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2013年1月11日 日刊ゲンダイ
格差の拡大、固定化招く
安倍政権の税制改正案が続々と報じられている。消費を増やしたり富裕層への課税を拡大したりするものだとして、新聞の論調は好意的だ。
自民党が与党に返り咲いてからというもの、政権批判は影を潜めている。マーケットが円安、株高に転じたのを受け、常識外れの金融緩和やバラマキを「アベノミクス」などと持ち上げる報道も目立つ。しかし、検討が本格化している税制改正案から透けて見えるのは、強者に優しい自民党の正体である。
まずは「緊急経済対策」として来年度から始めようとしている贈与税の非課税だ。祖父母が孫に用意する教育資金について、最高1500万円までは贈与税をかからなくする。それによって負担が軽くなった父母が買い物を増やせば、祖父母が貯め込んだ資金で消費を活性化させられるという計算らしい。
なるほど「孫の教育」は大義名分になる。好意的なイメージを持つ人も多いだろう。しかし、これは、不平等な教育制度を維持、発展させるものだ。金持ちは孫の教育にジャブジャブとカネを使い、貧乏人は公立の高校に通わせるのも精いっぱい。そんな姿は健全ではないだろう。まずは、資金のあるなしで受けられる教育に差が出ないようにするのが先決である。
それに、1500万円もの大金をポンと出せる高齢者は一握りだし、放っておいても孫に使うだろう。わざわざ非課税にする理由はない。
相続税の基礎控除(現在は5000万円+法定相続人×1000万円)を引き下げるのも弱者イジメだ。報じられている「3000万円+法定相続人×600万円」となれば、都市部で暮らす普通のサラリーマン家庭も納税しなければならなくなる。
富裕層への課税を拡大するというのなら、最高で50%という税率を引き上げるべきだ。数億〜数十億円の遺産が残る資産家から、どっさりと徴収するのがあるべき姿である。55%への引き上げが検討されているというが、70〜80%ぐらいにしてもいい。
所得税の最高税率も同じだ。40%を45%に改めようとしているらしいが、1974年までは79%だった。小泉元首相は「成功者をねたむ風潮がおかしい」などと金持ち優遇を正当化していたが、贈与税や相続税、所得税で富裕層を優遇すれば、格差は拡大し、固定されていく。国民は、そんな日本社会を望んでいないはずだ。
【高橋乗宣】
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