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2013年1月14日 植草一秀の『知られざる真実』
「16%で294議席」
私たちはこの数値の意味をよく考えなければならない。
マスメディアが安倍政権礼賛報道を展開するから、日本中が安倍政権を支持しているかのような錯覚に陥るが、先の衆院選で自民党に投票した国民は、比例代表選挙で見れば全有権者の16%に過ぎなかった。
国民の84%は自民党を積極支持しなかったのだ。
「16%の民意」で日本の方向を定められたのではたまらない。
84%の国民の側にも問題がある。
選挙の投票率は59%だったから、84%の国民のうち、41%部分の国民は選挙に行かなかったことになる。
選挙に行かなければ、自分たちの意志を政治に反映されることはできない。
「16%の民意」で国の方針が決められてしまうことは問題だが、逆に考えれば、「16%の民意」でも、まとまって行動すれば、国の方向を決められるということでもある。
この点に着目して、この国の世直しに取り組まなければならない。
安倍政権が発足して、いまこの国はどのような方向に向かおうとしているのか。
その方向をよく確かめて、それを容認するのか、それとも正すのか。参院選に向けて考えを定めなければならない。
政治の難しさは、国民が方向を定めても、それを受け止める政治勢力が存在しないと、国民の思いが空回りになる点にある。
民意をしっかりと受け止める受け皿、政治勢力が必要なのだ。
ところが、この点に大きな不安がある。
「帯に短し、たすきに長し」で、政治勢力の体制が十分でない。
安倍政権が発足してメディアが礼賛しているが、この政権が目指す方向は危うさに満ち溢れている。
国民の未来を定める三つの最重大事項である原発・消費税・TPP。
安倍政権は前のめりそのものである。
原発について、安倍政権の方針は明確に「推進」である。
現在運転が止まっている原発を再稼働させるだけでなく、原発の新設まで検討している。
これは国民の問題である。
福島事故を踏まえて、日本の主権者国民がどう判断するか。これが基本である。
各種世論調査では、国民の大半が原発ゼロの方針を支持している。
それにもかかわらず、原発推進の自民党が衆院多数議席を獲得したのは、ひとえに主権者国民の多数が選挙に行かなかったからだ。
原発ゼロを求める主権者国民が全員選挙に行き、原発ゼロを明示する政党に投票したなら結果は完全に逆になっていた。
安倍政権は補正予算を組んで景気回復に取り組む姿勢を示しているが、景気対策の目的は日本経済浮揚にはない。景気対策の目的は消費税増税を確実に実現することにある。
2013年4−6月期のGDP統計に基いて消費税増税の是非を判断するなどということをどこの誰が決めたのか。
これこそ傍若無人の振る舞いである。
かつて私が明示した増税実施の条件は、
「直近2年間の経済成長率が2年連続で2%を超えたことを確認できた時点」
であった。経済が景気回復の基調に移行したことを確認して、慎重に増税策を実施しなければ、経済を景気後退に逆戻りさせ、税収が増加せずに減少してしまう。
2013年4−6月期の前期比成長率だけで判断するなど、言語道断も甚だしい。
4−6月期の前期比成長率を引き上げるには、1−3月期の経済活動を停滞させることもひとつの方法である。
安倍政権は1−3月期の景気低迷を放置する考えである。
安倍政権は2013年4−6月期だけ経済成長率を高めて、あとは大増税に突き進む。
増税の規模は年額13.5兆円。日本のGDPの約3%に相当する。
日本版「財政の崖」である。
しかも、増税実施の前にやるとされていた「シロアリ退治」が完全消滅した。
官僚の利権を温存し、庶民に巨大増税を押し付ける。まさに「弱きを挫(くじ)き、強気を助(たす)く」政策方針である。
安倍政権は日本を米国の経済植民地にする「TPP」に参加することになる。
さらに、憲法を改正して国防軍を創設し、集団的自衛権を容認して「自衛」の名目の下で、米国が「創作」する侵略戦争に加担する体制を整えるだろう。
税制改革では低所得者を消費税大増税で叩きのめす一方、金持ちに対しては贈与税の減税などで優遇措置を強める。
「経済の弱肉強食」を奨励する安倍政権を私たち主権者国民が容認するのか、その活動を抑制するのか。判断を示さねばならない。
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