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株式日記と経済展望
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我が国で女性労働者が男性に比べて役職に昇進する者が少ないのは,
我が国の職場は長時間労働であることがその原因である。
2013年1月1日 火曜日
◆女性の管理職が少ない理由は,長時間労働の職場環境だ!? 2012年8月1日 特定社労士しのづか 「労働問題の視点」
http://sr-partners.net/archives/51850497.html
昨日の放送大学「多様化時代の労働」の期末試験の中のひとつに次のような問題がありました。これは○か×か。
我が国で女性労働者が男性に比べて役職に昇進する者が少ないのは,我が国の職場は長時間労働であることがその原因である。
私は○にしました。毎日長時間労働で悩んでいる人たちから相談を受けていますので,これしかないと思いました。
試験が終わって印刷教材をめくってみますと,たしかにあるある,次のような文章が。
「女性総合職は一般職と異なり,男性と同等に働くために残業も男性並みにこなすなどの長時間労働を企業から期待される。また管理職登用の対象となるため,結婚や出産で退職することなく男性と同じように長期間働くことを期待されている。」
やっぱり私の回答は正解だった,と思いきや,だからと言って女性管理職が少ない原因が長時間労働であるとはどこにも書かれていないではないか。
印刷教材をよくよく読んでみると,「女性管理職が全くいない・少ない理由」の企業へのアンケート結果が掲載されています。
この結果を企業規模を無視して,当職がわかりやすく順位づけしたものが次です。
第1位 必要な知識や経験,判断力等を有する女性がいない
第2位 現在,管理職に就くための在職年数等を満たしている人がいない
第3位 勤続年数が短く,管理職になるまでに退職する
第4位 女性が希望しない
第5位 家庭責任を多く負っているため責任ある仕事に就けられない
第6位 時間外労働が多い,または深夜労働がある
第7位 全国転勤がある
第8位 仕事がハードで女性には無理である
正解は,「必要な知識や経験,判断力等を有する女性がいない」でした。
といっても,第3位から第8位までは7位を除けば,長時間労働が根っこにあるのは間違いない。男性より勤続年数が長いのも,女性が管理職を望まないのもつまるところは残業が多いからだと私は思います。
一方,女性の一企業における平均勤続年数は8.6年です。アメリカは3.9年,韓国も4年,EU諸国が8年から10年。
つまり,女性は長く勤めないから管理職に就けられないというのは統計的差別であり,その点において二重の意味で合理性はない。女性が結婚や出産,子育てや介護で会社を退職しなければならないケースがまだまだ多いこと,そのことも,大いに問題にしなければならないのだ。
統計的差別の代表的事例は,
「性別によって男女の勤続年数に違いが見られる場合、企業は男性に対して採用しようとする傾向があるし、人的投資を積極的に行うインセンティブを持つ。」
統計的差別をうんぬんするよりも,国際比較において女性管理職の少なさは,世界の笑いものになっている(と私は思う)のだから,なんとかしないと。
そのためには長時間労働が最大の障害となるであろう。
(私のコメント)
新年明けましておめでとうございます。
朝まで生テレビを見ていたのですが、討論の中で女性の管理職が他の先進国に比べても非常に少ない事が挙げられていました。他の国はだいたい40%前後なのに比べると日本は10%程度しかいない。政治家にしても女性の政治家が少ないのは共通していると思いますが、原因はおそらく長時間労働にあるのだろう。
長時間労働は、製造業なら労働時間と生産される量は比例します。製造工場などでは24時間稼動させれば一番効率がよくなります。日本が製造業中心の産業構造ならそれでよかったのでしょうが、サービス業が産業の中心になると、長時間労働だからといって生産性が上がるとは限らない。特に知能労働などは労働時間に反比例するかもしれない。
農業や工業で成功してきたシステムがサービス業でもそのまま適用できるのだろうか? 年功序列制度も農業や工業では長年の経験がものを言う産業だから機能したが、サービス業ではそれが適用できない。私はかつて銀行に十数年勤めていましたが、銀行もサービス業であり20代30代の若いうちは戦力として使えるが、40代以上になると体力も気力も落ちて会社のお荷物になる。
銀行の仕事自体は単純作業に近いが、量的に大量の作業を処理しなければならない。私自身は要領がいいから4時半くらいに全部の仕事を終えて5時に帰る時間を待つほどだったのに、無能な人物がやると計算が合わないとか集計が出来ないとかで7時になっても8時になっても終わらない。しかし私が5時になって帰ろうとすると職員や上司から白い目で見られる。
むしろ要領が悪くて毎日8時9時まで残業しているほうの人のほうが仕事熱心に見られる。銀行とはそういう体質のところであり、女子社員を総合職として採用しても、毎日8時9時まで残業させられてはみんな辞めてしまう。一般職の女子職員なら5時で帰っても文句は言われないが、総合職の女子職員は5時には帰れない。日本企業では長時間の残業をする人ほど評価される。
日曜日でも上司とゴルフをするのがゴマすりの手段になり、それくらい会社に滅私奉公することが出世には必要だ。このような環境では女性の管理職が生まれるわけが無く、いたとしても本店の人事課や総務課などに限られた。女性が結婚して家庭を持った場合、働き続けるのが困難なのは管理職になると長時間労働になってしまうためだ。毎日帰宅が夜の10時過ぎになると家庭が崩壊してしまう。
このようになってしまうのは年功序列社会と関係が深くて、職務の範囲が不明確であり、優秀な社員は無能な社員の手助けをするなどが求められて連帯責任体制になっている。能力社会なら無能な社員は仕事が出来ずに会社の仕事に支障が出れば無能な社員は首になるか格下げになる。しかし年功序列社会では有能でも無能でも連帯責任で助け合うのが会社内の美徳になる。
職務分担がはっきりした会社では、欠員が出れば同業他社からスカウトして中途入社してもハンデは生じないが、年功序列社会では中途採用は馴染まない。だから欠員が出ても誰かがカバー出来るように人事異動させる。だから年功序列社会では専門家の育成にも馴染まない。欧米では会社の社長も職務分担がはっきりしているから同業他社から社長をスカウトする事が多い。日本ではそのような事はまず起きない。
日本のホワイトカラーの生産性が上がらないのは、職務分担がはっきりせず能力をはっきりと評価できない仕組みだからだろう。職務がはっきりしていれば、私が4時半に仕事を終えて5時に帰る事が出来るが、無能な社員は計算が合わなくて9時10時まで仕事をしていれば、能力差がはっきりと分かる。実際には計算が合わないのを私が見つけて助けているのが現状だった。
能力社会なら計算が合わない社員は首か格下げするのが能力社会なのですが、日本人はそのようにドライになれるだろうか? 私自身は5時に帰って勉強して宅地建物取引主任や電気工事士などの国家資格などの資格を取りましたが、上司から「君は国家資格を取るのが趣味なのか?」と聞かれたことがある。銀行はこのような上司や職員が多いから私は変人奇人に見られた。
女性が管理職になれる社会とは、5時に会社を帰れる社会で無ければならない。ところが年功序列会社では無能な経営者が出来て、会議ばかりやって何も決められなくて長時間勤務になる。経営者が優秀ならトップダウンで長々と経営会議をしなくて済むから優秀な女性経営者が生まれてもおかしくは無い。しかし会社の体質改善が進まず相変わらず年功序列社会だ。だから女性の管理職も増えない。
反面では能力社会はドライな社会であり、無能なら直ぐに首になるし職務も公平で無いこともある。年功序列社会も日本の「和」の文化に馴染んでいるから変えるのは難しいが、「和」の会社では5時に帰る事は無理だろう。しかし5時に帰れる会社にならなければ女性の管理職は生まれない。日本の長時間労働社会が女性の管理職を生まない背景にある。
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