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この国の低落は警察官から始まりそれを誰も立て直せない 溝口敦の斬り込み時評<101>(日刊ゲンダイ)2012.10.24
▽みぞぐち・あっし1942年7月生まれ。早大政経卒。徳聞書店、博報堂勤務を経てノノフィクション作家。「食肉の帝王」(講頂社)で講談社ノンフィクション賞、JCJ賞を同時受賞した。
パソコンの遠隔操作でネット上に犯罪予告した事件にからみ、警察は4人を誤認逮捕し、ネット犯罪に対する捜査能力が完全に時代の技術に遅れていることを露呈した。
誤認逮桶された者の中には無実にもかかわらず、自分がやったと自供」した者さえいる。警察が自分の無能を棚に上げ容疑者に対し、いかに執拗に、ときに暴力的に「白白」を迫ったか、容易に想像がつく。
警察は新種のネット犯罪に対しても、旧態依然とした手法で今なお冤罪をでっち上げているのだ。真犯人が犯行声明を出さなければ警察は依然無実の者を裁判にかけていたはずである。慄然とする。
警察は半グレ集団に対しても時代に遅れ。まるで対応できていない。
9月2日、六本木で起きた飲食店経営者撲殺事件では、あれほど鮮明な犯人画像を入手していながら、50日たった今なお実行犯9人のうち1人として逮捕できていないのだ。
暴力団に対しては暴力団対策法や暴力団排除条例、通信傍受法など、ありとあらゆる[武器]を調えていながら、暴力団の陰に隠れていた半グレ集団の登場を見逃し、専用の取締法どころか、長らく警察のどの部署が対応するか、担当さえ決めかねてぃた。
警察は全国口約29万人もの警察官を擁しながら、誰ひとり犯罪の近未来予測を試みなかったのか、あるいは試みたものの、失敗したのか。これではハッカーどころか、半グレのような粗暴犯にさえバカにされる。
しかも警察は備えに備えたはずの暴力団捜査でさえ、いっこうに解明できずにいる。
福岡県では去年11月以来、建設業者2人が拳銃で撃たれ、1人が死亡、1人が重傷。暴力団立ち入禁止の標章を掲げた店では経営者や従業員4人が刃物で切りつけられ、飲食店など5軒が付け火でボヤか全焼。おまけに元警部まで銃撃されて重傷。
こうした事件の全部が全部、犯人未逮捕なのだ。実際、警察は何をやっている? あんたらバカか、無能者か?とうめきたくもなる。
警察庁の号令で福岡県下、特に北九州市には警視庁など暴力団捜査の腕っこきと称する警察官が大量投下されて、なおこの始末なのだ。
警察の捜査力は明らかに劣化してきた。おまけに警察官の不祥事が全国にところ構わず続発・蔓延し、ほとんど末期症状と言っていい。
日本国の低落はまず警察から始まるのかもしれない。警察を立て直せる政治家や官僚はたぶん誰もいないだろう。(月曜掲載)
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