http://www.asyura2.com/12/social9/msg/196.html
Tweet |
http://www.bllackz.com/2012/11/blog-post_10.html?utm_source=BP_recent
日本は高齢者が多くて若者が少ない「少子高齢化」が急激に進んでいる国だ。
高齢者は働けなくなって年金をもらって生きていくので、生きている世界が変化するのを嫌うし、変化に抵抗するし、変化に対応できないし、変化に興味もない。
自分が生きている間は、すべてに対して現状維持で、世の中が大きく変わって自分が取り残されるのを嫌う。
当然、社会から活力は失われて行く。それでも世界は変化するので、やがて取り残されていくことになるが、それでも変化しない。
日本は、そういう国になっているのである。
彼らの生活を支えているのは「年金」であり「生活保護」である。しかし、2012年11月9日、財務省は次のように発表した。
「国債と借入金、政府短期証券を合計した国(政府)の借金が9月末時点で983兆2950億円に膨らみ、過去最高になった」
政治家も官僚も、まったく何も手を打たなかった
これは通過地点であり、2013年3月、すなわち年度末には1085兆円になると言われている。
それで政府はどうするつもりなのか。政府短期証券の発行を増やしているのを見れば分かる通り、借金を借金で返す自転車操業をしているのである。停まれば、死ぬ。
国が破綻するというのは、すなわち国に依存して生きている人が死ぬということだ。国に依存して生きている人とは誰か。それは、年金や生活保護で生きている人たちである。
すなわち、高齢者が全員まとめて路頭に迷う。
だから、少子高齢化を解決するために日本は死にもの狂いで何か対策をしなければならなかったのだが、政治家も官僚も、まったく何も手を打たなかった。
そして、日本人自身もまた少子高齢化に関心がない。
子供を産んでも何らメリットはないと若者は思っている。そもそも、こんな不安な時代では自分が生きていくのに精一杯だ。子供どころではない。
また、子供以前に、結婚すらできなくなっている。仕事が見つからないし、見つかっても身分は保証されない派遣社員のような仕事だけだ。
グローバル化の中で、日本企業は日本人を雇わなくなった。だから、若者は今よりもさらに追い込まれていくだろう。
グローバル経済の毒は急速に日本に回り始めた
グローバル経済というのは、コストの安い国や場所を見つけて、そこで低価格商品を大量に作って世界にばら撒く経済である。
モノの値段はどんどん安くなっていき、安いものが買える人々は幸せになるはずだった。
ところが、ひとつ誤算があった。企業が安い賃金の国へ移動していくものだから、先進国が空洞化してしまったのだ。その結果、先進国の仕事が激減していくことになった。
働いている人たちの賃金が下げられ、失業する人がどんどん増えて、やっと人々はグローバル経済の本質を知った。
グローバル経済とは、安いものが大量に出回って自分たちの賃金も安いところに合わせられるシステムだったのだ。
しかも、安いと思ったものは、単なる粗悪品だった。粗悪品のために賃金も仕事も失うのがグローバル化だったのだ。
日本人はずっと高賃金だった。給料が下がっていくという社会を知らない人も多かった。
だから、1980年代から「空洞化」が語られることになっても、大部分の人がまったくの他人事だった。
いまだに他人事の人もいるかもしれない。自分たちには関係がないと思って無理な住宅ローンを組んだり、給料が右肩上がりのつもりで人生設計を立てたりする人もいる。
しかし、2000年に入ってから、このグローバル経済の毒は急速に日本に回り始めた。
ニート、フリーターが数十万人単位で現れるようになり、格差が問題になりはじめ、若者の失業が深刻になった。つまり、それが少子化を生み出している。
子供がどんどん減るというのは、日本人がどんどん消失するということでもある。日本という国がスカスカになり、もろくなり、やがて瓦解していくということである。
高齢者も、これから若者と一緒になって地獄を見る
すでに2012年以降から団塊の世代が「引退」し、年金生活に入ろうとしている。今後は悠々と年金生活をして人生を楽しみたいと考えている人たちも多い。
「日本がどうなろうが、あとは年金をもらって悠々自適だ。逃げ切った」
そのように安堵している人もいるかもしれない。しかし、本当に逃げ切ったのだろうか。そうではない。逃げ切ったというのは一時的な安堵に終わるはずだ。
年金は今後どうなるのか分からない。
2012年11月2日、民主党は国家公務員の退職手当を約15%削減する法案を決定している。さらに、年金の半分は10年か20年で支給を打ち切る有期年金となる。
これはある意味、当然の動きでもある。国の借金が2012年9月末時点で983兆2950億円に膨らんでいるのだから、もう「ない袖は振れない」のである。
企業年金給付も減額される。
今後、多くの大企業が経営不振から経営危機に陥ることを考えると、単純に、多くの企業年金は減る方向、もしくは解散の方向にあると考えてもいい。
そもそも、上場企業400社の年金積み立て不足が13兆円にも上ることが指摘されており、早晩破綻は目に見えている。
政府と企業が、年金の支払いを「減らしたい」という意図があるのだから、「前例」ができると、あとはなし崩しに年金削減に動くのは間違いない。
逃げ切れたと考えていた高齢者も、これから若者と一緒になって地獄を見る時代が日本に来るはずだ。
団塊の世代は自分たちの子供に「個人主義」を教えた
国内で仕事の見つからない若者は、海外に職探しすることも可能だ。
日本の若者が国外で仕事を見つける時代が当たり前になるなど、今は信じられないかもしれないが、いずれそういう時代は来る。
貧しくなった国家の若者は、みんなそうやって「出稼ぎ」に出ている。日本がそうなったところで誰も驚かない。貧困が極まると、海外に売春しに行く女性すら出てくる。
貧しい国の若者たちはそうやって生きている。日本人の若者も追い詰められれば、そうなっていく。
しかし、高齢者には年齢ゆえに海外でも日本でも職は見つからない。
それなのに、命綱のはずの年金が激減する。これは高齢者にとっては恐るべき未来ではないだろうか。
日本はグローバル経済の結果について、反対運動も、抗議運動も、暴動も起きなかった。いや、国の将来に対する議論すらなかった。その結果が今の状況を招いている。
もう日本はそういう国になったのだ。
年金を当てにして生きる計画のある人は、将来、餓死する可能性も考えるべきだ。
もっと強い言葉で言えば、餓死して死んでいく高齢者のニュースを日本人はこれから大量に見聞きする時代が来る。
ちょうど団塊の世代が巻き込まれるだろうから、高齢者が大量死する憂鬱な記事を毎日読むことになるのだろう。高齢者の大量死が流行するのである。
もちろん、その子供たちは助ける手段も金も持っていない。また、その気もないだろう。
団塊の世代は自分たちの子供に「個人主義」を教えたが、その個人主義に則って子供たちは親の面倒は見ない。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。