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http://news.livedoor.com/article/detail/7020704/
「もう、ふた月も経っちゃいましたか……」
「まだ(違反点数や納めた反則金を含む被害の)回復ができていない状況です」
「今後、どのように対応するのかは、現在、協議中でございます」
読者諸兄は、この無責任な発言を信じられるだろうか――。
今年7月、栃木県警が、スピード違反取締りで誤摘発をやらかし、謝罪したことは記憶に新しい。しかも、その誤摘発数は、わずか10カ月で、なんと4200件にものぼる。
そんなドライバーの怒りを代弁するため、直撃取材を敢行した本誌取材班に、栃木県警は冒頭のような言葉をいい放ったのである。
取材に同行した道路交通評論家の鶴田光秋氏は、この発言に怒りを隠さない。
「これだけのドライバーに多大な不利益を与えておきながら、この発言。許すわけにはいきませんよ!」
その誤摘発の原因も、耳を疑うような驚くべき人為的ミスだ。
「担当(交通捜査課)の警部補が、同署に配備された速度測定装置の扱い方を理解しないまま、部下にも同じ指導をし、スピード違反の取締りをしていたんです。本来は、電波投射角を27度で設置しなければならない装置を0〜10度で設置し、速度が、最大8%も過大に測定されてしまったんです」(全国紙社会部記者)
この結果、制限速度ギリギリで走っていてもスピード違反となり、青切符を切られることになる。交通マナーを守っている"優良ドライバー"にとっては、たまったものではない。さらに問題なのは、誤って摘発された4200件のうち、30キロ以上の速度超過と測定され、赤切符(違反点数6〜12点以上、即免停)を切られたケースが444件を数えたこと。青切符で済んだはずが、即免停になったドライバーもいるということだ。
「赤切符が切られると略式起訴され、略式裁判の結果、罰金刑という刑事罰が科せられて前科がつきます。一度、罰金刑が確定すると、是正のためには裁判所に再審請求を求めるしかなく、個人レベルでの回復が難しくなりますね」(板倉宏日本大学名誉教授)
そもそも、なぜ10カ月間、誰も誤測定に気がつかなかったのか。
「情けないのは、ミスが発覚したのがドライバーからの不服申し立てがあったから。それだけ現場にいる警察官が、怠惰でズサンな取締りをしているということですよ」(前出・鶴田氏)
"無実の罪"を着せた可能性があるドライバーを、そのままにしていいはずがない。鶴田氏は、即刻、警察が処分の抹消手続きを取るべきだと憤激する。
「職業ドライバーはもちろん、赤切符を切られたドライバーの中には、社会的信用を失い、会社をクビになった人もいるでしょう。すなわち、収入を断たれるというわけです。栃木県警自らがミスを認め、謝罪しているわけですから、救済のために、まずは4200件すべての違反を、いったん白紙に戻すべきなんです」
鶴田氏のこの提案に対し栃木県警は、「誠に遺憾で深くお詫びいたします。再発防止のため、署長や各署の担当課の幹部に対し、再発防止対策や適切な業務管理の徹底を指示しております」と謝罪しながらも、「現在は、一件一件の違反について再計算して補正する作業を含め、精査していますので……」と、ノンキなことをいってのけるのだ。
「誤ったスピードを再計算して補正するということは、切符を切り直す可能性があるということです。これでは、"現場で得た証拠"と"警察官の現認"に基づいて行なわれるべき反則通告制度を根底から覆すことになる。そのことがわかっていないんですよ」(鶴田氏)
さらに誤摘発は、速度違反だけではない。
「シートベルトでの誤摘発です。これも、今年の5月の連休明けに栃木県警で発覚しました。08年に、高速道路では、後部座席もシートベルトの着用が法律で義務づけられました。それによって交通事故による死亡者が減っているのは事実です。しかし法律では、後部座席を収納できるタイプの車両(ライトバンなど)にシートベルトの装着義務はありません。一般的にはあまり知られていませんが、たまたま、栃木県警内で摘発された県外のドライバーが気づき、警察に申し出たことから発覚したんです」(前出・全国紙記者)
結果、さかのぼって調べると、出るわ出るわ……。
さらに、警察庁が全国の警察本部に確認させると、岡山県警、高知県警、山梨県警、ごく最近でも、9月に宮城県警、和歌山県警など、相次いで誤摘発が確認されたのだ。
★「一般道路での装着は努力義務、シートベルトの装着義務はありません。つまり法的制裁は受けないはずなのに、それを知らずに摘発した例もあります。岡山県警では誤摘発のために免停になった人もいましたし、宮城県警管内では、誤摘発のせいでゴールド免許が取得できなかった人、免許更新の際に違反者講習を受けさせられた人もいたんです」(前同)
この誤摘発の原因も、大半が警官の法令への理解不足というから呆れ果てる。
「ゴールド免許と一般のブルー帯の免許では自動車保険料も変わってきます。法令の理解不足で済む話ではないですよ」(同)
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