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100円ショップは安くてそれなりのものが手に入るということで多くの人がを利用していると思いますが、100円ショップで買い物する人が増えれば増えるほど私たちの生活は良くない方向に向かっているようです。
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100円ショップでの安物買いが、人生を破綻させる5つの理由
(1)安物を買うことで、あなたの職が消える
100円ショップの安物は、そのほとんどが新興国で作られているものである。中国や、ベトナムや、インドや、インドネシアや、あるいはバングラデシュと言った国がその主な製造地となる。
なぜこのような国で安物が作られるのか。それは、彼らの賃金が日本人の賃金に比べて非常に安いからだ。
企業は競争に勝つために、人件費というコストを劇的に下げようと努力している。
企業の占めるコストの中で「給料」の部分は非常に大きな「コスト」であり、人件費は安ければ安いほどいいのだ。
だから多くの企業が、人件費のかからない国へ、人件費がより安い国へと工場を移動させてきた。そうすることによってコストを削減し、競争力を付けることができるようになるからだ。
多くの企業がそれを行った結果、何が起きたのか。日米欧の失業率がどうなっているのか見ればいい。
先進国の生産工場は軒並み工場をコストの安い新興国に移転させて、先進国の労働者を使わなくなったのである。
日本でも2012年には失業率が4.3%を超えているが、それは表層的なもので、これにニートやフリーターや社内失業者を全部足すと欧米並みに8%を超えるとも言われている。
彼らが100円ショップの大事な顧客になるのかもしれない。
しかし、そもそも消費者が安物しか買わないから企業は先進国の労働者を切り捨てて、二度と雇わなくなったのだ。
100円ショップで買えば買うほど、さらに自分の首が絞まることに彼らは気がついていない。
(2)違法労働が増える
コスト削減のために製造工場は出て行って、二度と先進国の労働者を雇わない。では、国外に出て行けないサービス業はどうするのか。あるいは、中小の製造業はどうするのか。
彼らは何とか日本人の給料を安くして雇用したいと考えるだろうが、それでもコスト削減を要求されると、次第に追い込まれて別の方向に目を向けることになる。
それは、外国人労働者の雇用である。
それは、しばしば違法で不当なものだ。しかし、普通に日本人を雇って正当な最低賃金で日本人を働かせていたら競争に打ち勝てない。だから、背に腹はかえられず、外国人労働者を雇うしかない。
消費者が「安ければ安いほどいい」「100円ショップで買えばいい」と思うから、普通にやっていれば太刀打ちできない。
消費者の理不尽なまでの安物買い志向が、国内の違法外国人労働者を生み出す温床になっているのである。
当然、日本国内でも、雇用は日本人よりも外国人が優先されるということになる。
(3)安物志向は、後進国をも不幸にする
では、仕事が舞い込んできた新興国は幸せになっているのかと言えば、実はまったくそうではないことが問題を複雑にしている。
新興国の中でも激甚な競争が行われている。
高賃金の人間は切り捨て、貧困地帯の安い給料で働く人間を「使い捨て」のように働かせる構図が、工業化を受け入れたすべての国で発生している。
その労働環境は奴隷的なものであり、中には児童労働さえも取り入れる工場や国があるのである。
アップルの下請け工場でも奴隷的で非人間的な労働で何人もの労働者が飛び降り自殺している。ナイキの工場やGAPの工場では、下請けが児童労働させていることが問題になった。
児童労働が隠然と続くのは、子供は大人に逆らわず、賃上げ闘争もせず、高圧的に仕事を押しつけられるからだ。
さらに、もっとコスト削減を過激に進めるために、工場廃棄物も何の処理もせずに川や空気中に垂れ流して、公害をまき散らしている。
中国の各地の工場がいっせいに汚染物質を川に流すので、川の色が変色して有毒物質になってしまったケースは何千何万とある。
それでも、先進国の消費者が度を超した安物買いしか興味を持たないために、新興国は持続不可能なコスト削減に邁進しているのである。
(4)製品の信頼がなくなる
製品を安くするためには、コスト削減だけではなく、「製品の質を下げる努力」も行われる。
ステンレスのカバーだったものをプラスチックに、5ミリだった厚みを2ミリに、ネジで補強していたものを接着剤に、長さが3センチだったものを2センチに……。
製品を劣化させて、いかに劣化していないように見せかけるかというコスト削減が研究される。
安物がどんどんガラクタに近づいていくのは、不思議でもなんでもない。コスト削減で質を落とすしか方法がないからである。
それによって、当然、製品は壊れやすくなり、すぐに使えなくなるのだが、そうなっても、「どうせ100円の安物だ」と思って怒りも感じなくなる。
製品の信頼感など最初からない。安物は安物にしか過ぎないからだ。そして、すぐに壊れても「どうせまた買えばいい」という使い捨ての発想になっていく。
モノを大事にする、大切に使う、長く使って愛着を持つ、という本来であればとても大切にしなければならない人間としての基本的な感情を持つことができなくなる。
(5)粗製濫造が環境の破壊を生み出す
使い捨てにしてどんどん安物を買い換えるというのは、要するに、粗製濫造の流れに乗るということである。
モノを製造するには当然のことだが、さまざまな地球の「資源」が使われる。
ただ捨てるだけのためのものに地球の資源がどんどん食い荒らされていくという現実を考えたことがあるだろうか。
粗製濫造の製品にはプラスチックや紙が使われているが、その原材料は石油や樹木である。これらは決して無限の資源ではない。
石油はすでにピークオイルに達しているし、樹木にしてもアマゾンやボルネオのジャングルが伐採され続けていていずれは消滅していく。
ジャングルが消滅したとき、生物多様性は崩壊して、地球の生態系は人間すら住めないものになる可能性が高い。
何のためにそんなことをしているのか。まさに、安物の製品を粗製濫造するためにそうしているのである。安物を使い捨てるために資源が食い尽くされて地球環境が悪い方に傾いていく。
ただ安いモノを買うというためだけに、ただでさえ貴重なジャングルが消えてなくなっていくのである。(黒川慧)
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