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2012年7月16日 (月)
出来レース原発依存度聴取会なら血税の無駄遣い
将来の原発比率はどれくらいがいいか。
政府のエネルギー・環境会議が国民の意見を聞くという会が埼玉、仙台で開催され、早くも馬脚を現している。
昨日のブログ、メルマガに「審議会の手法」を書いた。
有識者の学識、見識、良識に委ねて重要問題を審議するというものだが、その実相は、官僚機構が決定する案を正当化するための手法に過ぎないことを指摘した。
小泉政権がタウンミーティングを実施した際、「やらせ」が発覚した。
タウンミーティングで市民の意見を聴く会を装いながら、そのやり取りがやらせであったことが発覚した。
タウンミーティングには巨大な国費が投入され、そのカネが、大手広告代理店に流れていたことも判明した。
原子力発電所の再稼働をめぐっては、九州電力が昨年の原発事故のあとでも「やらせミーティング」を行っていたことが判明した。
いわゆる「偽装」である。
今回の原発比率問題では、仙台での会合で、東北電力執行役員企画部長と東北エネルギー懇談会の専務理事が発言権を得て発言した。
そもそも、この会の運営そのものが公正でない。
政府は2030年時点の原発比率について、(1)0%、(2)15%、(3)20〜25%の三案を提示した。
今回のタウンミーティングでは、この三つの案のそれぞれの賛成意見を3人ずつが発言する形式で行われた。
事前に意見表明希望者を募り、抽選で3案について、3人ずつの発言者を選んだとされる。
しかし、意見表明希望者の人数が3案でまったく異なる。
事務局発表では、聴取会に175人の参加応募があり、抽選130人を選んだ。このうち意見表明を希望したのが93人だった。3案の内訳は、0%案が66人、15%案が14人、20〜25%案が13人。
3案について、それぞれ3人の意見表明者を抽選で選んだとされる。
しかし、20〜25%案賛成を表明した3人のうち2人、15%案賛成を表明した3人のうち1人が仙台在住ではなかった。
意見の分布を踏まえるなら、0%案賛成者5人、15%案賛成者2人、20〜25%賛成者2人に発言させるべきだ。
コンピューターによる抽選で選んだと報道されているが、その具体的方法を公開する必要がある。
検察審査会の審査委員選定ソフトは、これまで明らかになった事実をもとにすると、「いかさまソフト」であったようだ。
聴取会を仕切った広告代理店は、いかさまソフトを使ったのではないか。
埼玉の聴取会を仕切ったのは博報堂であると伝えられているが、発注金額を公表するべきだ。
テレビの報道番組では、厳しい追及がほとんどなされていないが、テレビ局にとって命綱であるスポンサー収入に多大な影響力がある博報堂の問題だから、完全に腰が引けているわけだ。
国民に確約しても平気でその約束を踏みにじる政府が、このような聴取会を開催しても、単なるカネの無駄である。
政府支出の無駄を排除することが大事なら、こんなやらせ聴取会など即刻中止するべきだろう。
そして、国会は、今回の参加申し込みの実態、抽選方法の詳細を厳しく問いただすべきである。
抽選等に作為が介在した証拠が発覚すれば、細野担当相の罷免は免れない。
問題の背景に、経産省と原子力産業=原子力村の癒着がある。
全国の電力会社には、これまで多数の官僚が天下りを繰り返してきた。
昨年4月18日付しんぶん赤旗は、日本共産党の塩川鉄也衆院議員の調査結果を次のように伝えている。
「塩川氏によると、これまで電力会社ごとに天下りした数は、東北電力、九州電力が各6人、北海道電力、東京電力、北陸電力、関西電力が各5人、沖縄電力が4人、中部電力、中国電力、四国電力が各3人。10電力会社で計45人にのぼります。
東電同様、どの電力会社も、ほぼ切れ目なく、経産省(旧通産省)幹部が天下りしていることが特徴です。
たとえば、関西電力が、井上保通商産業省公益事業局長(顧問→取締役→常務→副社長)▽柴田益男資源エネルギー庁長官(顧問→専務→副社長)▽長田英機中小企業庁長官(顧問→取締役→常務→副社長)▽岩田満泰中小企業庁長官(顧問→常務→副社長)▽迎陽一経産省商務流通審議官(顧問→常務)といったぐあいです。
45人のうち、現在、電力会社に在職中の天下り官僚は、前資源エネルギー庁長官の東電・石田徹顧問、関西電力の迎常務のほか、北海道電力の山田範保常務、北陸電力の荒井行雄常務、四国電力の中村進取締役、沖縄電力の遠藤正利取締役の計6人です。」
経産省は原発事故のあとも、全国電力会社への天下りをまったく見直していない。
また、つい最近、経産省事務次官OBが日立製作所に天下りした。
経産省は原子力推進企業から巨大な利益供与を受けている。
だから、原発推進の方針を示し、暴走を続けているのだ。
聴取会も国民の意見を聴いて政府方針を決める参考にするために開いているのではない。
原発推進の結論を示すための、アリバイ工作をしているだけに過ぎないのだ。
だから、いまの政治を変えなくてはならないのだ。
官僚が支配する政治に終止符を打たねばならない。
そのためには、選挙で、官僚が支配する政治に終止符を打つ政治勢力に国会過半数の議席を付与することが必要不可欠である。
そのために、私たちが何をすべきかについては、回を改めて論じることにする。
・・・・・
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