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《インタビュー》
ブラック企業の濃度見極め働くほかない若者
――雇用劣化とたたかう首都圏青年ユニオン
首都圏青年ユニオン事務局長 山田真吾
首都圏青年ユニオン山田事務局長インタビュー:「ブラック」の濃度を薄めるために労働組合がある。
労働相談票に「手持ち現金や借金の有無はあるか」という項目がある。労働問題を解決しても、その人の貧困状態が必ずしも解決されるわけではないからだ。
例えば残業代未払いでユニオンで交渉し会社から未払い分を取り戻す間にアパートの家賃を滞納していて住む所を失ってしまっては大変なことになる。
例えば借金があれば顧問弁護団を通じ債務整理したり住む所がないときは生活保護申請をするなど生活困窮問題も含めてトータルに解決していくことが重要。
多くの若者は定年まで1つの企業で安定的に働ける状況になく仕事が変わることは当然でその上「違法の3点セット」の横行で仕事が変わるたび貧困に陥る。
企業別労働組合は会社に所属している間は労働者を守るが転職すればその限りでなくなる。企業別労組では転職先に労組がなければ相談する場所がなくなる。
青年ユニオンは例えば先月までガソリンスタンドで働いていたけど今月は仕事を変えてコンビニで働いているという人でも継続して加入することができる。
1つの会社で働きづらくなり、そこを辞めて別の職場へ移っても青年ユニオンで支援することができるという形で、生活問題、労働問題を一緒に考えていく。
若者の劣悪な労働を改善していく1つの大事な点は、どんな会社に入っても法律違反になったときにはそれを労働組合が正すことができるということです。
1人で悩んでいるだけでは違法な労働問題を解決することはできませんが、労働組合に相談し加入して声をあげれば団体交渉などで正すことができます。
「声をあげる」「たたかう」というとハードルが高く感じますが、でも言い方を変えると、「おかしいことをおかしいままにしない」ということです。
本当に会社に対して言いたいことはありませんか?「おかしいことはおかしい」と一緒に声をあげるようと若者に呼びかけていくことが労働組合の役割。
今後の予定でいうと、リクナビやマイナビといった大規模な就職説明会の前で宣伝をしていきたいと思っています。
就職活動で悩む学生は多くなっていてとりわけ自分はブラック企業に就職しちゃうんじゃないかという不安を抱える学生がものすごく多くなっています。
ブラック企業というとモンスターみたいな感じにもなってしまいますが、労基法違反の企業であればそれは労働組合が正すことができます。
ブラック企業による違法行為やパワハラなどを労働組合が正すことができるということを就職する前に知っておくことはとても大事です。
学生のうちから労働組合に加入して、労働法をいっしょに学んで何かあったときはいつでも声をあげることができるという準備ができます。
ユニオンの団体交渉は組合員参加型にしていてたとえ会社の中に組合員が1人しかいなくてもユニオンの組合員が何人でも何回でも参加できます。
団体交渉に参加すると自分が知らなかった人がユニオンの組合員というだけで団体交渉に参加してくれるんですね。
「1人で入れる労働組合だから交渉も1人かと思っていたけど団体交渉に何人も組合員が来てくれた。自分は1人だと思ったけど1人じゃなかった」
「会社で一人ぼっちでも一緒に頑張ろうと言ってくれる仲間が労働組合にはいる」「つらいことがあっても労組でもらった元気をもとに働いていきたい」
ブラック企業が広がっていて、いまの若者たちは「ブラック企業の濃度」を見極めながら働かざるを得ないのです。
自分が我慢できる濃度のブラックなのかそれともすぐに辞めたほうがいいようなブラックなのかその濃度を見極めながら働かざるを得ないというのが現実。
労働法が100%守られている会社がほとんどないような状況にあるわけですから、若者は「ブラック企業の濃度」を見極めながら働かざるを得ません。
ブラックの濃度を薄める役割として労働組合がある。自分の会社のブラックが濃くなってきたら労働組合に加入してブラックの濃度を薄める必要がある。
ブラックの濃度を薄める作業が1人で難しかったら仲間を増やし会社に「長く働ける環境を労働組合と一緒につくっていってください」と要求していく。
団体交渉で会社に言うのはユニオンは会社に対し何か恨みがあって交渉しているわけではなく人間らしい労働条件をいっしょに考えていきたいということ。
労働基準法の第1条には「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない」と書いてある。
「人間らしく働ける環境を共に考える立場で今日は交渉に来ているので経営者の方も一緒に長く働ける環境をつくっていきませんか」と言っています。
労働組合を見たことも聞いたこともない経営者が労働組合がきたというだけでそれを商売にする社会保険労務士や弁護士などブラック士業を使う状況も。
ブラック仕業などを使って敵対するようなことではなくて労働組合というものは会社に必ずしも敵対するものではないという立場で交渉するわけです。
労働組合に入って良かったということで自分の交渉で得た経験をほかの組合員に伝えるために団体交渉に積極的に参加している組合員もいます。
そういった形で「助けられた輪」と「助けていく輪」と「改善していく輪」を広げていくことが労働組合の役割の1つだと思っています。(了)
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