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エネルギー革命で日本が変わる!
2013年 1月 08日(火曜日) 00:53
舞い込んできた大きな夢!
エネルギー革命で日本が変わる!
海底深くに眠っているエネルギー資源として、あまり見向きもされなかったメタンハイドレートが、突如として脚光を浴び始めている。資源と考えること自体を疑問視する意見や、実用化には時間がかかるとの説が強かったメタンハイドレートが、なぜ急浮上してきたのか。その奥に世界的な構造大変革の兆しが見えてくる。
■米国GDPを2.2%押し上げる「ポジティブ・サプライズ」
米国経済をどん底にたたき落とし、世界大不況を呼び込むかもしれないと、対処法に世界が注目をしていた「財政の崖」。打ち切り期限を迎えていた減税と失業保険給付が先送りされることが決まり(日本時間1月2日)、当面の崖転落は回避した。これを歓迎してNYのダウ平均は300ドル以上も値上がり(同1月3日)したが、歳出削減などの財政健全策はだ解決法がまだ決まっておらず、段階的に対応調整していくことになりそうだ。こうした状況を考えると、米経済に晴れ間が見えてきたとは言い難い。
そんな米国に予想外の「ポジティブ・サプライズ」が浮上している。その一つがシェールガスだ。
シェールガスはシェール(頁貝)層から採ることができる天然ガスで、すでに100年以上前から生産されてきた。21世紀に入ってから米国各所で大規模なシェールガス脈が発見され、同時に掘削技術が進化し、一気に生産量が拡大している。シェールガス掘削が地震を誘発するとか、自然環境破壊につながるといった説もあり、こうした批判論が抑え込まれたわけではないが、それでもシェールガスには熱い眼差しが注がれており、近い将来、米国のエネルギー需要の40%〜60%をシェールガスが賄うとの計算も発表されている。
米国では「シェールガス革命」という言葉が使われ、まるで石油に代わってシェールガスがエネルギーの主役に踊り出たような雰囲気がある。ほんとうに石油にとって代わることが出来るのか、環境破壊問題はどうなのかは別として、シェールガス井掘削や、それに付随する設備投資が急増。そのお陰で雇用が増加している。シェールガスが予測通りに増加して、米国のエネルギー消費の半分程度を賄えるようになるのは10年先の話だが、シェールガス関連事業はすでに今年(2013年)の米GDPを1%押し上げるほどになっている。
もう一つ、予想外に米経済を押し上げているのは不動産事情だ。サブプライムローン問題、リーマンショックで米国住宅事情は崩壊した。低所得者、中間層はローンを払い切れずに住宅を手放し、米国住宅事情が好転するのは遠い先の話と思われてきた。米国の個人向け住宅の価格は下落し、中間層、低所得層は賃貸住宅に住むしか道がなくなった。
値下がりし、廉価で売りに出される個人向け住宅。そして賃貸で家を借りるしかない貧しい人々。それが思いもよらぬ住宅販売数の増加となったのだ。なぜかというと、企業が個人向け住宅を購入し、賃貸住宅として貸し出し始めたのだ。
企業にとって、賃貸住宅の家賃収入は、年利10%程度に相当する。銀行利息や不安定な投資、債権購入より、住宅を買って貸し出したほうが高利だし、安定収入を得られる。この結果、個人向け住宅を企業が購入するようになり、その需要が予想以上に伸びている。住宅需要増加が付帯する家具家電需要まで増やし、これが2013年の米GDPを1%も押し上げる効果となっている。
シェールガス革命序曲で1%、予想外の住宅建設増で1%、都合2%も米GDPが上昇する機運なのだが、そうした全体の雰囲気が自動車業界にも普及している。サブプライム問題、リーマンショックで米国庶民は2000万台の車を手放し、彼らは二度と車を購入しないと考えられていた。
ところが昨年(2012年)後半から自動車を買う層が増加してきている。広い国土に暮らす人々にとって、やはり自動車は必需品なのかもしれない。今日の見通しでは、いったん車を手放した2000万人のうちの半分、1000万台が自動車を再購入すると見込まれている。これが米GDPを0.2%ほど押し上げるというのだ。
予想していなかった分野での2.2%GDP増。こうした米国の「予想外のサプライズ」が日本にも好影響をもたらしそうだ。住宅建設や自動車購買増などの米国好景気は、当然ながら日本経済にとってプラスとなる。だがじつは、最も大きな影響は米国のシェールガス革命なのだ。それは日本の有り様を根底から変える構造的変化になるかもしれない。
■燃える氷――メタンハイドレートの出現
日本列島の周囲には、メタンハイドレート(methane hydrate)という一種の天然ガスが膨大に眠っている。では、メタンハイドレートとは何なのか。
良質のものは、見た目は氷のような物体で、火をつけると燃え上がる。そのため「燃える氷」とも呼ばれるエネルギー源で、将来は石油に代わるほどのものになるとの説もあるが、まだ実用化には至っていない。
メタンハイドレートと同様の物質は20世紀の初め頃、極寒のシベリアを走る天然ガスパイプラインで見つかっている。それが天然の状態で地下深くから見つかったのは1960年代のことだった。1970年代にはカナダの比較的浅い海の底にメタンハイドレートが大量に埋蔵されていることがわかる。そして1996年に米国でもメタンハイドレートが見つかり、改めて見直され、エネルギー資源として研究されるようになった。
平成20年(2008年)には日本の独立行政法人「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」がカナダ北西部の永久凍土の地下1100mからメタンハイドレートを採り出すことに成功。この地域で2018年を目標にメタンハイドレート事業を本格営業する計画が現在も進行中だ。
メタンハイドレートをエネルギー資源と見ることはできないとする説が、とくに日本では強く存在していた。その理由はいくつかある。まず、日本近海の海底に眠るメタンハイドレートは、はるか深海の海底を1キロ以上も掘り進まないと、ガス脈にたどり着けないという厳しい状態に存在していることだ。さらにガス脈にたどり着いても、それは堆積物や砂にまみれた希薄なもので、精製し凝縮するには大量のエネルギーが必要となる。コストパフォーマンス(費用対効果)の面から考えても、採掘、精製に費用がかかりすぎるうえに、運搬も困難だから、エネルギー資源として成立しないというのだ。
実験的に合成されたメタンハイドレートを使っての燃焼実験などは行われているものの、これを本格的にエネルギー資源として活用させる方法も、まだ確立されていない。また海底や地底の深いところに眠っているメタンハイドレートを地表に持ち出すことが、温室ガス効果を高め、地球温暖化に悪影響を与えるとの説もある。
こうしたさまざまの理由により、メタンハイドレート開発には疑問符がつけられ、また強硬な開発・研究反対論が強かった。それがなぜか、昨年末あたりから急に風向きが変わりつつあるのだ。
■愛知沖でメタンハイドレート試掘を開始
昨年(平成24年)2月に経産省系の独立行政法人「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」は、愛知県の渥美半島沖70キロの海域に深部探査船「ちきゅう」号を派遣し、深さ1000m超の海底をさらに300mほど掘り進んだところにある層からメタンハイドレートを掘り出す試験を開始した。海の底を掘削してメタンハイドレートを取り出そうとする世界初の試掘で、間もなく――今月中にも成果が発表される予定だ。
東海沖から和歌山沖にかけては世界有数のメタンハイドレート層が存在すると考えられており、今回試掘されている渥美半島沖だけで日本国内消費量14年分が眠っていると経産省は見ている。
この渥美半島沖のメタンハイドレート試掘ニュースは、将来の日本のエネルギー事情に劇的な変化をもたらすだろうか。答えはノーである。
海の底深くまで潜り、そこからさらに海底を掘り進み、天然ガスや石油のように自噴することのないメタンハイドレートを取り出してエネルギーとすることは、新たな革命的掘削法でもできない限り、コスト的に計算が合わない。また掘り出されたメタンハイドレートは堆積物や砂が大量に混ざったものと推測され、それを抽出、精製して使用に耐えられるものが出来上がるかわかっていない。
わが国太平洋沿岸には、たしかに膨大量のメタンハイドレートが眠っているが、それらはすべて深海の海底を数百〜千メートル以上も掘り進んだところにある。専門家ではなく素人が考えただけで、勘定が合うはずはないと即断できる。
太平洋側のメタンハイドレートなど、何の役にも立たない。わかりきった話なのだ。それを俎上に載せて議論するなど意味がない。問題は日本海側のメタンハイドレートにある。
■日本海に露出しているメタンハイドレート
昨年(平成24年)10月末に、明大・東大・北見工大などの共同調査グループ「表層ガスハイドレート研究コンソーシアム」が、北海道網走沖のオホーツク海と秋田、新潟沖の日本海の広範囲にメタンハイドレートが存在する調査結果を発表し、それが話題になったことから、「日本海メタンハイドレート」が注目を集めることになった。話題になったり注目を集めたこと自体が非常に興味深いことだった。
というのは、これよりずっと前から、青山繁晴、千春夫妻が日本海メタンハイドレートの有効性を主張してきたのだが、それが黙殺され続けてきたからだ。
水産学者の青山千春博士は、魚群探知機を使った簡単な調査で、日本海にメタンハイドレートが大量にあることを察知。日本政府、経産省は南海トラフなど太平洋側のメタンハイドレート調査には莫大な費用を投じているが、東シナ海、日本海には調査費は出していなかった。このため、この海域における青山博士の調査研究は、世界でただ一つのものだった。彼女の夫の青山繁晴は、独立総合研究所社長として独自に日本海を調査。新潟県の佐渡島南西海域に膨大なメタンハイドレート層が存在することを発見し、発表してきた。ところがこれが完全に黙殺されていたのだ。
じつは平成8年(1996年)時点で、当時の通産省資源エネルギー庁が日本海の非常に浅い海に極めて良質のメタンハイドレートがあることを突きとめていた。ところがなぜかこの調査結果は表に出てこなかった。青山繁晴は平成14年に経産省総合資源エネルギー調査会専門委員を勤めた経験があり、千春夫人の研究もあったという経緯から日本海メタンハイドレートに確信を持ち調査したと思われる。
日本海の浅い海にあるメタンハイドレートは、日本の太平洋側やカナダ、米国で採れるメタンハイドレートと比較すると途轍もなく良質のもので、すぐにエネルギーとして使用可能。しかも浅い海に露出しており、カニがエサとして食べている映像まで知られている。手漕ぎボートで繰り出して、シャベルですくえるほどのものなのだ。深海まで潜ってその底を深く掘り下げるなどといった面倒は不要なのだ。
■妨害工作、そして「立ち入り禁止」
独立総合研究所の青山繁晴が佐渡島沖の巨大なメタンハイドレート層発見を公表したのは昨年(平成24年)6月。一部のテレビなどではこの快挙が報道されたが、多くのテレビ新聞マスコミはこれを報じることがなかった。ネット上では「経産省が妨害しているのではないか」とか、「政府は500億円もかけて太平洋側を調査してきた。わずか300万円の私費で発見されたらメンツに関わるから潰しにかかった」といった情報が流されたほどだった。
ところがその10日後。突如として経産省は「新潟県佐渡島南西海域に石油、天然ガス田が存在する。平成29年を目処に商業化を検討する」と発表したのだ。
青山繁晴が発見した同じ海域にメタンハイドレートではなく石油・天然ガス田があるというのだ。これはどう考えても、メタンハイドレート層だと認識しているが、それを隠して「石油・天然ガス田」と呼んだとしか思えない。経産省がこの地域の調査、開発に乗り出すということで、一般は立ち入り禁止状態。メタンハイドレート層を経産省が隠しに動いたと思いたくなるような話だった。だがそうではなく、経産省は日本海メタンハイドレートの話を少しずつ表に出し始めた。
青山繁晴の発表から2カ月を過ぎた9月になったところで、読売新聞が「日本のEEZ(排他的経済水域)内にメタンハイドレート」と発表。そして明大・東大・北見工大などの共同調査グループの調査発表も交えて、10月には日本経済新聞が「日本海オホーツク海にメタンハイドレート」、産経新聞が「メタンハイドレート、日本海オホーツク海にも存在」という記事を掲載し始めた。さらには佐渡島沖の情報をNHKテレビが「メタンハイドレート日本海側に広く存在か」と放送するようになった。年末以降には日本海メタンハイドレートは「日本を根源的に変革させる大ニュース」としていよいよ注目を集めるようになってきている。
■エネルギーを巡る情勢変化
整理して考えてみると、日本海メタンハイドレートの裏に世界的な構造変化の兆しが見えてくる。
経産省(前身の通産省)資源エネルギー庁は17年前の平成8年にはすでに日本海メタンハイドレートの存在を知っていた。(30年近く前から知っていたとの話もある)。だが経産省はその後、太平洋側だけを調査し、経産省OBや御用学者たちは「資源と考えること自体がおかしい」といった反対論を強硬に主張していた。
あることがわかっているのに、日本海側を調査することもなく、調査費用も出さず、日本海に注目した青山夫妻の調査報告を黙殺してきた。
それが突如として表に浮上してきた。
これまではなぜ日本海メタンハイドレートは無視されたのか。そして今になってなぜ日本海メタンハイドレートが表に出て注目されるようになったのか。
そこには国際的なエネルギー管理機構とでもいうか、世界レベルの圧力があったと考えられる。その圧力に変化が生まれた結果、日本海の話が急浮上してきたのだ。
話を2年前の3月に始まる。
311東日本大震災で福島第一原発が壊れたことなどから、日本の原発が全停止した。結果、日本は火力発電に頼る率が高まった。
火力発電というと石油を燃やすと考えがちだが、過去2度のオイルショックを受け、不必要な原油価格高騰を抑えるために、国際エネルギー機関(IEA)は昭和54年(1979年)以降、先進国での石油火力発電所の建設を禁止した。日本もこれ以降、石油火力発電所の建設は行っていない。このため震災以降稼働した石油火力発電所は、すべて昭和54年以降に建設されたものだ。現在型の火力発電は、石油ではなくLNG(液化天然ガス)で動いている。
当然のことながら311大震災以降、日本の電力会社は天然ガス購入に走った。この時点で日本の天然ガス購入代金は世界に比べて異常に高くなった。
天然ガスは英熱量(BTU)という単位で計算される。日本は100万BTUの天然ガス購入に18ドルを支払っているが、欧州勢は多少の変動はあるが平均8ドル程度。最も高く支払っているドイツで11ドル。そうしたなか米国は2.5ドルしか払っていない。日本の購入価格は欧州勢の倍以上、米国の7倍強なのだ。
なぜ日本の購入額はこれほど高いのか。理由は簡単だ。大震災で天然ガスが必要になった日本は足元を見られ、高く売りつけられ、言い値で買ってしまったのだ。
ところが昨年夏以降、事情が変化してきた。日本に廉価な天然ガスを売ろうとする国々が現れたり、ロシアからの天然ガスパイプライン構想が浮上してきた。
もう一つ、日本で脱原発の動きが強まったことも関連してくる。年末総選挙で自公政権が生まれ、民主党が進めようとした原発ゼロ方針は白紙撤回され、新規原発建設まであり得る状況にはなったが、原発産業自体には将来性が乏しい。今後日本が原発を主力にする可能性は少なく、天然ガスに依存する率は高くなると考えられる。
世界のエネルギー市場にとって日本は優秀な客だった。なにしろ日本は年間に23兆円ものエネルギーを輸入してくれる。最高の上客といっていいだろう。
しかしそれは、米国から見る限り非常に危険な状態に見える。日本はエネルギーのためには国是まで変えかねない。歴史的に見れば先の大東亜戦争を引き起こした大きな原因の一つに日本のエネルギー資源問題があった。その日本が石油、原子力という従来のエネルギーではない天然ガス獲得に動いている。それを見越してロシアが接近。中東や中央アジアの動きも怪しい。米国のアジア戦略にとって日本の位置は極めて重要。あらゆる面で中国を圧倒する必要がある。
その他もろもろの国際事情から、米国は自国の「シェールガス革命」と同様なエネルギー革命を日本に期待し、日本がエネルギー面で自立することを推進したいと考えた。ただしエネルギーを巡る国際的な了解として、日本海メタンハイドレートが容認されたわけではない。こうしたあやふやな状態が、今日の日本海メタンハイドレートの状況だ。
このままエネルギー資源として日本に大変革をもたらすか。それとも国際エネルギー資本が日本海メタンハイドレートを力づくで葬り去ってしまうのか。まさに今、その分岐点に立っている状況だ。
だがこの情報はすでに流れ始めてしまった。この流れを消し去ることは不可能だろう。
話は少し変わるが、このところ新潟県の土地を外国人が購入して話題になっている。それも中国、韓国だけではなく欧米資本が入り込もうとしているのだ。外国資本が日本の土地を購入する場合、水資源と森林資源が目的のことが多いが、新潟県の水や森林資源がそれほど魅力的とは思えない。他には、日朝国交回復を睨んでの新潟開発も考えられるが、いちばん大きな理由はメタンハイドレートだと思われる。世界はすでに日本海メタンハイドレートに目をつけ、動き始めているのだ。
今年、来年といった近未来ではないが、日本海メタンハイドレートは途轍もないエネルギー資源として、日本の有り様を激変させるだろう。夢のような話だが、日本がエネルギー輸出国になることすら十分考えられるのだ。世界に類例のない良質なメタンハイドレートが浅い海に露出しているのだから。
米国が大喜びし、米GDPを押し上げたシェールガス革命どころではない。それをはるかに凌駕するメタンハイドレート革命が、まもなく日本に起きる。今後の日本海開発に注目しようではないか。■
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