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2013年01月20日 天木直人のブログ
きょう1月20日の一面トップに掲載されていた「明日へのフォーカス」という論説で論説副委員長という肩書きの高畑昭男という記者が要旨次のように書いていた。
オバマ大統領の一期目の三年間、日本は民主党政権の迷走で米国に大きな借りを作った。その借りを返すためにも日本から同盟強化をリードしていきたい、と。
よくもこのような馬鹿な事が書けるものだ。
民主党政権が迷走したことは間違いない。その批判はいくらしてもし足りない。
しかし米国に大きな借りを作ったということはどういうことなのか。
そもそも日米同盟という関係においては日本が米国に貸す事はあっても借りをつくるなどという事はない。
日米安保条約を少しでも学んだ事のある者なら、日米安保条約が、米国が日本の全土に対し、好きな時に、好きな場所に、好きなだけの米軍基地を置くことを認める不平等条約であることを知っている。
すなわち日米同盟とは日本が米国に対し貸し続ける、言い換えれば米国が日本に対し借り続ける関係なのである。
日本が米国にその貸しをためらうことがあっても、日本が米国に借りをつくるなどということはあり得ないのだ。
普天間基地の県外移転とか東アジア共同体構想などを口に出したということはこれ以上貸し続ける事をほんの少しばかりためらっただけだ。
貸す事をためらって米国の気分を害したことを、この高畑記者は大きな借りを米国に作ったと言っているのだ。
だから彼が言う「借りを返す」ということは、これまで以上に米国の要求を聞け、これまで以上に貸せ、と言っているのである。
産経新聞が最も嫌うのは国賊的であり売国的な言説だろう。
しかしこの論説ほど国賊的で売国的なものはない。
こんな論説を読まされる産経新聞の愛読者は馬鹿にされていると思ったほうがいい・・・
◇
【明日へのフォーカス】
オバマ氏2期目、借り返す時:論説副委員長・高畑昭男
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130120/amr13012003080000-n1.htm
2013.1.20 03:08
オバマ米大統領の2期目就任式が21日に迫ったが、1期目のような晴れやかさと歓迎ムードはあまり感じられないようだ。
ただでさえ、「財政の崖」の回避へ向けた議会折衝は難航を極めている。2期目の主要課題という移民やエネルギー政策の見直しもメドが立たず、外交課題もめじろ押しだ。
頻発する銃乱射事件を受けて包括的な銃犯罪規制策を発表したが、これも野党や圧力団体の厳しい抵抗が予想される。それやこれやで、最近のオバマ氏は草の根保守や共和党への説得や忍耐の努力もつきて、キレている様子がうかがえる。
年明け後初の記者会見では、共和党側の姿勢を「ばかげている」と罵(ののし)るなど、反対意見に聞く耳を持たないような態度に米メディアからも「1人でタンゴを踊るのか」と、疑問が寄せられているという。
もちろん、オバマ氏の不満はわからないでもない。第二次世界大戦後、再選された大統領はオバマ氏で7人目だが、2期目をハッピーに過ごせた人はそう多くない。
ニクソンはウォーターゲート事件のために1年半余で辞任に追い込まれ、レーガン、クリントンもスキャンダルに悩まされた。そうした例は別としても、2期目の大統領は再選によって国民の信任を獲得した「政治的資産」の大きさに期待して、野心的な業績を狙いがちだ。
だが結果的に、心ならずもそれを使い果たし、さみしい終末を迎える例も少なくない。ブッシュ前大統領は2期目に「政治的資産を有効に使う」と宣言したが、イラク戦争処理でそれを使い果たし、他の政策には及ばなかった。退任直前の支持率が34%と、ニクソン(24%)に次いで低かったのもそのためだ。
オバマ氏の場合も、目標は盛りだくさんだが、そこへ向かう前に議会との対立で政治的資産を使い果たす恐れが指摘される。しかも内政・外交で先立つものはおカネだ。まずは「財政の崖」を乗り越えないことには、どの政策も動かない。キレてしまいたい境遇には同情できる。
中でも、日本にとって心配になるのは、中国の軍事的台頭に取り組む「アジア太平洋シフト」外交の行方だ。2月末までに債務上限問題が解決されなければ、国防費などの強制的削減が現実味を帯びてくる。
加えて、新外交・安保チームの中核に指名されたケリー国務、ヘーゲル国防の両次期長官は、上院の承認が得られていない。国家安全保障会議(NSC)の陣容もこれからだ。2〜3月にかけては、外交・安保政策の空白を生みやすい。中国にとっては、尖閣諸島への攻勢を強める「絶好期」と映るかもしれない。
だからこそ、オバマ氏2期目を迎える日本は、抑止の空白を生じさせないように備える必要がある。
例えば、「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の見直しが始まったが、集団的自衛権の問題も含めてこれを加速させる。普天間飛行場移設など在日米軍再編の履行、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加、インドや豪州などとの連携など、同盟の連帯と信頼強化へ向けて日本が米国を助けて積極的に動ける分野は少なくない。
「アメリカの動きを見てから」では遅い。オバマ氏1期目の3年間、日本は民主党政権の迷走で米国に大きな借りを作った。その借りを返すためにも日本から同盟強化をリードしていきたい。
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