一案でございましょう。先日、平沼、岡田氏らと会合した際にも、この話はありました。賀陽宮は軍の建て直しには山下大将が最適任との御考えのようでございます。
陛下 もう一度、戦果をあげてからでないとなかなか話は難しいと思う。
近衛 そういう戦果があがれば、誠に結構と思われますが、そういう時期がございましょうか。それも近い将来でなくてはならず、半年、一年先では役に立たぬでございましょう」
(藤田尚徳『侍従長の拭想』)
私は、右翼でも左翼でもないが、
これより前のサイパン陥落で、日本の敗戦は完全に決まっていた。
その時に、天皇が無条件降伏をしておけば、
東京大空襲も、原爆投下も、なかった。
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