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2013年01月21日 天木直人のブログ
私がメルマガを書く時に留意する最大の事は後知恵で意見を述べないという事である。
そしてこれは故小田実氏の、「後になって『実は私も貴方の意見に賛成だったのですよ』と囁いて近づいてくる者を一切信用しない」という言葉を拳拳服膺するからである。
私は1月17日のメルマガ第41号で安倍首相は直ちに帰国して陣頭指揮をとるべきだと書き、ブログでも同様の事を書いて外務省と安倍首相にメッセージを送った。
もちろん私にはその時点で事件の確たる直接情報はない。
しかし限られた私の中東情勢に関する体験によって、今度の人質事件は最悪の事態に終るおそれがあると直感した。
そのメッセージを発信した直後にNHKが人質が解放されたというニュースを流した。
それを聞いた私は一瞬早とちりの愚を犯したと思った。
あっさりの自らの誤りを謝罪するしかないとも思った。
しかし間もなくして錯綜した情報が流され、人質事件の帰趨は不明であることが明らかにされた。
その後の展開は我々が知る通りである。
前置きが長くなったが後知恵で言っているのではないという事を断った上で、私は外務省の無能さと責任をいまあらためて指摘しておきたい。
この種の事件が起きるたびに政府の危機管理体制の甘さや情報遅れが指摘される。
そしてその時は必ず外務省の責任が問われる。
しかし今度の事件に関しては不思議な事に外務省批判がまったく見られない。
おそらくその理由として、今度の事件ではアルジェリア政府が日本だけでなく英米を含めた各国に対し情報規制をしたという事情があるのだろう。
しかしその事は外務省の無能さを弁護する理由にはならない。
日本大使館はアルジェリア政府と日本をつなぐ唯一、最強の日本代表機関だ。
日本大使は日本政府の全権を任されて首都に常駐している。
アルジェリア政府の情報統制の態度を含め、今回のアルジェリア政府の対応の第一報は日本大使を通じて外務省に伝えられ、それが日本政府から日本のメディアを通じて日本国民に伝えられなくてはならない。
それは事件が起きた場所が首都から1000キロ離れた砂漠地帯にあるという事とはまったく無関係だ。
アルジェリア政府が機能しているのは首都アルジェであり日本大使はそこで大統領や外務大臣と直談判できる立場にあるのである。
それにも関わらずこれまで日本大使館という言葉が一度も出てこない。
日本大使の顔が見えない。
これは異常だ。
しかし私が外務省の無能さと怠慢さを指摘したいのはその事だけにとどまらない。
もっと本質的なことがある。
それは今度の事件が発生した直後に、その重大性と深刻性を日本大使館は、そして外務省はどう察知していたかである。
そして外遊中の安倍首相にどう伝えたかである。
いまでこそ後知恵のようにメディアでは専門家たちが語り始めている。
およそ中東情勢については日本国民が無知で無関心であることをいい事にまことしやかに語り始めている。
アルジェリア政権はテロとの戦いには容赦しない国だと。
今度の事件の背景には仏のマリ空爆に対する反発が絡んだ戦争であったと。
英米仏はテロとの戦いには妥協しないと。
しかしそれらを一番よく知っている立場にあるのは外務省だ。
現地の情報をつかんでいるべき立場にあるのは外務省だ。
果たして外務省は今度の事件が起きた直後に、その重大性と深刻性を官邸や安倍首相のどのように説明していたのだろうか。
アセアン訪問直後に起きたこの事件を前にして、最初の訪問先のベトナムで安倍首相に急遽帰国を意見具申したのだろうか。
それに対し安倍首相はどういう認識を示したのか。 検証されるべきはまさにその点である・・・
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