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「みんなが自分をバカにしている」という勘違い 嫌われる勇気──自己啓発の源流「アドラー」の教え
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投稿者 rei 日時 2015 年 6 月 02 日 08:57:31: tW6yLih8JvEfw
 

http://diamond.jp/articles/-/72419
「みんなが自分をバカにしている」という勘違い 嫌われる勇気──自己啓発の源流「アドラー」の教え
【第27回】 2015年6月2日 古賀史健,岸見一郎 [哲学者]

片桐仁×岸見一郎×古賀史健 鼎談【vol.1】
美術大学を卒業し、独特のシュールな世界観のコントで人気を集めるコントユニット「ラーメンズ」としてデビューした片桐仁さん。いまではテレビや舞台の俳優、粘土作家など、多方面で活躍しています。そんな片桐さんは、『嫌われる勇気』を愛読されているということで、著者の岸見一郎氏と古賀史健氏との鼎談が実現しました。まずは、片桐さんが『嫌われる勇気』のどんな箇所に感銘を受けたのかをうかがっていきます。(構成:崎谷実穂、写真:田口沙織)

折り目がたくさんついた
マイ『嫌われる勇気』を持参

岸見一郎(以下、岸見)?片桐さんと古賀さんはお知り合いなんですって?

古賀史健(以下、古賀)?はい。片桐さんとは「73年会」という1973年に生まれた人たちが集まる飲み会で知り合いまして、そのときに『嫌われる勇気』をお渡ししたんです。


片桐仁(かたぎり・じん)
1973年生まれ、埼玉県出身。コメディアン、俳優。多摩美術大学在学中の1996年に小林賢太郎とお笑いコンビ「ラーメンズ」を結成。独特の世界観で人気を博し、以後舞台を中心にテレビ、ラジオなどさまざまな分野で活躍中。1999年より粘土を用いた造形作家としても活動しており、作品集『粘土道 完全版』(講談社)、『ジンディー・ジョーンズ─感涙の秘宝』(講談社)などを出版。2013年4月には渋谷パルコで個展を開催し1万3000人を動員した。ガンプラ・マニアとしても有名で著書に『ラーメンズ・片桐仁のガンプラ戦士ジンダム』(光文社)がある。最新著書は『おしり2─ラーメンズ片桐仁のおしえて何故ならしりたがりだから』(東京ニュース通信社)。
片桐仁(以下、片桐)?そうなんです。本の最初のほうに「わたしにとってのアドラー心理学とは、ギリシア哲学と同一線上にある思想であり、哲学です」という言葉がありますよね。哲学書なんてベストセラーになった『ソフィーの世界』(1991年)以来なので、ちょっと構えたんですけど(笑)、“哲人”と“青年”の対話という形式だったせいか、すごく読みやすかったです。あの二人は、岸見先生と古賀さんなんですか?

古賀?ある意味、そうとも言えます。もともとは岸見先生の本をつくるために、先生のお宅に通ってまさにこの本にあるような問答を繰り返していたんですよ。そして取材を進めるなかで一人称の本にするんじゃなく、ぼくらのくり広げている問答をそのまま本にしたほうが読みやすいだろうなと判断したんです。

片桐?なるほど。それで、哲人と青年というキャラクターを設定したんですね。ぼく今日、自分の『嫌われる勇気』を持ってきたんです。(カバンから本を取り出す)

古賀?おお、たくさんページが折ってある!


片桐さんがカバンから取り出した『嫌われる勇気』は折り目だらけ!
片桐?重要だと思ったところを折りながら読んでいたら、重要なところがありすぎて折りまくっちゃいました(笑)。えーと、この行動面の目標としての「自立すること」と「社会と調和して暮らせること」、そして心理面の目標である「わたしには能力がある、という意識」と「人々はわたしの仲間である、という意識」。これは、心に留めておくと世界をポジティブに捉えられていいですよね。

岸見?大事なポイントですね。

片桐?「劣等感」と「劣等コンプレックス」の違いも、「そうかー!」と思いました。ぼくが持ってたのは、劣等感をある種の言い訳に使い始めた状態の「劣等コンプレックス」だったんですね。こういう、言語化するのが難しいことを、的確に言葉にされていてすごいなあ、と思いました。

古賀?人と比べるから、不健全な劣等感を抱くようになる。そうすると、劣等感を言い訳に「学歴が低いから、出世できない」というような嘘をついてしまうんですよね。

片桐?だから、他者との比較ではなくて「理想の自分」と「いまの自分」を比較する、健全な劣等感を持つのはいい、と。いやあ、因果律を否定するってすごい発想の転換ですよね。「人生最大の嘘は『いま、ここ』を生きないこと」や「『変えられるもの』と『変えられないもの』を見極めて、変えられないものについては「肯定的なあきらめ」をする」というのもいい考え方だと思いました。

「みんなおれをバカにしやがって」
と思っていた20代


岸見一郎(きしみ・いちろう)
哲学者。1956年京都生まれ。京都在住。高校生の頃から哲学を志し、大学進学後は先生の自宅にたびたび押しかけては議論をふっかける。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。専門の哲学(西洋古代哲学、特にプラトン哲学)と並行して、1989年からアドラー心理学を研究。精力的にアドラー心理学や古代哲学の執筆・講演活動、そして精神科医院などで多くの“青年”のカウンセリングを行う。日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問。訳書にアルフレッド・アドラーの『個人心理学講義』(アルテ)、『人はなぜ神経症になるのか』(アルテ)、著書に『嫌われる勇気』(古賀史健氏との共著、ダイヤモンド社)、『アドラー心理学入門』『アドラー心理学実践入門』(以上、ベストセラーズ)』、『アドラー 人生を生き抜く心理学』(日本放送出版協会)などがある。
岸見?しっかり読んでくださっているんですね。

片桐?なかでも「わたしには能力がある」と信じるのって、すごくいいなと思います。

岸見?アドラーは、「誰でも何でも成し遂げられる」と説いていました。この主張は彼がアメリカに活動拠点を移したときに、「そんなことないだろう」とかなり叩かれたそうなんです。でも、人が伸び悩んだり限界にぶつかったりするのは、遺伝や環境以上に、自ら自分に制限を課すことが問題なのだという考え方を、アドラーは曲げませんでした。

片桐?絶対そうですよね。いやー20代半ばの、イライラモヤモヤしていた頃の自分に読ませたいと思う箇所ばかりですよ。

古賀?えっ??片桐さんの20代って、この本に出てくる青年みたいな性格だったんですか?

片桐?まさに。本には「競争や勝ち負けを意識し続けると、他者全般、ひいては世界を『敵』とみなすようになる」とありますよね。まさにそんな感じで、「チクショー、みんなおれをバカにしやがって」となぜかいつも思っていました(笑)。その頃、相方(ラーメンズ・小林賢太郎)にもよく言われましたよ。「ひどい顔してるけど、大丈夫??誰もお前のことなんか見てないよ」って。いや、じっさい誰からも攻撃されてないんです(笑)。

岸見?『嫌われる勇気』に出てくる、「お前の顔を気にしているのはお前だけ」ということですね。

片桐?そうなんですよ。まわりが敵なんじゃなくて、自分が「おれは何なんだろう」「誰に必要とされてるんだろう」と悶々としてるのが問題なんですよね。

古賀?そう思ってたのは、お笑いを始めた頃のことですか?

片桐?そうですね。就職もしないでお笑いの道でいこうとしたから、大学を出た瞬間に肩書が何もなくなったんです。まあ、不安ですよね。警備員のアルバイトをしながら、昼間は絵を描く毎日。でも、その絵だってどこかコンテストに出す予定があるわけじゃないし。で、小さなお笑いのライブとかに出ても、全然ウケない。ウケないコンビって、ほんとあの世界ではゴミ扱いですから。


古賀史健(こが・ふみたけ)
ライター/編集者。1973年福岡生まれ。1998年出版社勤務を経てフリーに。現在、株式会社バトンズ代表。これまでに80冊以上の書籍で構成・ライティングを担当し、数多くのベストセラーを手掛ける。臨場感とリズム感あふれるインタビュー原稿にも定評があり、インタビュー集『16歳の教科書』シリーズ(講談社)は累計70万部を突破。20代の終わりに『アドラー心理学入門』(岸見一郎著)に大きな感銘を受け、10年越しで『嫌われる勇気』の企画を実現。単著に『20歳の自分に受けさせたい文章講義』(星海社)がある。
古賀?ウケなかったんですか!?僕はもう人気が出たあとのラーメンズしか知らないので、最初からあの独特の世界観ですごくウケてたのかと思いました。

片桐?最初は全然ダメでしたね。いま思うと、身体性が伴ってなかったというか、頭脳と身体が合ってなかったんでしょう。「ぼくら二人がこれをやるからおもしろい」というレベルに達するまでは、台本が良くてもウケなかったです。漫才は特にダメでしたね。ネタの内容自体はおもしろいから多少は笑ってくれるんですけど、爆発的な笑いにまではいかない。やっぱりコントグループが漫才をやると、すごく嘘っぽくなっちゃうんだなと。

古賀?いま分析すると、ウケなかった理由がわかる。

片桐?でも、当時は何がダメなのかわかりませんでした。「あの人たちより絶対おもしろいはずなのに」とか「攻めてるネタやってるところはカッコいいんだけど」と思うんですけど、笑いという評価が得られないのはキツかったですね。

舞台でもテレビでも
「いま、ここ」を楽しむ

岸見?そう思いながらも、続けてこられた理由は?

片桐?それでも僕らは、けっこう早いうちにテレビに出られたので、そのキツい時期は2、3年で済んだんです。可能性があるのかな、ないのかなと揺れ動きつつ、自分の才能に根拠のない自信をもってなんとかやってきた、という感じですね。それで10年とか経つと、「あれ、じつはおれの隠れた才能とかって、ないんじゃないの?」と思うんですよ(笑)。そんなときに新しい人との出会いがあって、新たな自分を発見してもらうと、それ自体が楽しいですよね。しかもそれが仕事になって、お客さんに楽しんでもらえたりすると、ああいい人生だなと思える瞬間はあります。

岸見?「自分が楽しい」のと「お客さんにウケる」のではどっちが重要ですか?


片桐?うーん、お客さんにウケることで楽しかったりもするので、はっきり分けられるものじゃないんですが……。相方が書いてくれた台本に、自分なりにちょっと足したりして楽しんでいる様子を、お客さんにも楽しんでもらえたらパーフェクトだなと思います。

古賀?それはすごくいいですね。

片桐?お笑いや演劇の舞台に立つと、自分がどういう役割だったらウケるのかとか、人からどう見えているのかが総合的にわかるんですよね。自分の言動に、リアルタイムで反応が返ってくる。これはけっこう特殊な状況だと思います。

岸見?普通、人がどう思ってるのか、ダイレクトに反応が返ってくることはないですからね。

片桐?そうなんです。一方、テレビというのは、自分がどう見えているのか、演技しているときはよくわからないんですよ。監督が「オッケー」って言ったからオッケーなのかな、くらい。で、オンエアを見ると「こんな芝居してたのか……」と愕然とすることもあります(笑)。でも、それでいいかなと最近は思うようになったんですよ。

古賀?なぜですか?

片桐?撮影の瞬間にどれだけ集中して、楽しんでやれるかが大事だからです。この、「いま、ここ」を楽しもうと思えるようになったのは、『嫌われる勇気』がきっかけだと思います。

(次回へ続く)  

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