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2013年01月17日 20:02 宮武嶺
阪神淡路大震災から18年。
静かに犠牲者の方々に思いをいたし、二度の大震災の教訓を振り返るべき今日なのですが、こんな記事を書くことになり残念です。
大阪府知事・大阪市長として、体罰容認発言を繰り返し、その中で大阪市立桜宮高校でバスケットボール部の顧問の教師から体罰を受けていた男子生徒が自殺するという大事件になったのですから、橋下市長は自分の問題としてこの問題の責任を深刻に受け止めるべきなのですが、相変わらず、他人事のように受け止め、周りを攻撃しまくっています。
同校では体罰問題のあったバスケ部、バレー部以外の全運動部も活動が停止になりました。さらに、橋下市長は、2月に予定されている桜宮高校の体育科とスポーツ健康科学科の入学試験を中止すべきだという考えを示しているのに対し、大阪市教育委員会が中止するかどうか検討しています。
そもそも、悪いのは体罰をした先生で、亡くなった方はもちろん他の生徒は悪くないし、ましてこれから同校を受験しようとする受験生に罪はありません。だから、体罰をした顧問や学校、またそれを止められなかった橋下市長以下の大阪市と教育委員会の体質こそが責められるべきなのに、どうして生徒たちやこれから受験する中学生たちがとばっちりを食らうような対策しか浮かばないのでしょうか。
当然、大阪市立の中学校の校長会は2012年1月17日、「受験生の動揺が広がっている」として、入試を予定通り行うよう教育委員会に申し入れました。大阪市立中学校の校長会の会長は「中学3年生の進路の選択に影響を及ぼすことは認められない」と話しています。しかし、橋下市長は17日の記者会見で、
「一番、重要なのは亡くなった生徒のことで、どちらが重要なのか分かっていない。そういう校長は大阪市にはいらない。公募でどんどん替えていく」
と述べて、校長会の対応を強く批判しました。
橋下市長はいつもの敵を作るやり方で、校長会ならば敵として適当で市民に受けると考えたのでしょう。市教育委員会には16日から、同校に受験を予定している中学生の保護者や在校生、一般市民らから「受験生は悪くないのに影響を受けるのはおかしい」「この時期の中止は受験生の混乱が大きい」「子供たちの夢をつぶすようなことはやめてほしい」というような電話やメールが殺到しているそうです。
橋下市長のようなポピュリスト政治家がいつまで耐え切れるか。
もちろん、亡くなった生徒さんのことを最も重要に考えるのは当然のことです。しかし、橋下市長のやっていることは亡くなった生徒さんを大事にすることと全く関係がありません。いまいる生徒やこれから受験しようとしている受験生を犠牲にするようなことを亡くなった生徒さんが望むわけがありません。間近に迫った高校の入試を中止にしても、混乱ばかりで体罰への歯止めにはならないです。
さらに、橋下市長はもう4月から新学期なのに校長をはじめとする同高の全教員約70人を異動させる「総入れ替え」を市教委に要請し、これを実現するために
「来年度、桜宮高校の体育教師が残るなら体育教師の人件費の予算は執行しない」
と述べました。こういう鞭を振るって相手に無理やり言うことを聞かせるやり方が、まさに権力犯罪である体罰の本質なのですが、そんな橋下市長だけがいまだに体罰についてちっとも理解していないことがわかります。
また、橋下市長は
「大阪市が高校を抱えるのは危機管理対応能力がなく、もう無理だ。松井知事と市立高校の府への移管を早急に進めていくことで合意した」
と述べ、府市統合本部で議論している大阪府と大阪市の高校の再編を前倒しして進める考えを示しました。大阪市で管理できないものがどうして大阪府なら管理できるのでしょうか。大阪市に危機管理能力がないというのは、自分の無能を自白していることになるのがわからないのでしょうか。大阪市の教育問題にも対処できないような人が、大阪市長と参議院議員を兼ねて国政に乗り出すだなんてよく言えたものです。
校長の公募といい、橋下市長は今回の事件に便乗して、自分たちのやりたいことをやろうとしているだけ(ショックドクトリン=惨事便乗型教育改革)。亡くなった方のことも、遺族のことも、今の生徒たちのことも歯牙にもかけていない橋下氏の教育改革に乗せられる大阪市民と日本国民が哀れです。
橋下市長は桜宮高校の入試を中止して来月入試なのに体育科のある高校の定員を増やすだとか、教員全とっかえとか、思いつき、行き当たりばったりもいいところで、教育現場の混乱を拡大するばかりです。
体罰事件をとにかく他人のせいにばかりしていますが、橋下氏のように他人に異様に厳しく、自分に超甘いのが体罰体質なのです。体罰容認を何度も公言してきた橋下市長が引責辞任することが、体罰を許さない最もわかりやすく、混乱も起こさない対策だと思います。
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