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違憲を違憲状態と言って放置するメディアの腰砕け
http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-11453484898.html
週刊ポスト2013/02/01号 頁49
ニュースのことばは嘘をつく ジャーナリスト・長谷川幸洋 :大友涼介です。
安倍晋三政権が動き始めて、世間の関心は株価や景気の動向に集中している。ところが、実は「もう1回、総選挙」という仰天シナリオも消えていない。最高裁が「昨年末の総選挙は違憲」と判断して、選挙のやり直しを命じる可能性があるからだ。
そこを朝日新聞が「違憲状態の衆院選審理『一票の格差』訴訟 明日開始」(1月14日付)で伝えている。
昨年末の衆院選では、有権者数が20万人余の高知3区と49万人余の千葉4区で一票の格差が2・42倍に上った。09年総選挙は2・30倍で最高裁は「違憲状態」の判決を下した。今回はそれより格差が拡大したのだから、違憲状態は一層ひどくなっている。
そんな中で訴訟を起こしている弁護士たちには、最高裁は今回、ずばり「違憲」とみなして選挙無効、やり直しを求めるのではないかという期待が高まっているのだ。
言うまでもなく、一票の価値に格差があるのはおかしい。民主主義の根幹に触れる問題であり、議論の余地はないと言ってもいい。
いま注目を集めているのは先の衆院選だが、2010年の参院選では2倍どころか神奈川県選挙区と鳥取県選挙で5倍に広がっていた。参院の状況に対しても、最高裁は「違憲状態」という判決を出している。
普通の国民感覚からすれば、同じ国会議員なんだから、2倍ちょっとで違憲状態なら、5倍の参院など完全に違憲ではないか。格差がひどいのに同じ「違憲状態」という言葉を使っているのは、右手と左手で判断にズレがあるような感じである。
朝日によれば、弁護士グループは全国で訴訟を提起し、1月15日の札幌高裁を皮切りに、各地で審理が始まるという。これまでは審理に2年近くもかかっていたが、長年指摘され続けてきた問題で今回もずるずると審理を長引かせるのは許されない。
公職選挙法は提訴後100日以内に判決を出すよう裁判所に求めている。是非、さっさと結論を出して欲しい。
もしも選挙無効の判決が出れば当然、総選挙はやり直しになる。その結果、政権の行方も再び選挙次第となって流動的になるだろうが、それはそれで受け入れるべきだ。安倍政権は憲法改正のような重大案件を政策課題に掲げている。そうであれば、自らの政権基盤を選挙やり直しによって固め直すのは、あるべき政治の手順としても逃げるべき話ではない。
みんなの党の渡辺喜美代表は「選挙無効となれば夏に衆参ダブル選挙だ」と言っている。党利党略はあるだろうが、その可能性はゼロとはいえない。
もとはといえば、最高裁が11年3月に違憲状態の判決を下したのに、野田佳彦政権が消費税引き上げに邁進するのみで、制度見直しをほったらかしたまま解散に踏み切ったのが原因だ。いまの議員たちには正統性に大いなる疑問符がついているのだ。
問題はメディアである。メディアはいま起きている目先の争いを報じるのは熱心だが、選挙の正当性を争うような根本的な議論には、いまひとつ腰が引けてしまう感じがある。
それは議論にチャンバラにような面白さがないからでもあるだろう。だが、そろそろ根本問題に徹底的なメスを入れる必要がある。
なぜ最高裁は2倍とか5倍とかの格差を「違憲状態」などと言って放置しておくのか。ずばり「違憲」「選挙無効」と言い切らないのか。司法には司法の理屈があるらしいが、メディアは自分たちの国民感覚で鋭く切り込んでいくべきだ。
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