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2013/1/16 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
ついこの前の野田民主政権の時には財政再建をしないとギリシャ化すると煽っていた財務省も大マスコミもなぜ安倍政権の巨額国債依存の経済政策を囃し認めているのか
日本では、買い物をしていない赤ん坊も、バカにならない額のローンを背負わされて生まれてくる。12年度末の国の借金は、国民1人当たり554万円だ。
この金額は減りそうにない。むしろ加速度がついて増えていく。
安倍政権が閣議決定した10兆円の緊急経済対策によって、12年度の新規国債発行額は、当初予算も含めて50兆円に膨らむ見込みだ。民主党政権が死守した「国債発行44兆円」は、素知らぬ顔で棚上げである。
復興予算の「5年間で19兆円」も、新たな財源が見つからないのに見直しを決めた。財政は、前政権時代から悪化が避けられない。
それなのにマスコミは、安倍の大盤振る舞いに寛容である。政権発足を契機にして、大新聞やテレビから「ギリシャ化」というワードが消えてしまった。
増税法案や改革法案が議会を通過したとはいえ、ギリシャ財政の綱渡り運営は続いている。日本の巨額赤字も膨張中だ。
それでもなぜか、「日本もギリシャ化する」という脅し文句が聞かれなくなった。まるで自民党政権なら日本はギリシャ化しないかのようである。
どうも変だ。いったい、なぜ、国債発行に依存する経済政策を認めているのか。
◆消費増税導入と引き換えに国債増発容認
「マスコミはお手並み拝見で様子見を決め込んでいるのかも知れません。始まったばかりだから、批評するのも難しい。そんなところでしょう。ただ、不思議なのは、財務省も安倍政権にブレーキをかけなくなっていることです。民主党政権時代は、出向者を送り込んでいるIMFにまで手を回し、『日本は消費税を引き上げるべきだ』と言わせた。それがすっかり沈黙です。消費増税法案は成立し、焦点は増税実施の可否を決める2013年7―9月期の経済状況に移っている。税率8%への引き上げをスムーズに進めるために、バラマキ黙認の姿勢に転じたのでしょう」(経済ジャーナリスト・荻原博子氏)
野田には税率アップを担わせた。安倍には導入までをやらせる。そのためには多少のことは目をつむっていい。そんな計算が透けて見えるのだ。
だが、唐突な大盤振る舞いには、不安も募る。自民党は打ち出の小槌を持っているわけではないし、安倍なら財源が無限に生まれるというわけでもない。声高に叫んでいる成長戦略が空振りになれば、借金だけが積み上げられて終わりだ。
「思い切りアクセルを踏み込んでいますが、古い自民党と何が違うのか見えてこない。金融を緩和し、カンフル剤の公共事業を増やしても、景気の低迷は続いている。果たして、その反省が生かされているのでしょうか。政策を並べるのは、以前と同じで役人です。結局、表紙を変えただけではないかという疑念は消えないのです」(荻原博子氏=前出)
行き着く先は旧自民党政権と同じ。借金をパンパンに膨らませて、あとは野となれ山となれ。そんな光景が、デジャビュのように浮かんでくるのだ。
◆野田の反動で安倍がマトモに見える不幸
]マーケットの反応も異様だ。市場関係者の間では、「財政リスクが日本株を敬遠させる」とか言って財政健全化を求める声が多かった。
それがいまでは、リスク度外視の安倍に沸いている。日経平均株価は連日昨年来高値を更新。東日本大震災前につけた2011年高値の1万857円も上回ってきた。
「潮目の変化を感じた個人投資家は前のめりになって売買しています。東証3市場の売買状況を見ると、昨年11月は個人のシェアが22・2%。それが12月の最終週は32・7%に上昇し、年明けの大発会は34・6%に跳ね上がった。海外投資家も現物で2000億円近く買い越しているが、目立つのは個人の過熱ぶりです」(証券関係者)
円相場だって、「過度な円安はマイナス」という甘利経済再生相の発言で一服も、1ドル=90円台は目前だ。マスコミが安倍の経済政策をはやし立て、運用を控えてきた投資家が飛びつく。そんな構図である。
もっとも、マーケットは安倍の経済政策を積極的に支持しているわけではないという。世界情勢は野田政権当時と大きく変わっていないし、政策の実行もされていないのだから当然だ。
日経CNBC経済解説部コメンテーターの瀬川剛氏が言う。
「3年3カ月の民主党政権で、市場の閉塞感は限界に達していました。青臭い理想論を言うばかりでまとまりを欠き、常に足の引っ張り合いを演じる。そんな姿を目の当たりにし、絶望的な気持ちにさせられてきた。その反動が出ているのです。昨年9月の尖閣国有化でも、胡錦濤国家主席(当時)の顔に泥を塗る政治オンチぶりを露呈し、日中関係を急激に冷え込ませた。それに比べれば、安倍政権はマシ。市場を支配しているのは、そんな投資家心理です。6年前を振り返れば、安倍首相の実力は知れている。多くは期待できません」
民主党が政権交代選挙に勝つ直前、09年8月28日の終値は1万534円である。為替は1ドル=92円台だ。今の水準は「空白の3年3カ月」の前に戻ったに過ぎない。
◆とんでもないトンマだった民主党政権
それにしても民主党政権はトンマだった。あまりに酷かったから、体調不良で政権を放り出した安倍がマトモに見えてしまう。
政治評論家の浅川博忠氏が言う。
「野党暮らしが長かった民主党は、経済に関する知識がまったくなかった。そこを財務省にツケ込まれたのです。中でも、財務大臣から首相になった菅さんや財務副大臣、財務大臣を経て首相になった野田さんは、すっかり洗脳されて、消費増税こそが最重要課題と突っ走った。政治がイの一番に取り組まなければならないのは、景気を上向かせ、雇用を改善することです。それなのに2人は、景気を犠牲にしても財政規律が大事と教えられ、財務省の振り付け通りに踊った。国民の信頼を失うのは当たり前です」
野田は陸上自衛隊の新年行事で、「天下国家を考えて政治判断をしてきたつもりだが、敗れた」と話していた。惨敗してもなお、財務省の洗脳は解けていないらしい。なんとも哀れな姿である。
こんな政治家が間違って首相となったおかげで、自民党は復活。効果が定かではないバラマキも繰り返されようとしている。
残された借金の返済を強いられるのは、安倍でも麻生でもない。ボンボンは平気の平左。苦しめられるのは国民だ。
民主党のトンマのせいで、国民は自公政権にとことん収奪されることになるのだ。
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