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(回答先: 森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 「右翼」の時代がやってきた 投稿者 笑坊 日時 2013 年 1 月 10 日 19:10:28)
「安倍総裁『3本の矢大作戦』は、消費大増税実行の付帯要件「景気条項」を満たすためだけに行われるのか!?
自民党、公明党、民主党の3党合意で、震災復興も原発事故対応もろくに手を付けず、野田佳彦氏が死に物狂いで実現させたのが「消費税増税法案」だった。この法案名を正式に言うと、「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案」であり、簡易的には「社会保障と税の一体改革関連法」と呼称する。植草一秀氏が拡散させた、例の「シロアリ退治」動画が日本列島の隅々まで浸透した結果、野田民主党は一気に崖下に転落し、今は哀れな弱小野党に身をやつした。
そもそも、「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案」(社会保障と税の一体改革関連法)などという、舌を噛みそうな仰々しい名前のこの法案、成立して見たら、ただの「消費税大増税」だった。「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的改革」は、どこへ消えたのだろうか。
何のことはない。「社会保障と税の一体改革」は初めから消えていて、政府と財務省が強力に「一体化」して『大徴税法案』を決めただけだった。シロアリ退治の約束が大ペテンなら、社会保障と税の一体化も大ペテンだった。消費増税については、植草一秀氏の「消費増税亡国論」(飛鳥新社)が最も参考になった。この本は消費税について最高のテキストであるに止まらず、野田前首相によるシロアリ退治の約束反故や一体改革の虚妄を鋭く衝き、この消費増税成立の経緯が民主主義の命「デュー・プロセス」に背いていることを指摘する。
また、特権官僚の問題点、財務省TPR、偏向放送局NHKの解体的革新の推奨、財政危機というデマゴギー、外貨準備50兆円損失の衝撃、TPP問題、原発事故とエネルギー問題など、論点が多岐に渡り、実に知的な刺激を受ける一冊である。消費税のテキストでもあり、日本が直面する諸問題を縦横無尽に踏襲する啓蒙の書でもある。この書で最も印象に残った箇所は「米国は対米隷属を誓わぬ政権を許さない」という部分である。
鳩山・小沢ラインが登場するまで、政治は米官業トライアングルを向いていたが、鳩山政権は初めて「国民の生活」へ目を向けた。これが米官業トライアングルというリヴァイアサンの尾を踏み、喉元を噛み付かれた。政権はわずか8カ月余りの命脈だったが、これは戦後憲政史上画期的だった。新自由主義と官僚主導体制は、富が大資本、米国、官僚に傾斜配分されるため、国民が安泰に生活できない状況が出てくる。明日の生活不安を抱えて国家百年の計もへったくれもない。植草氏は国政の基本問題を国家構造論的にとても分かりやすく伝えてくれている。
さて、消費増税にはアメリカの強い意志が働いているようだ。
○その一
Photo 小林興起氏の「裏切る政治」(光文社)には、野田前首相が消費税増税に暴走した理由を次のように推測している。
「消費増税法案の成立を決定的にした民自公の3党合意がなった(2012年)6月15日の夜、この状況下でテレビ朝日の『報道ステーション』は、ジャパンハンドラーズとして名高い政治学者、ジェラルド・カーティス氏を番組に登場させ、話題になった。同氏は番組内で、消費増税の意義や必要性を説いたが、私に言わせれば、彼は経済の専門家ではない。なぜこのタイミングでカーティス氏の起用なのか?これも消費増税とアメリカの関連を疑わせるに十分だった。」(P41)
ジェラルド・カーティス(Gerald Curtis)と言えば、ジャパンハンドラーズの総元締めみたいな人物で、CSIS(米戦略国際問題研究所)と深い関わり合いを持つが、彼が消費増税に異常な食指を伸ばしていたのは、消費増税にアメリカが強くこだわっていることを示す。
○その二
小泉俊明氏の「民主党大崩壊!」(双葉社新書)には、「野田政権が消費増税を強行した本当の理由」の最後尾に「アメリカはなぜ消費増税をさせるのか?」という項目があり、ここに消費税増税の究極の目的が書かれている。その理由は二つ。一つは外資系企業によるM&Aがしやすくなること。消費税増税で景気が悪化し、株価が下がれば、りそな騒動と同様に外資の日本買いが始まる。もう一つは「円高・ドル安になる」ということらしい。消費税増税という緊縮財政の最たる方策では、市場に放出されるマネーが増えることはなく、結果的に日米のマネタリーベースの関係が、「円高・ドル安」に傾斜すると言っている。消費増税がデフレを加速するという国内問題だけで捉えていた人は、驚かれたと思うが、この二方向とも、国際金融マフィアの日本収奪に収斂している。
○その三
平野貞夫氏は、消費税増税路線に賛同しているのは、輸出で利益を上げている大企業であり、その理由は、「輸出戻し税制度」によって消費税が還付され、大きな利益を得るということであるという。
3_2 以上の三点から、消費税大増税は財務省の狂気の徴税意志だけではなく、米国(国際金融資本)の思惑が強く働いている。ここにも見事に米官業トライアングルの尽きせぬ欲望が見えてくる。さて、今、安倍晋三新政権の経済政策『アベノミクス』がマスコミを賑わせているが、本当にこれが恒久的な経済浮揚効果を持つのだろうか。経団連など経済3団体共催の新年祝賀会で、安倍晋三首相は「大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略の『3本の矢』でデフレ脱却と過度な円高を是正していく」との考えを表明した。
しかし、ネットでは多くの人が指摘しているが、安倍首相はヘリテージ財団が韓国と仲良くしなさいとレポートを出せば、竹島問題どこ吹く風とばかり、尻尾を振ってそれに阿諛追従(あゆついしょう)した。安倍氏は、領土問題・国境問題で、妥協せずに決然とやるんじゃなかったのか!? アメリカ「奥の院」の鶴の一声で言いなりである。こうなると、彼の唱えるデフレ脱却、円高是正のための「三本の矢」作戦も、腰砕けになることは目に見えている。
「金融緩和・2%インフレターゲット設定」政策を実行するのは、消費大増税を成功させるための暫定的(一過性)な措置でしかないのではないか。つまり、懸念されることは、安倍晋三氏の3本の矢は、消費増税に付帯する「景気条項(=附則第18条)」を取りあえずクリアーするためだけに行われるその場凌ぎの方策ではないのか!?景気条項さえ満たせば後は野となれ山となれで、消費増税を実行し、一気にTPP参加に進むのではないのか。(パロディ画像はマッド・アマノ氏です。)」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2013/01/post-547f.html
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