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山口県知事選が与える国政選挙への影響
2012年07月29日 :(在野のアナリスト)
山口県知事選、事実上、二井知事から付託をうけていた形の、自民・公明が推薦の山本氏が当選しました。これは民主党にとって、ややショッキングな出来事です。民主党の衆院議員でありながら、県連の意に反して出馬した高邑氏はまったく当落線上にも至りません。自民王国である山口ですから、山本氏が強いのは当然としても、そこに食い込んだのは無所属の飯田氏です。
大阪維新の会、橋本市長と繋がりがあると云っても推薦すら受けておらず、ただの無所属新人です。つまり既成政党に対する一つの力、反原発という主張が有権者に与える影響を、見せ付けた形になりました。しかも、次期衆院選の試金石とされた山口県知事選ですが、メディアへの露出が少なく、風が吹きにくい地方選でこの結果です。風が吹く国政では、この流れはもっと強くなる。選挙戦において、地盤があっても無党派層の流れが結果を左右することが、今回も示されました。
民主・岡田副首相が自民に1月選挙を打診し、断られたようです。3党合意で秋解散、を前提にしていたものを、後ろ倒しにしようとした形ですが、これも民主の危機意識です。民主は候補を立てられませんでしたが、むしろ山口県知事選に候補を立てない、という行為は、党として独自の世論調査をとらないことと、ほぼ同義です。衆院解散まで、党が危機的状況にあることを、党員に知らせないため。つなぎ止めるためには、その前に凋落を示す兆候すら悟られてはいけない。高邑氏はそれに反発して出馬したものの討ち死に。これは人でなく党が追い風をうけ、前回選挙は勝利した形が鮮明になりました。
民主では負ける―。
民主党執行部は、衆院解散までこれをヒタ隠しにするはずです。山口県知事選も、あえて候補を立てなかった。党所属議員をつなぎ止めておくには、この事実を徹底的に隠蔽するしかありません。参院で残り1議席、実は2議席なのですが、この数を押さえられると議長を自民からだす形となり、議会運営がままならなくなります。それを避けるには情報を隠蔽するしかない。
ただ、この山口県知事選、自民ですら安堵どころか震撼する内容です。選挙を避けたい気持ちすら芽生えます。しかし遅れれば遅れるほど、橋下維新の準備が整い、戦いにくくなる。民主も自民も判断に悩ましいところです。しかも遅れると民主から離党が増える、自民は落選議員から突き上げられる、いいこともありません。公明を一緒に説得しよう、ともちかけた岡田氏を突き放したのも、自民にも事情があるためです。結果的に、秋解散をより鮮明にしたことになるのでしょう。
脱原発、行政改革、財政再建、社会保障に至るまで、実は支持母体なる存在が、足を引っ張っていることに他なりません。自民が公共工事を訴えるのも、結局そこに利権があり、票に結びつく構造があるためです。しかし、次々と勃興する新政党、地方政党などは、逆に支持母体がないため、こうした施策で大胆なものを打ち出しやすい。支持母体なければ、日本の最大勢力である無党派に訴えることができるのです。既成政党にとっての脅威、それは支持母体がいること、なのかもしれません。
恐らく、この結果をうけて、維新の神通力が弱まった、と一部のメディアは伝えるのでしょう。ただ次の国政選挙、恐らくいつ実施されても無党派の暴風が吹き荒れ、日本の政治が変わるほどの衝撃をうけるのでしょうね。
元記事リンク:http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52295415.html
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