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2013/1/12 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
安倍首相はきのう(11日)、会見し、総額20兆円規模の緊急経済対策をアピールした。
「ロケットスタートだ」「実質GDPを2%押し上げ、60万人分の雇用を創出する」と息巻いたが、時々、手元の紙に目を落とし自分の言葉で語っていないのは歴然だった。
世間はアベノミクスをもてはやしているが、安倍は政策通ではないし、まして、経済通ではない。その裏で、安倍の政策オンチをカバーすべく、ボコボコ立ち上がっているのが、財政諮問会議を筆頭にした有識者会議だ。
その数はすさまじい。全閣僚がメンバーの経済再生本部があり、その傘下には民間人を中心とした産業競争力会議がある。月内には規制改革会議が立ち上がり、有識者による教育再生実行会議も設立する。会議だらけで、「こりゃ、乱立させすぎだ。早晩、大混乱になるだろう」(官邸事情通)なんて言われているのだ。
「昨今は経済政策も教育改革も複数の省庁をまたがないと難しい。そのヨコ串を通すために官邸主導の会議を立ち上げるのでしょうが、メンバーを見ると、方向性がバラバラになる懸念は確かにありますね」(政治解説者・篠原文也氏)
実際、麻生財務相は積極財政出動派。その後ろには京大院の藤井聡教授が内閣官房参与として起用された。自民党建設族や農林族ももちろん、バラマキ賛成。その大将には道路族のドン、二階俊博総務会長代行がデーンと座る。
その一方で、経済財政諮問会議の伊藤元重・東大院教授は小さな政府志向の代表格だ。規制緩和とインフレターゲットの旗振り役として有名。産業競争力会議には、これまた同類の竹中平蔵慶大教授がいるし、同じく競争力会議のメンバーである楽天の三木谷浩史会長兼社長も、規制緩和、自由競争の新自由主義だ。ついでにいうと、官邸には浜田宏一・米エール大教授が内閣官房参与として入っていて、こちらも竹中と同類の“格差容認”主義者である。
◆支離滅裂な人選と邪な狙いと打算
こうしてみると、やたらと有識者を揃えたものの、その人選は支離滅裂なのがよく分かるのだ。
「結局、相変わらず、お友達を集めただけなんですよ。有識者のほとんどは政策や能力で選ばれたわけではなく、首相との個人的な関係で人選された。1対1の関係で、ヨコの連携もない。だから、いざ集まってみると、不仲や対立、矛盾が一気に露呈したのです」(官邸事情通)
政策に自信がないお坊ちゃん首相がとにかく、身近のお友達をかき集めた。そうしたら、ヘンテコリンな会議がいくつもできてしまった。そういうことだ。政治評論家の浅川博忠氏は会議乱立には「別の狙いもある」とこう言った。
「新しい会議をつくれば、そのたびにメディアの取材が入る。TVや新聞で報じてもらえる。安倍内閣は何か新しいことをやってくれそうだ、仕事もしている。そんな印象を植え付けられる。そうやって、7月の参院選まで時間稼ぎもしたい。そうした打算もあるのでしょう」
いやはや、仕事をしているフリをするための会議だということだ。
こうなると、会議乱立の意図ははっきりしてくる。ズバリ、安倍の無能隠し。それ以外の何モノでもない。
◆小渕元首相以上に安倍の頭の中はカラッポだ
政策に自信がある。やりたいこと、目的がハッキリしている。知識や経験に裏打ちされた理念、信念がある首相であれば、こんなふうにバカげた会議を立ち上げたりしない。
自分のやりたい政策を実現させる方法を考える。そのための学者や識者を選び、官僚や党を説き伏せ、信頼する閣僚に汗をかかせる。 そういう首相であれば、自然と優秀なブレーンが現れ、党も閣僚もついていく。アホみたいに会議を立ち上げている安倍は、こうしたリーダーとは正反対であることが分かる。政治記者として、長年、安倍家を取材してきた政治評論家の野上忠興氏はこう言った。
「自信がない。自分というものがない。小渕首相は真空総理といわれましたが、安倍首相もそれに近い。だから、お友達や識者に頼る。彼らの陰に隠れて、自分の真空ぶりを隠そうとする。きのうの会見を見て、改めて、そう思いましたね。まるで、官僚の作文でした」
安倍自身は大きな政府志向なのか、小さな政府なのか。バラマキ批判に対し、どう説明するのか。財源の裏付けは何か。その一方で、新自由主義に肩入れするのか。
一国のリーダーの理念は税制や成長戦略、社会保障などあらゆる政策の礎となるのに、安倍からは何も見えてこない。
会議の乱立、支離滅裂なブレーンの起用、自信のなさそうな会見を見ていると、「こりゃダメだ……」となってくるのだ。
◆安倍の下に集まった有識者も共犯だ
社長をウオッチし続けている経済ジャーナリスト・有森隆氏は別の角度から安倍を切った。
「経済財政諮問会議の民間人には小林喜光・三菱ケミカルホールディングス社長と佐々木則夫・東芝社長も選ばれました。経団連の幹部が外れたのは、米倉会長が民主党の野田政権を評価し、安倍・自民党に批判的だったからでしょう。この時点で好き嫌いが入っている。日本経済再生のために最高のメンバーを集めたとは思えません。それに小林氏は東京電力の社外取締役だし、東芝は原発で儲けていて、佐々木社長は旗振り役です。東京電力を守るシフトにも見えます」
経済財政諮問会議は格差を拡大・固定化した小泉構造改革の司令塔だった。国民からすればむしずが走るが、今度も同じだ。つまり、国民切り捨て、大企業優遇。言うまでもないが、こうしたメンバーからは逆立ちしたって、新エネルギー戦略なんて出てこない。それなしで、何が成長戦略なのか、と思うが、緊急経済対策には原発の廃炉研究に国が850億円も投入することが盛り込まれた。
おそらく、経済産業省の役人は大喜びではないか。こうした識者会議を通じて、自分たちがやりたい政策を実現させ、そこに税金をつける。それが彼らの常套手段だからだ。有識者会議には事務局がついて、官僚がペーパーを用意し、議論を仕切る。識者も“共犯”みたいなもので、こういう人たちを識者とは呼んではいけないのだ。
竹中なんて、参院議員をブン投げたときは「小泉と心中」みたいなことを言っていたくせに、維新の会に擦り寄り、今度は安倍政権でデカイ面。本当に節操のない破廉恥漢だ。
こんな連中に政治、経済を引っかき回されたらたまらない。安倍バブルに浮かれていると、既得権益者だけが得して、庶民は踏んだり蹴ったりということになる。バカバカしいったらありゃしない。
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