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2013-01-19 07:05:38 生き生き箕面通信
おはようございます。
生き生き箕面通信1489(130118)をお届けします。
・安倍さん、インフレって、そんなに一生懸命やるものですか?
政府と日銀の首脳が昨日1月18日会談し、「物価を2%上げる」ことを骨子とする合意文書の骨格を固めました。日銀の金融政策決定会合の議決を経て、来週火曜日22日に正式に公表する段取りです。安倍内閣が鳴り物入りで宣伝するこの「2%物価上昇アベノミクス」なる経済政策は、その正体は国民に値上げを堂々と押し付ける「値上げ屋アベ」が実体なのです。
国民に値上げを押し付ける世界でもまれな政府を、私たち日本人はありがたく戴くことになっています。たしかにこれまでもインフレ・ターゲット政策を採用する政府がありましたが、それらはほとんどが余りにも急騰する物価を抑えるために導入したものでした。同じインフレ・ターゲット政策と言っても、方向は真逆です。安倍政権がやろうとしているのは国民に負担を押し付けるものです。
簡単にいえば、これまで100円だったものを、アベノミクスでは「102円にします」と言うことです。2%上げる、第2の税金みたいなものです。消費税3%アップにプラスすること2%。つまり、合計5%相当だから、2回に分ける消費増税を前倒しで強行するようなものです。
私たち庶民は、デフレを謳歌してきた面があります。これまで100円だったものが、例えば98円に下がるのですから、手持ちのお金の値打が上がったのです。外で食事をする場合も、最近はワンコイン、500円で結構ちゃんとしたものが食べられるようになりました。年金生活者にしてみれば、こんなありがたいことはありません。手持ちのお金の価値が上がったわけです。政府にしてみれば、「こんなバカなことはやってられん。いつまでも国民に美味しい目をさせるのではなく、政府が得をしなければやってられるか」というのが、アベノミクスです。
たしかに、デフレ下では、企業収益は下がり、不景気になりました。そして、不景気は「物価が下がり続けるから悪いのだ」と決めつけました。その結果、出てきたのが、物価を腕力で人為的に上げるインフレ・ターゲット政策。アベノミクスの狙い通り、物価が上がり始めたとして、それが2%の範囲内でコントロールできるかは誰にも分かりません。物価というものは、簡単にコントロールできるものではなく、いったん走り始めたら止められないものです。
だからこそ、どこの国でも中央銀行の独立性を担保して、通貨価値の維持を使命とさせる仕組みにしてきました。今回は、安倍政権が腕づくで日銀をねじ伏せ、物価を上げる政策へ協力させようとしているわけです。
アベノミクスの危険性は、物価だけは上がったけれど、賃金は据え置きという庶民置き去りです。また、おカネがじゃぶじゃぶ供給される結果、株などのマネーゲームだけが盛んになり、実体経済は相変わらず疲弊したままになりかねないことです。さらに警戒しなければならないのは、各国政府が通貨切り下げ競争に突入することです。そうなれば、世界経済は大混乱に陥ります。そのいきつく先はお決まりの「戦争」ということでしょうか。
そうした動きに、メディアはどんな論陣を張っているでしょう。安倍政権のなすがまま。殿のやることに「御意」(ぎょい)と頭を下げるおもねり屋、米つきバッタばかりです。朝日新聞もそうです。読売新聞にいたっては、本日の朝刊13面で「インフレ礼賛」の特集を組み、政府のお先棒を担いでいます。見出しの一つに、「物価上げ→企業に利益→賃金上昇→景気浮揚」を掲げ、ノーテンキなちょうちんをつけています。
こんな日本を、次に世代に引き継がなければならないのでしょうか。
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