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2013/1/15 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
産業競争力会議のメンバーに入った竹中平蔵慶大教授が最近、デカイ顔してTVに出ているが、虫酸が走るとはこのことだ。非正規労働者を増やし、彼らを失業させ、ネットカフェや深夜営業のファストフードで寝泊まりせざるを得ないような状況をつくったのは誰なのか。
紛れもなく、おまえだろ!」と言いたくなるが、本人は反省のそぶりもなく、安倍のブレーンを気取っている。ついこの間もTVで、こんな趣旨のことを言っていた。
「小泉構造改革で格差が拡大したというのは間違った議論です。1990年から世界中で格差が拡大したが、2000年代の前半、日本の格差は縮まったのです」
それなのに、間違った議論がまかり通ったせいで、その後の5年間で日本経済はムチャクチャになった。竹中はこう続けたが、筑波大名誉教授の小林弥六氏は「人間性を疑う」とこう言った。
竹中氏が唱え、実践した新自由主義は競争至上主義です。勝つためには徹底してコストを削減するしかなく、より安い労働力を求めていく。そこにグローバル化が重なれば、賃金を発展途上国並みにするか、工場移転ということになる。貧者は失業の不安におびえ、低賃金で我慢するしかない。これが新自由主義で、米国でも欧州でも見直しが叫ばれている。それなのに、竹中氏の言い分には驚きました。どこかが壊れているのではないかと思いますね」
まったく同感なのだが、問題は竹中の人間性ではなく、安倍政権では似たような連中が他にもしゃしゃり出てきて、「経済を回復させます」みたいな大ボラを吹きまくっていることだ。アベノミクスなんていうと、さも、新しい経済政策のような印象を受けるが、まったく違う。本来であれば、とっくに抹殺されてしかるべき人物が復活し、古めかしい旧来の手法で「幻想」をバラまいているに過ぎないのだ。
◆景気とは関係ないミサイルまで購入
麻生財務相なんて、その典型だし、自民党の緊急経済対策を見ていると、タイムマシンに乗ったような気分になる。
「業界の陳情と役人でごった返している自民党本部の光景はまさしく、政官財癒着モロ出しの自民党です。ちょっと前まで落選していた議員がエラソーに闊歩し、族議員が跋扈している。景気対策も分捕り合戦で、一晩で100億円が上積みされたケースもある。景気対策の規模は20・2兆円で、うち、今年度補正は10・3兆円ですが、業界は税制でも優遇してもらうべく、自民党詣でを続けている。つまり、党本部で予算も税制も決まってしまう。まさに自民党と癒着業者のための政治があからさまに復活したのです」(業界関係者)
補正予算を見ると、地対空誘導弾PAC3ミサイルを購入し、つながっていない道路をつなぎ、復興予算の流用であれだけ叩かれた被災外の役所の耐震強化にもバカスカ、税金が流れている。計上された公共事業の規模は5兆円におよび、今年度予算とほぼ同規模。つまり、1年分を1、2カ月でバラまくことになる。民主党政権時代は「財源の裏づけを示せ」と噛みついていたくせに、政権が代わった途端、なんでもありの無責任。その臆面のなさには、識者もあきれ返っているのである。
◆自民党の公共事業バラマキは百害あって一利なし
公共事業は景気に即効性がある。裾野も広いし、波及効果もある。安倍政権はそう考えているのかもしれないが、ふざけてもらっちゃ困る。
自民党と役所がタッグを組んだ公共事業なんて、ただの利益誘導で百害あって一利なし。それは歴史がとっくに証明済みなのだ。
借金だけが積み上がって、景気は回復せず、揚げ句が庶民に大増税を押し付けた。そんな愚挙を犯した面々が性懲りもなく、同じことをやろうとしている。それが今度の緊急経済対策なのである。
「補正10兆円、景気対策全体で20兆円という規模も、選挙に勝つために自民党がぶち上げたもので、最初に数字ありきでした。その規模にするために官僚がヒィーヒィー言いながら無理して積み上げたんです」(霞が関関係者)
そんな予算だから、中身なんて、あるわけない。安倍は雇用60万人の創出とか息巻いていたが、これだって、机上の空論だ。この規模の景気対策を組めば、GDPを2%押し上げる。そこから60万人という数字を機械的に逆算しただけで、東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満氏はこう言った。
「60万人なんて無理ですよ。巨額の予算を組んで公共事業を執行しようにも、長年、抑制してきたために業界が縮んでしまって働き手がいないからです。おそらく、公共事業を全部、執行することは無理。マーケットも60万人の雇用創出は難しいとみています」
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは日経新聞で「(雇用創出は)せいぜい15万人」とコメントしていた。もくろみの4分の1である。この15万人だって、景気対策が今回かぎりであれば、あとがない。カンフル剤にもなりゃしない。
◆金融政策も成長戦略も時代遅れだ
そこで、安倍政権は金融緩和や成長戦略とセットにして、新味を出そうとしているのだが、こちらも使い古された手法だ。
大阪商大教授の佐和良作氏はこう言った。
「日銀はこの間、ずっと金融緩和を続けてきたのです。しかし、デフレを脱却できなかった。これは欧米も同じです。金融政策だけではどうにもならない。それが世界でハッキリしたのです。それなのに一層の緩和を求めたところで、効果があるのか。あれば、こんなに苦労しませんよ。安倍政権は日銀に金融緩和で2%物価上昇を求めていますが、金融政策とは物価上昇を抑えるときに効果があるもので、逆は無理。お金をジャブジャブ刷ったところで、庶民の懐に入りますか? 銀行に滞留するだけでしょう。それじゃあ、物価は上がりません」
慶大ビジネススクール准教授の小幡績氏は本紙で「中央銀行がお金を刷って物価を上昇させる貨幣数量説は1970年代以降は否定されている」と切り捨てた。
それでなくても今、日本や世界が直面しているデフレはグローバル化に伴う構造不況だ。国境がなくなり、賃金、モノはどんどん安くなり、しかし、国内にも海外にも新たなマーケットが見いだせない。出口なしの泥沼不況から脱出するには、新たな発想、新たな方法が絶対に必要なのである。
それなのに、日本では出戻り首相と出戻り大臣が出戻り学者と一緒になって、とうの昔に否定された政策にしがみついている。これじゃあ、どうにもならないわけだ。
◆安倍、麻生、竹中が出てきて万事休す
「成長戦略にしても、結果が出るのは数年先。それまでは官民ファンドという名の点滴で、潰れそうな企業を支援する。要するに時間稼ぎです。そうこうしているうちに、点滴が切れれば、バタバタ倒産していく。財政は悪化し、政府系金融機関や銀行が不良債権をため込むだけの結果になりかねません」(大手銀行幹部)
世間では安倍バブルなんて囃(はや)す向きもあるようだが、こんなもんはバブルともいえない。参院選まで平均株価がちょこっと上がってオシマイだろう。そんなお化粧で作り上げた数字をもとに、今年の秋には来春からの消費税アップが正式決定する。そうなれば、ますます不況は悪化する。景気対策を続けようにも財源は底をついて、なす術なし。本当の生き地獄が始まってしまう。
このタイミングで安倍や麻生、竹中が出てきたことが、万事休すなのである。
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