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2012年5月11日 (金)
シロアリ退治なき消費増税強行が目的の国策控訴
民主党が小沢一郎民主党元代表に対する党員資格停止処分を解除したが当然の対応である。
そもそも、これまで党員資格を停止してきたことがおかしい。
基本的人権を尊重するための鉄則のひとつに、「無罪推定の原則」がある。
日本の法体系では、刑事訴訟法第336条に、
「検察官が被告人の有罪を証明しない限り、被告人に無罪判決が下される」
という条文がある。犯罪の立証は検察官が負い、犯罪が立証されない限り被告人は無罪なのである。
そして、無罪推定の原則とは、有罪が確定するまでは、無罪と推定されなければならない。
無実の人間が犯罪者扱いされることほど深刻な人権侵害はない。
このことを回避するために、有罪が確定するまでは無罪を推定することが、現代国家の根本原則のひとつに数えられているのである。
小沢氏に対しては検察が捜査の限りを尽くしたが不起訴の決定をした。
それにもかかわらず、市民団体の名を借りて検察審査会に審査を申し立てた人物がいた。
その結果として検察審査会が開かれることになったが、あろうことか、東京地検特捜部は組織ぐるみで、うその捜査報告書を作成し、小沢氏が起訴されるように誘導したことが明るみに出た。
刑事訴訟法第一条に次の条文が置かれている。
第一条 この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。
「基本的人権の保障を全うすること」は、刑事訴訟法の第一条に明記される基本の基本である。
検察がうその捜査報告書を作成して、小沢氏を起訴するように誘導したことは、とてつもない犯罪であり、本来、新聞の大半が連日この問題に紙面を割くべき問題である。
指定弁護士が控訴したが、一審で審理を尽くした結果として無罪が示されているわけで、小沢一郎氏の基本的人権に配慮した対応が強く求められている。
民主党では岡田克也氏や前原誠司氏などが先頭に立って、小沢氏を罪人視する言動を示してきたが、彼らの説明責任が問われる必要がある。
検察が不起訴としたものを、新しい検察審査会制度を通じて起訴された事案であり、通常の起訴とはもともと性格が異なる。
しかも、検察はうその捜査報告書を作成して小沢氏が起訴されるように誘導したのだ。無実の人間の基本的人権が大きく侵害されたなかで、岡田克也氏や前原誠司氏は、同じ民主党の党員でありながら、小沢一郎氏の人権を侵害し続けてきたのである。
岡田氏や前原氏の党員資格停止や除名処分を検討するべきである。
一審無罪判決が出た時点で輿石東幹事長が党員資格停止処分の解除を提言したのは適切であった。本来、この処分は有罪が確定した時点で実施すべきものである。それが人権尊重を重視する政党の正しい行動の取り方である。
岡田克也氏や前原誠司氏は、近現代国家における人権尊重の精神を欠いていると言わざるを得ない。
さて、当面の最大の課題は、消費増税である。
正確に言えば「シロアリ退治なき消費増税」ということになる。
この「シロアリ退治なき消費増税」の担当に岡田克也氏が充てられているところが、何とも滑稽である。
シロアリとは何か。
日本の政府部門に巣食う、害虫である。
国民の貴重な税金を無駄に吸い尽くしてしまう、最悪の害虫である。
シロアリの習性は、「天下り」を繰り返す点にある。
拙著『消費増税亡国論』に詳述したが、天下りには三つの種類がある。
「官官天下り」、「官民天下り」、「検警天下り」だ。
「官官天下り」というのは、「官」から「官」へ天下りするもの。
役所の局長から、政府系機関の副社長に天下りする。
役所をやめるときに高額の退職金をもらう。
そして、政府系機関の役員をやめるときにまた高額の退職金をもらう。
これを、具体例を入れて分かり易く説明した人がいた。
野田佳彦という人だ。いまの総理大臣と同姓同名で、しかも外見がそっくりなのだが、恐らく別人であると思われる。その理由は、二人の野田佳彦氏の発言内容が正反対だからだ。
まずは、2009年7月14日の衆議院本会議の演説を見ていただきたい。
このなかで、野田氏は次のように述べた。
「わたりも同様であります。年金が消えたり消されたりする組織の社会保険庁の長官、トップは、やめれば多額の退職金をもらいます。六千万、七千万かもしれません。その後にはまた、特殊法人やあるいは独立行政法人が用意されて、天下りすることができる。そこでまた高い給料、高い退職金がもらえる。また一定期間行けば、また高い給料、高い退職金がもらえる。またその後も高い給料、高い退職金がもらえる。六回渡り歩いて、退職金だけで三億円を超えた人もおりました。」
これが、先程述べた「官官天下り」である。
これについて、映像に登場する野田佳彦氏は2009年8月15日の大阪街頭で次のように述べた。映像と合わせてご覧いただきたい。
「シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす。
そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしいんです。」
とても分かり易い。
続きは稿を改めるが、日本政府全体にシロアリが巣食っており、庶民が汗水流して蓄えたお金を吸い尽くしている。
このシロアリ退治をせずに消費増税を実施するなど、絶対に許さないと宣言したのが、映像に出てくる野田佳彦氏である。
ところが、同姓同名の野田佳彦氏がいま、「シロアリ退治なき消費増税」を無理やり進めている。
その担当者に任命されたのが、人権意識のない岡田克也氏だ。
滑稽と言ったのは、この岡田克也氏の実家であるイオン株式会社が、まさに天下り王国と言える状況を作り、旨みを吸い尽くす会社だと表現してもおかしくない存在だからだ。
・・・・・
****参考****
植草一秀氏講演会
明日:5月12日(土)「亡国のTPPと増税に反対!」講演会 ―in高知―
http://saron-kinyoubi.cocolog-nifty.com/blog/
来週:5月19日(土)「シロアリ退治なき消費増税粉砕講演会」―in京都―
(ゲスト:天木直人氏)
http://booksogaki.blog87.fc2.com/blog-entry-129.html
消費増税亡国論
著者:植草 一秀
販売元:飛鳥新社
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