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2013/1/21 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
「1ドル100円が良い基準」で円安・株高加速
安倍政権の金融政策ブレーン、米エール大名誉教授で内閣官房参与の浜田宏一氏(77)が積極的に表に出てしゃべり出した。きのう(20日)はNHKの日曜討論に出演、ダイヤモンド・オンラインのインタビューもアップされた。
18日には外国特派員協会で講演。ここで「私は1ドル=100円くらいが良い水準」と発言し、これをきっかけに為替市場で円売りが加速、平均株価も急騰するという現象まで起きた。
常に材料探しに余念がないマーケットではあるが、いまや浜田氏の発言は、安倍・麻生・甘利ら政権幹部に匹敵する影響力を持つほどになっているのだ。
株式評論家の杉村富生氏は、こうした“相場操縦”に批判的だ。
「大きなトレンドは円安ですが、口先介入は危うい現象です。マーケットを官がコントロールできると思ったら大間違い。円安に動き始めたら、100円を超えて止めようとしても止まらなくなりますよ。鉱物資源や食料品など輸入価格の急上昇で取り返しのつかないことになりかねません」
浜田氏は「日本が円高・デフレに苦しむのは日銀の金融政策が間違っているから」が持論。「金融政策の目標は政府が決めるべき」とまで踏み込む「反白川急先鋒」だ。白川日銀総裁は東大時代の教え子で、新著「アメリカは日本経済の復活を知っている」では、序章の20ページを使って白川批判を展開している。
外国特派員協会の講演も話の中心は日銀批判だったが、同じく浜田氏の教え子で経済学者の池田信夫氏はブログで、〈こういうとっくに死んだはずのゾンビ経済学が政権に影響を及ぼすのは困ったものだ〉と書いていた。
◆学会では「引退した人」
テレビで見る姿は好々爺の浜田氏。この人に日本の金融を任せて大丈夫なのか。浜田氏の発言でマーケットが一喜一憂する状況はマトモなのか。
慶大ビジネススクール准教授の小幡績氏はこう言う。
「浜田教授は米国の本場で国際金融を研究し、過去に偉大な功績のある学者です。しかし近年は、学会でも『引退した人』と思われていて、その発言は、学者としての言葉とは受け止められなくなっていました」
そんな浜田氏を安倍政権が重宝がるのは、むしろ別の思惑があるからではないかと、小幡氏がこう続ける。
「政府は日銀を直接批判しにくい。だから安倍政権は、日銀に対して極めて批判的な浜田教授を使って、日銀に圧力をかけているようにも見えます」
やはりアベノミクスは危うい。
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