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アラサー女子に「僧職系男子」が大ブレーク中・・答えがない時代の「語り部」青年僧!
http://www.asyura2.com/12/social9/msg/129.html
投稿者 墨染 日時 2012 年 10 月 10 日 11:45:16: EVQc6rJP..8E.
 

http://president.jp/articles/-/7396?page=2

「ホームページで見つけて、面白そうなので来てみました」――東京・神谷町のオフィス街のそばにある光明寺(浄土真宗本願寺派)本堂前のテラス。昼休みを迎えた女性たちが瀟洒なテーブルを囲んだり、木々をぼんやり見つめている中、ベンチでパソコンを開いていた女性は、来訪の理由を問うた筆者にそう応じてくれた。

「人間のできたお坊さんにお話を聞いてもらうだけでも、ありがたいかも」
2005年に設立されたこの「神谷町オープンテラス」は、オフィス街近隣にもかかわらず静かそのもの。週2回、無料でお茶や手作りの菓子を提供する(要予約)ほか、“3.11”直後の2011年春から来訪者の悩みに耳を傾けている(1日3組、1回50分、要予約)。

「恋愛相談を親にしたことはない。女友達や男性だと、怒り出したり、上から目線で『あなたが悪い』と結論付けるので後悔します」(同)。否定をせず、ただ聞いていてほしいと願う女性の相談相手は、意外と身近にはいない。

「お話をされるのは、近隣にお勤めの方が圧倒的。7対3で女性のほうが多いですね。多いのは35歳くらいですが、20代から70代まで幅広い」

ここの店長を務める同寺の僧侶、木原健氏(34歳)はそう説明する。転職や職場の人間関係、病気や肉親・友人との死別といった相談が主で、恋愛関連は今のところない。

「相手の言われたことは決して否定せず、寄り添うようにさせていただくよう心がけています。口から出た言葉と、本当に言いたいことが異なる場合もあるので、どんな思いなのか、どんな方なのかに注意を向けつつ集中して聞いています」(木原氏)
守秘義務は徹底しているが、「耳だけでなく心を傾けて聞かせていただくことが大事」とその心がけを語る。

「3.11後、仏教に興味を持つ人、心を大切にし、自身の本当の心に耳を傾けよう、という感覚を持つ人がじわじわ増えていることを感じます」
と語る松本紹圭氏(33歳)はオープンテラスを立ち上げたメンバーの1人。男性が主な相談相手で、仕事の方向付けや、「今は順調だがこのままでいいのか」といった悩みが多いという。

松本氏自身は東大文学部を卒業後、「一番やりたいこと」として自ら仏教を選択。ネット寺院「虚空山彼岸寺」を立ち上げた後、今後の寺と僧侶のビジョン・ミッションを模索すべく、まずインドの大学院でMBAを取得。帰国後は全国的に「未来の住職塾」を主宰するなど意欲的な試みを続けている。

「家単位で寺と関わる檀家制度は、地縁・血縁に基づいた人間関係を想定しています。が、今の世の中はそうした従来の縁のあり方が崩れ、別のくくり方で縁を結んでいます。お寺もそうした縁の受け皿をつくっていかなくては」
女性の相談を受けるのは、その試金石といったところか。こうした試みを続ける光明寺では、僧侶と親しくなり、転勤の際に挨拶に来る者も少なくないという。約800年の歴史を持つとされる古寺が、こうしてオフィス街に根付いているのは何とも不思議な光景だ。

同じ“3.11”後の4月から、東京・銀座の画廊「銀座モダンアート」で月1回夜、5人の僧侶を集めて開かれる「僧職男子に癒されナイト」は、お勤めの後に僧侶1人を女性3〜4人で囲み、東北産の日本酒や精進料理を楽しみながら相談事を聞く催しだ。

その僧侶の1人である千葉・天真寺(同派)の西原龍哉氏(36歳)は、「20〜30代の女性が主。上司とうまくいかない、等々仕事の人間関係や付き合っている男性のこと、『男性とどう向き合っていいかわからない』等の恋愛相談、いけないとわかっていてもつい怒ってしまう、といった悩みも」

不動産業の傍ら「モダンアート」を営む鳥居友佳里氏(30歳)は、09年に50代の母親を突然亡くした際に仏教に触れ、「救われた」と感じたという原体験があった。

「昨年、異業種交流会で平井裕善さん(38歳、山梨県・浄照寺、同派)とお会いして、仏教ってこんなに楽しいものなんだと再認識した」(鳥居氏)

その3日後、東北を震災が襲った。
「以後、不安な気持ちを抱えたままの人たちは、もしかしたらお坊さんと話せば心が楽になるのでは? と考えて、平井さんに相談したんです」(同)
平井氏と協力して、「気軽に来て」と画廊のホームページやツイッターで拡散。1人1000円の入場料は復興の義捐金とした。すると4月の初日には、20平方メートル程度の画廊に押し寄せた約50人の女性が廊下まで溢れた。

当初は僧侶側が一方的に話をするだけだったが、自然と今の形に落ち着いたという。酒を飲みながらの気楽な場だが、ファンレターや追っかけが登場する浮ついた雰囲気は皆無だ。

「つい『いい答え、いい言葉を出そう、まとめよう』としていましたが、『だよね』と言ってるほうがいいとわかってきた。よく坊さんの話は長いといわれます(苦笑)。大阪がルーツでしゃべりたい派の私も、何か聞かれたときだけ答えるように気を付けています」

とは当の平井氏。「若い人に『お寺に来てください』と言ったら『何しに?』と返されて衝撃を受けた。お会いする檀家さんはご高齢の方が多く、会話も仏像やお墓についてがほとんど。想像もつかぬ質問もいただくこの場は、私たちにとっても大事な修行の場です」(同)。もっとも、「ある高齢の住職が『昔は女性の門徒・檀家がそんな相談をしにきていた』と語っていた」(同)というから、実は彼らの試みはもともと行っていたことへの“原点回帰”なのだと気付く。

「仏教はいつもその時代に生きている人に語りかけなければならない。しかし、従来の言葉では伝わらないことも。聞き手と語り手の新しい接点が開発される時期かも」と前出の木原氏が語る通り、こうした若い僧侶たちは、いわば仏教という優れたコンテンツと一般人との新しいチャンネル役である。

 

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