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2013年01月11日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆安倍晋三首相には、心底からガッカリした。それは、首相番記者による、いわゆる「ブラ下がり取材」拒否を決めたというからである。これでは、菅直人元首相と野田佳彦前首相と全く変わらないではないか。何が最大の問題かと言えば、せっかく全国の各家庭との窓口である首相番記者の機能と役割、使命を自ら全面否定することになる。
さらに、首相番記者の矢継ぎ早やの質問に対して、当意即妙に答える能力がないと認定されかねない。悪く言えば、「馬鹿」であることを天下にさらす結果になる。
◆一体だれが、「ブラ下がり取材に応じない方がよい」と進言、助言したのかはわからないけれど、安倍晋三政権誕生早々から、首相番記者の「ブラ下がり取材」を拒否するには、何か、相当、都合が悪いことを質問される可能性が高いと憂慮でもしているのであろうか。これに答えられないと、政権維持が難しくなると恐れているのではないか。そんな疑惑を持たれると、研ごう悪いらしい。
総選挙の投開票結果の結果についての疑惑が最大のものだが、このことを恐れているのではないかと思われている。
◆菅直人元首相は、本当に「馬鹿」な首相だった。偉かったとすればそれを自覚していたことであった。こんな馬鹿が日本にいるのかと、中国の胡錦濤国家主席をガッカリさせたに違いない。首相番記者による「ブラ下がり取材」を一切拒否し続けて、国民との距離をどんどん大きくして行った。
野田佳彦前首相は、菅直人元首相の側近たちから「ブラ下がり取材に応じて、ボロを出すくらいなら、最初からブラ下がり取材を拒否することだ」と強くアドバイスされて、これを真に受けて、かたくなに拒否し続けた。その結果、全国の各家庭との距離を大きく広げてしまい、せっかくの野田佳彦首相の持ち味を自ら損なってしまった。
何のために、千葉4区という選挙区内のJR船橋駅や津田沼駅頭で「朝立ち」を続けて、有権者の信頼を得て当選してきたか分からなくなった。今回、総選挙ではかろうじて当選できたものの、全国各地の国民有権者の「信」を失い、その結果、数多くの現職議員を落選させることになったのである。
これは、全国各家庭のお茶の間に向けての「窓口」を自分でシャットアウトしたことによる結果であった。
◆この点、偉いのは、小泉純一郎元首相であった。一日、午前と午後の2回、首相番記者による「ブラ下がり取材」に応じて、時には、記者たちを煙に巻いてしまうほどの名答弁も使いながら、多くの国民有権者を楽しませてくれていた。答えられないことは答えなくても良いのである。そんなことは国民有権者は、百も承知である。
次男の小泉進次カ青年局長は、父親顔負けの応答を記者たちに対して行なっている。質問を受けることを決して嫌がらない、そして、記者たちからの質問に応じることをこう言ってのけた。
「当意即妙の答弁ができるようになるための訓練をしているのです」
将来、大臣から首相に登って行くための訓練を自ら課しているということだ。くだらないことで失言して失脚することのないように31才のいまから訓練しているとは、大変見上げた心がけである。
これに比べれば、安倍晋三首相は、実に劣る政治家である。首相番記者の質問に堂々と答えられない、失言を恐れるようでは、安倍晋三政権の前途は決して明るくはない。早くも限界が見えている。長期政権とはいかないであろう。
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