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死刑希望死刑囚と『完全自殺マニュアル』・・「簡単に死ねる」ことを知れば、生きやすくなるのではないか!
http://www.asyura2.com/12/social9/msg/312.html
投稿者 墨染 日時 2013 年 2 月 24 日 10:16:53: EVQc6rJP..8E.
 

http://d.hatena.ne.jp/usukeimada/20130223/1361620005

安倍新政権になって初めて死刑が執行された。
興味深いのは、死刑囚3人のうちの1人と、司法当局、そして死刑制度に反対する人権団体等の三者の主張が、絶妙にチグハグになっているところだ。

すでに報道されているように、死刑囚3名のうち1人は死刑になることを最後まで希望していた(もう一人は途中まで同様の希望を述べていたが、その後態度にブレを見せた)。そして「希望者」の彼に対して司法は刑を執行し、人権団体は「死刑反対」を唱えているのである。

チグハグになる原因は、死刑を希望する死刑囚と他の2者との間で、死の意味に著しい乖離があるからだろう。彼にとって死刑は処罰ではなく、死刑になるためなら再び殺人をすることさえ仄めかしている。筋金入りだ。

「死刑を望む死刑囚」の存在は、死刑になりたいから凶悪犯罪を起こす「死刑願望」のある人が、ある一定数いるということを示している。

それが何を意味するかというと、「処罰としての死刑」が、部分的にしろ意味をなさなくなっているということだ。
これに対して、「死よりも厳しい処罰を」と、拷問刑などを復活させる発想があるだろうが、それこそ人権団体が血眼になって怒り散らすだろう。時代的にそれは難しい。
どちらにせよ、無期刑と死刑の間に隔たりがありすぎることが、日本の司法制度の問題であることは変わりない。

悔やまれるのは、その死刑を希望していた彼が、「自殺はどんな方法であれ、自分の体に痛みを加える。そんな勇気がなかったので殺人をした」という供述をしていた、ということだ。
この供述を信じるならば、彼らは何も凶悪犯罪を起こしたくて起こしたのではない。自分で死ねないから人に殺してもらおう、としているというのだ。

奇しくも最近、ぼくは鶴見済『完全自殺マニュアル』を手に取った。
ある別件で(といってもそれは自殺ではない)必要になり、ぼくはこの、いろんな意味で90年代臭の凝縮された本を読んでみることになった。一言で言うとこの本は、生と死というものに露悪的なまでに価値中立的になり、どのような方法ならスムーズに安らかに自殺が行えるかを、事細かに紹介する「自殺ハウツー本」だ。

もちろん、この本が今やあまりに反時代的なのはわかっている。昨年度の調査で、各種方面の努力もありようやく自殺者数が減り始めたのに、なんていう本を話題にしているんだ、と。現に、この本は絶版でほとんど発売禁止状態に追い込まれているし、ネットにも出版から約20年が経とうとしているこの本に対する批判は、腐るほど転がっている。

けれど、それでも、先に触れた彼のような「自殺できなかった凶悪犯罪者」には、読んでおいてほしかったと思わざるをえない。

でもそれは、「凶悪犯罪を起こすくらいならこれを読んで潔く自殺しろ」と強弁したい訳ではない。
というのは、ぼくが真に惹かれるのはこの本の「あとがき」なのである。
「強く生きろ」なんてことが平然と言われてる世の中は、閉塞してて息苦しい。息苦しくて生き苦しい。だからこういう本を流通させて、「イザとなったら死んじゃえばいい」っていう選択肢を作って、閉塞してどん詰まりの世の中に風穴を開けて風通しを良くして、ちょっとは生きやすくしよう、ってのが本当の狙いだ。
p.195

「自殺してはいけない」というイデオロギーが強すぎると、かえって逃げ場をなくして自殺してしまう。「簡単に死ねてしまう」ことを知ってしまえば、生きやすくなるのではないか、というこの著者のねじれた狙いが、この本には伏流している。
この本をもし、「自殺できなかった凶悪犯罪者」が隅々まで読んでいたら、死刑囚はおろか、彼も含め死者は1人も出なかったかもしれない。そう思うと悔やまれるのだ。

ただ問題は、この本を読んで「自殺できずに凶悪犯罪を起こしそうな人間」が本当に自殺してしまったら、それはそれで問題になるということなのである。ここには事後性の問題が隠されている。
そしてなにより、「自殺できず凶悪犯罪を起こそうとしている人間」を社会からいかに探すかという最大の問題が残っている。

そんなことができるようになるのは、今のところ、フィリップ・K・ディックの描くような殺人予知が可能になる未来を待つしかないのである
 

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コメント
 
01. 無段活用 2013年2月25日 16:04:08 : 2iUYbJALJ4TtU : 6MIcfD8YQs
「死んだつもりになって、死に物狂いになって生きよ」


    と、昔の人は言ったものだが…。


02. 2013年2月25日 20:35:06 : yEzussmRCJ
カソリックの国みたいに、日本も離婚を禁じたら、結婚する人は今よりもっと減ると思う。
苛められっ子には、死ななくても他に逃げる方法はある、と教えなければ。
ブラックな会社に入ってしまった大人にも。

03. 2013年3月15日 19:48:17 : xEBOc6ttRg

自殺の原因、「経済・生活」が大幅減 12年の状況分析

主な自殺の原因・動機の減少率
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 【有近隆史】15年ぶりに3万人を下回った2012年の自殺状況について、内閣府と警察庁は14日、その分析結果を発表した。すべての世代で自殺者数が前年を下回り、30歳代では約15%減少していた。

 自殺者数は1998年から3万人を超えていたが、12年は確定値で2万7858人。前年より2793人(9・1%)減った。男女比では男性は約69%、女性は約31%だった。

 年代別で減少幅が大きかったのは30歳代で15・1%減。50歳代(13・2%減)、60歳代(10・3%減)も1割以上減った。20歳代は9・2%減、40歳代は8・6%減だった。

 また自殺の未遂経験のある人の自殺が前年より713人減の5491人で、統計を取り始めた07年以降もっとも少なかった。

 自殺の原因・動機を推定できた2万615人について分析すると、病気など「健康」が原因となった自殺者が1万3629人で、3分の2を占めた。倒産や失業など「経済・生活」が5219人、家族の不和や育児・介護の悩みなど「家庭」が4089人、職場の人間関係など「勤務」が2472人、失恋など「男女」が1035人、受験や進路の悩みなど「学校」が417人だった(複数の原因が重なる事例あり)。

 このうち減少率が一番大きかったのは「経済・生活」で18・5%減。内閣府は、景気動向の影響が大きいとしつつ、「多重債務の無料相談が全国に広がるなど取り組みの成果もあるのではないか」とみている。

 東日本大震災の影響で、11年は5月の自殺者が最も多かった。だが12年は例年の傾向と同じく、人事異動などで環境が変わる年度末の3月で一番多かった。

 内閣府は特設サイト(http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/kyoukagekkan/index-h24.html)で悩み別の支援情報を掲載している。

http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/toukei/pdf/h24joukyou/gaikyou.pdf

http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/toukei/tsukibetsu-h24.html


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