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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130120-00000571-san-pol
産経新聞 1月20日(日)22時41分配信
政界引退から約2カ月が経過し、久しぶりに紙面に登場したと思いきや…またもや「宇宙人」ぶりをいかんなく発揮している。
ご存じ「ルーピー」こと鳩山由紀夫元首相。16日、訪問先の北京で中国要人と会談したが、その席上、沖縄県・尖閣諸島について日中間の係争地との認識を示し、日本政府が中国側の主張通り主権問題を「棚上げ」した上で両国の協力関係を発展すべきと「友愛外交」を展開したのだ。
尖閣諸島は歴史的にも国際法上も日本固有の領土というのが日本政府の見解。にもかかわらず「元首相」の肩書きの持ち主が、この立場を自ら逸脱し、中国側の意向を代弁した友愛外交がいかに国益を損なうか。
菅義偉官房長官が鳩山氏の「係争地」発言に対し、「わが国の立場と明らかに相反する発言で極めて遺憾。日本の首相をされた方の発言として残念だ」と批判すれば、小野寺五典防衛相はさらに激しく批判した。
「中国側は『実は日本の元首相はこう思っている』と世界に宣伝し、国際世論をつくられてしまう。言ってはいけないが『国賊』ということが一瞬、頭の中によぎった」
鳩山氏の持ち味である「残念な言動」はもう衆目の一致するところ。今に始ったことではない。国民の期待を受けて誕生した民主党政権で初の首相に就任。だが、沖縄県の在日米軍普天間飛行場の「県外移設」を掲げたことから問題は迷走した。オバマ米大統領には「トラスト・ミー(私を信じて)」と強がってみたものの、事態を打開できず、結局、日米の信頼関係を損ねただけだった。
その後、内閣支持率は失速し、期待はしぼんだが、鳩山氏と並んで政治不信に拍車をかけた張本人の一人、菅直人元首相が18日、自らのブログで。鳩山氏の係争地発言にかみついた厚顔ぶりにも違和感を抱く。
「元首相という立場を考えれば、意見を言うにも、どこで発言するのか、誰に言うのか、マスコミに流れるように言うのか、それとも個人的に伝えるのか、そうしたことを考えて発言する必要がある。歴代首相もそうしているはずだ」
ただ、菅氏は首相在任中の平成22年9月の中国漁船衝突事件で、中国人船長を超法規的に釈放させた結果、中国に領海・領空侵犯される事態を招いた張本人とされ、そんなことを言える資格はないはずだが…。
政治不信に拍車をかけた点でいえば、「鳩菅」と並んで民主党を率いたトロイカ体制の一人、小沢一郎民主党元代表も同じ。政治とカネの問題に関して立法府で最後まで説明せずに終わった一方で、先の総選挙では自ら生き残りのため、滋賀県知事に新党結成を働きかけた。「あなたが代表として出てくれたら、(衆院選で新党は)100人が通る」。これが殺し文句だった。
表向きは「脱原発」の旗印に結集した格好だが、内実は単なる政治的な生存競争の一環。第三極勢力の離合集散ぶりは「ヤドカリ作戦」と揶揄される始末で、案の定“下心”は国民に見透かされ、多くの議席を失った。
鳩山、菅、小沢の3氏に共通するのは「国民の生活が第一」を掲げながら、ほとんど達成できず、むしろ政治不信を増幅させただけで下野した「無反省」の姿だ。鳩山氏の後任として首相に就任する直前、菅氏が脱小沢路線を鮮明にした小沢氏への直言が今も輝きを放つ。
「しばらく静かにしていただいた方が本人にも日本の政治にもいい」
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