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あなたを悩ます「めんどい人々」解析ファイル
【第4回】 2015年6月24日 宮崎智之 [フリーライター]
勘違いの“若さアピール女子”は、どうにも痛々しい
?いつまでも若々しくいたい――。それは人類普遍の願望である。インテージの調査によると、アンチエイジングの市場規模は化粧品だけでも2700億円を超えるそうだ(2011年)。現代の日本は、誰もが“若さ”に投資するアンチエイジング社会だと言うことができる。
過剰な「若さアピール」はめんどくさい…
?一方で、面倒臭い事態も発生している。若さに固執するあまり、勘違いの「若さアピール」をする女性が増えているのだ。
?モデルの菜々緒さんが出演するブランディアのCMでは、「このバッグ、私に若すぎ?」「私って、いくつに見える?」「この前、『大学生ですか?』って聞かれちゃって」などと、やたらと若さアピールをしてくる先輩女性を「めんどくさい女」と揶揄している。
?CMのインパクトもあってか、著者の周りでは「こういう女っているよね」といった声がよく聞かれるようになった。“美魔女”という言葉があるとおり、年齢に不相応な若さを保っている女性もたくさんいる。しかし、ほとんどの場合が勘違いであるにもかかわらず、過剰に若さをアピールしてくる女性に対し、「痛々しい」と感じる人が多いようだ。
?今回は、巷に蔓延る勘違い“若さアピール女子”の面倒くささについて考えていきたい。
<参考>
・ブランディア?めんどくさい女A?4月CP
http://brandear.jp/ct/popup/tvcm/mendokusai_a
・ブランディア?めんどくさい女B?4月CP
http://brandear.jp/ct/popup/tvcm/mendokusai_b
「このバック、私に若すぎ?」
「うん。若すぎ」とは言えない事情
?若さアピール女子の面倒臭いところは、自分からは「私は若い」と言わないところだ。
「まさに、ブランディアのCMの通りです。『このバック、私に若すぎ?』『この服装、さすがに若すぎるかな?』としつこく聞いてくる同僚がいます。『さすがに』という言葉を使っている時点で、若さアピールのつもりなんだろうけど、その同僚はどう見ても年相応。何て答えていいかわからず、周りはいつも凍りついていますよ」(40代/女性)
「流行の音楽やファッションにやたら詳しい先輩。『もうオバサンだから、こんな服装してチャラチャラとライブばっかり行ってちゃ駄目よね〜』、『新作のバッグ買っちゃった。オバサンが買ってすみませんって感じだけど(笑)』みたいなことをよく聞いてくるけど、『そうですね。すみませんって感じですね』なんて答えられるかい!」(20代/女性)
「飲み会で『○○さんって、若いよね』『どうやったら、あんなに若くいられるんだろう』などと、やたらと年齢の話題を振ってくる先輩がいます。その先輩は若作りしていて、自分も若く見られているという自信があるようです。『先輩も若く見えますよ』と答えていますが、内心では『はいはい。若いって言われたいんでしょ』と思っていますね。本当に面倒です」(20代/女性)
「このバッグ、私に若すぎ?」と聞かれれば、当然「そうですね。先輩の年齢には若すぎると思いますよ」と答えるわけにはいかず、「そんなことありませんよ。先輩は若々しいから似合っていますよ」と、おべっかを使うしかない。もしくは無視するかである。
?つまり、若さアピール女子は、周りから「若い」というお墨付きをもらいたくて、誘導尋問を仕掛けてくるのだ。「自分は若く見える」という強烈な自意識があるのにもかかわらず、それを自分では言わず、あくまで「周りが言っている」という状況を作りたがる。
?この「若いと言われる待ち」の姿勢こそが、若さアピール女子の特徴なのだ。
「私、もういい歳なのに『若い、若い』って言われて困っちゃう〜」という状況が、彼女たちにとって目指すべきものなのだろう。それに付き合わされる周りは、いい迷惑だ。
オバサンパワーで積極的に
若さアピールする“拡散型”も
?もちろん、積極的に若さをアピールしてくるケースもある。
「残業が続いた忙しい時期に、『こんなに遅く帰ると、近所の人から夜のお仕事をしていると勘違いされちゃう!』と心配している女性上司。見た目がオバサンなので、絶対にそれはないと同僚と話していた。見事なまでの、いらん心配だと思った」(30代/男性)
「サーファー系カジュアルファッションで、『娘さんと姉妹に見える』と“言わせている”知り合いがいますが、さすがに姉妹には見えないので、極力、会話を広げないようにしています」(30代/女性)
「30代にもなってフリフリの服を着たり、短めのスカートを素足で履いている友達。『私、若く見られちゃうんだよね』って言っているけど、どう考えてもお世辞ですから。あと、『街中で男の人に、じろじろ見られる』ってよく言ってるけど、それはファッションと年齢が不釣り合いなせいだと、誰か彼女に教えてあげてほしい」(30代/女性)
?こうした“拡声器型”の若さアピールは、誘導尋問しない分、周りへの害は少ないように感じる。しかし、リアクションに困ることには変わりない。
?髪型を変えたのに誰も気づいてくれないときに、「髪型変えたんだ〜」と自分からアピールしてしまうことはよくあることだが、彼女たちも同じ心境なのだろうか。「もはや、自分で言うしかない!」という強い意思が感じられて、凛とした頼もしさすら漂っている。
?さらに、こんな上から目線の若さアピールも。
「先輩から、『○○ちゃんも、若いんだからもっとちゃんとメイクしたら? 今度、教えてあげようか?』と言われた。先輩のメイクは一世代古いので、『あなたに教えてもらうことは、何一つない』と思った」(20代/女性)
年齢当てクイズに、何歳と答えるのが正解?
?若さアピール女子の、もう一つ面倒臭いのは、いわゆる「年齢当てクイズ」をよく出題してくることだ。
「合コンなどで、『いくつに見えます?』と聞かれるのは、正直キツイですね。万が一、実年齢より高く言ってしまったら気まずいし……。若く言わなければいけないんだろうけど、なんでそこまで気を使わなければいけないんだという思いもあります」(30代/男性)
「いくつに見えます?」という質問は、ある程度、自分の容姿に自信がなければ出てこない。そんな彼女のプライドを傷つけずに、最良の答えを返すにはどうすればいいのか。
?ある女性が、こんなことを教えてくれた。
「29歳の友人が、年齢当てクイズで男性に『27歳』と言われて落ち込んでいました。『実際より若く見られてるのでいいのでは?』と聞くと、『男性は思ったよりも2〜3歳くらい若く答える。それだと29〜30歳くらいってことだから』と。えらく裏を読むんだなあと思いました」(30代/女性)
「29歳が実年齢なんだから、年相応でいいのでは?」とも思うが、若さアピール女子にとっては、プライドが許せないのだろう。しかし、ここまで深読みされるとなると、答えるほうも大変だ。
?相手が2〜3歳ほど若く言われることを想定済みだとすると、それよりも更に2〜3歳ほど若く言わなければ機嫌を損ねてしまうことになる。先ほどの女性だったら、24〜25歳と答えるのが正解だったのだろう。いやはや、面倒臭い限りである。
?ここまで、若さアピール女子を批判的な目線で見てきたが、そもそもなぜ彼女たちが生まれてしまうのだろうか。「若さアピールは男性にもいるが、女性のほうが痛々しいように感じる」という意見もある。
日本社会に蔓延する
「女性は若い方が得」という神話
?その理由として、女性の「若さ」に対する価値が、男性の「若さ」に対する価値よりも高いと思われていることが挙げられる。とりわけ日本では、その傾向が強いように思う。
?今回取り上げた若さアピール女子とは逆パターンだが、実年齢が若い女性が「私、まだまだ若いですから!」「遊べるのは、若いうちだけかなって思って!」といった無神経な発言をすることに対して、イライラする年長女性も多いようだ。「若さ」が女性同士の“マウンティング(優劣争い)”に使われているのである。
?また、多くの女性が「男性は若い女性が好き」と信じ込んでおり、実際にその傾向があることも否定はできない。仕事においても、恋愛においても「女性は若い方が得」という神話が若さアピール女子の中に内在化されているのである。
?一方、男性は女性よりも「若い」ことに対するインセンティブが低い。あまり若く見えすぎると「半人前」と思われてしまうこともある。だから、女性の若さアピールのほうが“ネタ”にされてしまうケースが多いのだ。まさに、ブランディアのCMのように。
?テレビをつけても、女性の芸能人はとにかく若々しい。そして、その若々しさを賛美する言葉で、世の中は溢れている。「奇跡の40代」とネットで検索すれば、いくらでも情報が出てくるので、チェックしてみてもらいたい。若さアピール女子の強迫観念を刺激するには、十分な情報量である。
?そう考えると、若さアピール女子は、男性も含めた社会全体の価値観が生み出している存在だとも言えそうだ。
?女性には年相応の「美」がある。「若さ」だけが価値ではない。「地位」や「収入」だけが男性の価値ではないのと同じように。しかし、そんな一般論をふりかざしても、女性の若さアピールは止まらないだろう。
?ただし、若さアピール女子に言いたいのは、本当に見た目が若ければ誘導尋問なんか仕掛けなくても、相手から勝手に「若いですね」と言ってくるということである。なぜなら、日本社会では女性の若さをほめることは、良いことだとされているからだ。若さをアピールしなければいけない時点で、おそらく年相応と見られているということだろう。
?日本には「秘すれば花」という言葉がある。「自分は若々しい」という自意識があったとしても、無闇にアピールせずに心の奥に閉まっておいたほうがいい。「めんどい人々」の仲間入りをし、痛々しいと思われてしまわないために。
?当連載についてご意見がある方は、筆者のTwitterアカウントにご連絡いただきたい。全てに返信できないとは思うが、必ず目を通したいと思う。
http://diamond.jp/articles/-/73756
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