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http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/52004809.html
<賢いマンション管理>
いまマンション管理会社のぼったくり営業が、都市部で関心を集めている。主役であるはずの管理組合の理事会がいい加減すぎると、彼らはハイエナのように組合の余剰金・積立金に食らいついて、無用な補修工事を次から次へと用意してくる。さしずめ白アリ補修工事だ。賢いマンション管理を心掛けないと、将来的に安心・安全のマンション生活は確保されない。昨日、幸運にも駆け込み寺の役割をしているNPO法人のエキスパートの講演を聞く機会を手にした。
時代は大きく変動している。政府が白アリ退治をしないまま10%消費税を強行しても、それは白アリの餌でしかない。世界経済全体が急激に萎んでいる、日本はデフレスパイラルに落ち込んで久しい。なんとなく円高で救われている日本は、急ぎ一大行財政改革を怠ると、ギリシャの二の舞になりかねない。それは個々人の家庭にもいえる。
仮にドカンと円安に振れると、わずかな資産など紙屑同然になる。誰しもが路頭に迷う局面を予想できるだろう。せめて周辺の資産を効率よく活用、節約して少しでも防御壁を高くしておく必要に迫られている。その点で特にマンション住人・M管理組合の力量が問われている。
日ごろ、無防備の集合住宅の住人に警鐘を鳴らしてくれる貴重な学習会となった。
<ひも付きNOのM管理の第一人者>
講師は消費者庁が推薦するNPO法人・集住センターの有馬百江常務理事である。27年前に1人3000円の出資者を10人集めて始動したという。最大の特徴は、どことも“ひも付きがない”という点である。本来のNPO法人なのだ。
公正・客観的な話に頷くばかりだった。全くの偶然からマンション管理にかかわって7年余になる筆者だ。大分、実物研修を受けてきたものだから、昨今、いつでもマンション本を書ける材料が揃っている感じさえ抱くようになっている。
それでも27年のキャリア、日本を代表する賢いマンション管理のプロの発言は、鋭く小気味いいものだった。彼女のさらなる特徴は、主婦の目線・消費者の目線にもある。
<大手の管理会社に要注意>
彼女は大手デベロッパーの管理会社と契約しているマンション管理組合に対して、強く警鐘を鳴らした。筆者などは、大手という看板にほだされて購入した愚かな人間の一人だった。周辺にも、同じような思いで飛びついた住人が少なくない。
なんと集住センターでは「ここにきて日本ハウジングと東急Cの相談が多い。最近、相談を受けた5つのマンションが、東急Cから別の管理会社に代わった」とも語った。当然のことながら、管理会社の間で激しい競争が始まっている証拠なのだ。
<主体は管理組合・理事会>
白状すると、築8年のマンション住人の筆者は2年目と3年目の理事会に籍を置いた。3年目に理事長を引き受けたのだが、当時は管理会社の使いこみ事件にのみ目を光らせて、それ以外は全て管理会社任せだった。メクラ判を突いていたように思う。
その後に大規模修繕委員会に首を突っ込んだ。そこで「管理費の枠内での管理会社への委託」という当たり前の答申をしたのだが、諮問機関の答申に動かない理事会に愕然とした。そこから大手管理会社への懸念が生まれた。
これらをいずれ公開する機会があるかもしれない。管理会社と連携する理事の存在である。それは「管理会社に雇われた理事会」という異様な実態を露呈していた。これについて有馬さんは「理事会も人間の世界。いろんな人がいる。私利私欲の人も。管理会社と仕事の関係もある」と不純さを指摘した。管理会社の戦略が、すべて理事会工作にある、という悲しい指摘だ。
実に頷けるコメントである。「不適切理事・監事を解任する必要も出てくる」とは友人弁護士のアドバイスである。
<輪番制こそ餌食>
「管理会社は良きパートナーだが、彼らは営利を目的している。組合と交わることはない。利益相反関係にある」との解説も、至極納得出来るだろう。
「問題の根は理事会の輪番制にある。管理会社にとって、これくらい都合のよい理事会はない。管理会社は代えられる、そこまで追い詰めないと成果が出ない。彼らに緊張を与えることが重要なのだ。なーなーの関係だと、彼らのやりたい放題になる。理事会が汗をかけばかくほど、事態を変えることが出来る」
管理会社によるぼったくりは、理事会の輪番制にある。彼女の指摘に頷くばかりである。思えば輪番制に賛成した筆者だった。猛省するばかりだ。
最近、こんな事例が発覚した。次から次へと補修工事の見積もりが出てきた。不思議に思った理事会副理事長が専門知識を活用して点検すると、全てが補修不要の、いうところの白アリ補修工事であることが判明した。これだけでも約300万円が、余剰金から消失するところだった。同じことが過去にどれくらいあったのか?ぞっとする事態だ。
今朝、電話してきた週刊誌記者に対して「マンション問題を取材しなさい」とつい愚痴ってしまった。彼は政局取材で電話をかけてきたのだが、それでも理解は早かった。「わかった」と言ってくれた。
輪番制と無知が連動することによるぼったくりビジネスの恐怖だ。こうした事件を全住人に正確に伝える広報もまた、ことさらに重要性である。
目下、築40年、50年のマンション管理が崩壊に瀕している。油断すると、同じことがこれからも起きてくる。「いま自分は心配ない。という思い込みは大間違い。集合住宅は全住人にかかわっていることを忘れてはならない」とも指摘した。
筆者の住んでいるマンションの機械式駐車場の使用料は、年1300万円、多い時は2000万円が管理費に回されている。どんぶり勘定が、こんなぼったくり会計を可能にしている。本来、積立金に回すべき資金だ。既に1億円以上が消失しているのだが、このイカサマ商法にようやく気付いてくれた住人が現れてきた。
住人の中には「自分は車がない。関係ない」と思いこんでいる人もいるが、20年後の大改修時の巨額資金の負担は、管理組合の全ての住人負担である。女史もそう断言した。
デフレ時代の値上げなど、どこの世界にもない。こんな当たり前の事実すら、無知の理事会・輪番制だとチェックできない。こんな無様なマンション管理から卒業しないと、それこそ築30年後の大規模修繕時に、日本全国いたる所で人々は大悲鳴を上げることになろう。
彼女は具体的に筆者の住むマンション管理の問題点も指摘した。「不透明人件費が高すぎる。勤務時間も短縮できる。ホテルのようなフロント業務は受益者負担が原則、改善すべきだ。現在余剰金2400万円は3400万円にできる。残高証明を出さない管理会社は東急Cのみで、これは止めさせるべきだ。個人賠償責任保険の契約者が東急Cというおかしなことも変えなさい。ざっくりだが、年800万円を削ることが出来る。いまが修繕積立金を貯める時だ」と。
「大型マンションを建設して儲け、販売して儲け、管理して儲け、修繕でぼろ儲け。これを許してはならない」
目からうろこが落ちた瞬間である。今回は初めてマンション問題を取り上げて見た。集住センターの会員になることを勧めたい。
2012年10月22日10時45分記
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