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2013/1/9 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
民主党政権は論外だが、それ以前の自民党旧政権はもっとヒドかったとなぜ大マスコミは報じないのか
20兆円規模に膨らんだ緊急経済対策、11年ぶりに拡大する防衛費、「産業競争力」「教育再生」など次々と立ち上がる有識者会議……。
大新聞には連日、安倍政権に期待を込めた記事が載っている。「デフレ脱却 本格始動」などと派手な見出しも躍るが、それを読んで心躍る国民はどれだけいるのか。
安倍がやろうとしていることは、散々失政を重ねてきた旧来の自民党的手法と全く変わっていない。それなのに、安倍政権に期待する大マスコミの論調は奇怪である。
古い政治手法でも今度ばかりはうまくいくとでも思っているのか。大マスコミだって長年、自民党のバラマキ政策を批判してきたじゃないか。実際、バラマキは効果が乏しく、その結果が積もり積もった1000兆円もの国の大借金ではなかったのか。
「民主党政権時代にメディアが公共事業削減を批判し、巨額の財政出動を求めたことがありましたか。むしろ逆で野田政権とグルになって、財政危機を理由に大増税をたきつけた張本人じゃないですか。その論調が安倍政権に変わるや一転、大盤振る舞いの太鼓を叩き、『デフレ脱却』を煽るなんて支離滅裂です。今のメディアは、時の政権に尻尾を振る“権力の犬”と言われても仕方ありません」(元NHK記者で評論家の川崎泰資氏)
自民政権復活後の大マスコミ報道には、疑問と怒りが次から次へと湧いてくるのだ。
◆企業優先の古い発想では脱デフレは不可能
安倍は大胆な「金融緩和」、機動的な「財政出動」、民間投資を引き出す「成長戦略」を合わせて「3本の矢」とホザいている。聞こえのいいワンフレーズで何となく目新しい政策のように見せかけているが、これだって旧態依然の手法だ。
「安倍首相の言う『大胆な金融緩和』は10年前に実施し、結局は効果の出なかった量的緩和政策の繰り返しです。日銀がじゃぶじゃぶと金融機関にマネーを供給しても、投資需要がなければ民間には回らない。これでどうして物価が上がるのか、と専門家は皆クビをかしげているのに、メディアはちっとも批判しません。もうムチャクチャです」(川崎泰資氏=前出)
「成長戦略」なんて言葉も、もう聞き飽きた。新たな成長戦略は、ゾンビのように復活した経済財政諮問会議と、新設の日本経済再生会議が連携し、6月をメドに策定。再生会議傘下の「産業競争力会議」のメンバーには、これまたゾンビのように小泉政権の経済政策を牛耳った竹中平蔵が選ばれた。
歴代政権が知恵を絞っても出てこなかった「新たな成長戦略」が今度は魔法のように飛び出すのか。甚だ疑問だ。
メディアが煽り、市場が騒げば騒ぐほど、マトモな国民は懐疑的になる。識者ほど実はシラけている。それが今の状況なのである。評論家の佐高信氏はこう言った。
「安倍政権の経済政策の根っこにあるのは、企業さえ潤えば社員も豊かになるという古臭い発想です。私は『社豊・員貧』と言っていますが、いくら企業が儲けても社員の給与に還元せず、ひたすら内部留保に回すのは今や常識。いかに個人の生活レベルを上げ、購買欲を高めるかが大事なのに、安倍政権は財界の顔色をうかがって企業の儲けを優先する。国民生活を豊かにするという発想は皆無です。これではホンの一握りの勝ち組企業が潤うだけで、恐らく今以上に格差が広がることになります」
大マスコミが煽る「デフレ脱却」なんて、夢のまた夢なのだ。
◆資本主義末期に慨嘆するしかない「救いナシ」の顔ぶれ
今の日本経済をひと言で表せば、資本主義末期に断末魔の叫びを上げているようなものだ。欧米先進諸国もまた同様である。
経済のグローバル化で、世界中が安価な労働力と生産拠点を新興国や途上国に求め、モノはどんどん安くなっていく。革命的な製品は生まれず、既存の製品を売ろうにも、もはや新たな市場はどこにも存在しない。
経済学者の中谷巌氏は「資本主義のフロンティアは完全に消滅した」と語り、滋賀大准教授の柴山桂太氏(経済学)は「今こそグローバル化の是非を論じるべきだ」と言った。どの国もグローバル化の壁にぶち当たり、資本主義の存続すら危ぶまれているのだ。
この現状を打破するには「資本主義以後」を見越した新たなリーダーが必要だ。世界に先駆けて、革新的な経済運営を実行するしか道はない。
果たして、安倍や麻生に新たなリーダーとしての資格があるのか。ますます絶望的な気分になってくるではないか。
◆先祖返りの面々に新成長求める滑稽さ
安倍は6年前に病気を理由に政権をブン投げたが、それ以前に無能を極めていた。「お友達内閣」で「美しい国」を目指すトンチンカン。「戦後レジームからの脱却」とか言って憲法改正を掲げ、いたずらに隣国を刺激した外交オンチ。お腹が痛くなくても、いずれ政権は頓挫していたわけだが、この頃から今の安倍はちっとも進化していない。
漢字が読めない麻生副首相兼財務・金融相のウラでは、すでに財務官僚が蠢動している。官僚主導では、この国はもう持たない。それが国民のコンセンサスで4年前に官僚主導の自公政権を下野させたのに、まるで麻生は懲りていない。日銀総裁人事をめぐっても、財務官僚と同じ土俵に乗って、ハラの探り合いを楽しんでいるフシがある。
筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)は、こう慨嘆する。
「安倍政権の経済主要閣僚は甘利経済再生担当相に茂木経産相と、どちらも原発推進の旗振り役です。政官財学の利権構造に漬かりきった“原子力ムラ”の住人に、新たな成長戦略を求めるだけムダでしょう。自然エネルギーの開発など成長分野の足かせになるのがオチだし、ましてや成長戦略を担う会議のメンバーに竹中平蔵氏を選ぶにいたっては論外です。言うまでもなく格差拡大のA級戦犯で、彼の標(ひよう)榜(ぼう)する新自由主義が時代遅れなことは欧米でも実証済みです。こんな先祖返りのような顔ぶれでは、救いようがありません」
◆期待ムードに踊らされれば、この国は沈む
間違いなく安倍政権のバラマキの陰で政官財癒着は完全復活する。見せかけの景気はすぐにバケの皮が剥がれて、必ず日本経済は行き詰まる。「それこそが安倍政権の真の狙いではないか」と、前出の佐高信氏が続ける。
「国民生活が混乱するスキに憲法改正や国防軍の創設を持ち出し、近隣諸国が文句を言えば、高まる国民の不満は外へ向かう。そんな都合の良い展開を望んでいる、と勘繰りたくもなります」
民主党政権もヒドかったが、それ以前の自民党政権はもっとヒドかった。そのヒドイ頃の自民党に逆戻りし、さらに悪くなっているのが、今の安倍政権の姿だ。
それでも安倍政権を批判しない大マスコミのいい加減さは犯罪的だ。国民は安倍政権に期待するとバカを見るし、本当にこの国は終わってしまう。安倍自民党の復活が最後のアダ花なんて、冗談じゃない。
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