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「日本一新運動」の原点―102
2012年03月27日 :(日本一新の会。)
日本一新の会・代表 平野 貞夫
○小沢問題・消費税増税・原発問題などの背後にあるもの
3月23日(金)に池袋豊島公会堂で開かれた『小沢政治裁判を終わらせよ!』と題するシンポジウムに出席した。冷たい雨の降る金曜日にもかかわらず、約400人もの市民が参加してくれた。
植草一秀氏(評論家)の基調報告、石川知裕衆議院議員、森ゆうこ参議院議員、二見伸明元衆議院議員、三井環氏(市民連帯の会代表・元検事)の発言に続いて、私が「判決を前にして、われわれはどう行動するか」とのテーマで発言した。
冒頭で、3月19日(月)の最終弁論で、小沢氏が精魂込めて発言した「私への捜査は、民主党への政権交代を阻止し、挫折させるために検察が政治に介入したもので、議会民主政治において許されるべきことではない」を紹介した。そして、3年間にわたった「小沢陸山会問題」は、検察の捜査や司法の劣化などと関連しながら、政治の背後にあるものや、その深層部を検証しなければならないと主張した。
それは、消費税増税の強行や原発放射能問題などの背景にある「マネーゲーム・ファシズム」の存在である。
(消費税増税問題―国民の生命を削る!)
豊島公会堂の帰りに、国民の声出版委員会から『国民の声 消費税増税問題について私もひとこと』という冊子をいただいた。帰宅してページをめくると、『貧困者の命を削る消費税増税』という、神奈川県に住む花上直之さん(78歳)の声が私の心を刺した。要点を紹介しよう。
『夫婦二人で、1ヶ月12万1940円で生活しているとする。家賃、医療費別。消費税率5%で5806円掛かるので、実質は11万6133円で暮らしている。これが消費税率10%となれば、消費税1万1085円で、実質は11万854円で暮らすことになる。まさに、貧困者の命を削る消費税増税である。貧困者の使う1万円と、富裕層の使う1万円ではまったく意味が違う。使う額が問題ではなく、使える額が問題なのだ。この際、民主党は前回総選挙において国民に約束した「国民の生活が第一」の原点に立ち帰ることを強く求める。』
この花上さんの指摘は重大である。現在、わが国では生活保護家庭は約200万世帯、年収200万円以下の人が1千3百万人といわれている。
さらに、消費税増税の負担に耐えきれず経営困難に陥る零細・中小企業は数え切れない。花上さんの主張のように、生活必需品も無差別に、10%の消費税増税で「命を削る日本人」の数は、恐らく4千万人を軽く超えると私は推測する。
日本人の約3分に1に当たる人々に、命を削る思いをさせる消費税増税を、「任期中はやりません」と政権公約して政権交代した民主党の野田首相は、「命を懸けて」今国会で成立させると宣言した。議会民主政治を冒涜し、嘘と捏造の消費税増税である。国際的にみても、生活必需品ごと10%の消費税を、長期不況とデフレが続く最悪の経済状態で、しかも、大震災の被災者が救済されないままで実施しようとしている。民主党内での反対論も強くなっているとはいえ、議論を聞いていると、まだ本質論を突いていない。
これらの手口は「小沢陸山会問題」の捜査・裁判とそっくりである。それは消費税増税には財務官僚が、小沢陸山会問題には司法官僚が推進・突破役を担っているということも同じである。さらに、増税で政府広報費を得ようとする巨大メディアが、その背景で大きな影響力を行使している。これも共通していることだ。
(原発・放射能問題―国民の生命・健康が第一!)
福島原発事故で存立に苦しむ東京電力の電気料金値上げは、社会問題、政治問題になっている。東京電力の無能さと経産省の無責任さに原因があるが、その根本は稼働・停止中の「原子力発電」をどうするかだ。原発推進論・反原発論等々いろいろある。押さえるべきは、放射能発生を宿命とする原発は、大震災・大津波が多発する日本では、可能な限り早急に廃止すべきである。環境や健康に害の少ないエネルギーの開発により、経済の活性化を図らなければならない。
最大の問題は、あの未曽有の原発災害、しかも人災ともいわれる問題について、東電及び野田内閣・関係閣僚、さらに原子力村の御用学者と、それにつらなる財界守旧派が、反省も展望も持たずに事態を放置していることだ。狙いは従前の原発既得権を維持するためである。そのために、国民の生命や、健康に係る重要な情報を隠蔽している可能性すらある。なんと、十分な検証もないまま関西電力の大飯原発再稼働を、政治判断で決定しようとしている。大事なことが狂っているとしか言えない。
原発事故・東電問題は、電力関係官僚が中心になって、民主党政権で小沢氏を排除した政治家どもが、はやくも「シロアリ」となって東電利権を漁っているらしい。大震災・原発事故発生時から始まった菅政権の情報隠匿は、国際社会から厳しく批判された。これらの問題も「小沢問題」と構造的に酷似している。原子力に関係してきた官僚・御用学者・財界が既得権を死守しようとすることに、巨大メディアが情報コントロールで荷担し、私利私欲の政治家どもが絡むという構造だ。この輩にとって、小沢一郎の政界での存在が邪魔になるわけだ。
(今も存在する「小沢排除」の悲劇)
先月、谷垣自民党総裁に近く、小沢ファンでもある国会議員に、気乗りはしなかったが求められて会食した。その時の話だが、「自民党がもっとも恐れているのは小沢さんが復活して、民主党でも、あるいは新党でも、彼の手で総選挙を仕切られると自民党は敗北する」とのこと。選挙に対する小沢氏への恐怖心で、自民党は凝固しているのだ。
谷垣総裁が3月24日(土)の日本テレビ「ウェークアップ!プラス」で、「小沢一郎という政治家は「政党を潰したりつくったりする悪い奴だ」という趣旨の発言をした。また、先の党首討論で野田首相に「小沢を切れば消費税増税に協力する」とも発言し、『「小沢切り」覚悟求める 谷垣氏』(26日・毎日新聞)などの見出しが続いている。半世紀の間、数多くの国会議員を裏表から観察してきたが、此の期に及んでさえ、財務省にマインドコントロールされるようでは「谷垣は政治家として終わりだ」と率直に感じた。
政治家にとって政党は活動の道具であり、国家と国民のために必要ならば潰すことも、あるいはつくることもある。何時まで機能不全の自民党に拘るのか。ましてや、「小沢を切れ」とは、人格破壊発言であり、政界からの「排除」行為である。
小沢氏の立場は「政治捜査」から「政治裁判」となるかのどうかの判決を待つ身だ。野党第一党の党首が「悪い奴」とばかり、人気番組で発言すればどんな影響が出るか、こんなこともわからなければ弁護士も失格だ。意図的であるならば『外ゲバ』だ。東大法学部同級生で、「内ゲバ」の仙谷由人民主党衆議院議員と同根・同質といえる。
議会民主政治とは、思想信条が異なっても排除することは絶対に許されない。英国には、「殺したいほど憎い奴でも、議会での活動権は生命を懸けて護ってやる」という格言がある。
わが国の国会議員で、この精神を知っている人間は何人いるだろうか。日本では弁護士政治家が政権や政党の指導者や実力者になると、ロクなことがないようだ。東大法学部では議会民主政治の政治の理念や精神を教えていないようだ。否、なまじ知っていると司法試験に合格しないのだろう。これが戦後のわが国のエリート教育だ。
「小沢陸山会問題」「消費税増税問題」「原発・放射能問題」の背景にあるのは、巨大メディアと官僚が共謀し、国会を巻き込んで、マネーゲーム資本主義で、私利私欲を求める新しいファシズムであるといえる。
「自立と共生社会」をめざし、「議会民主政治」を定着させ、「国民の生活が第一」の政治を行うために、「貧困者の命を削る」消費税増税に反対する政治家・小沢一郎を、ここに至っても排除しようとする悲しい国に未来はない。
元記事リンク:http://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/23f87c1cc764e475ff5a5d34dac83bd5
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