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洞察力こそ政治の根幹
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13/01/10 新党日本 田中康夫 にっぽん改国 :日刊ゲンダイ
「木を見て森を見ず、どころか、葉を見て枝すら見えぬ視野狭窄な“奇っ怪ニッポン”を新年早々、改めて痛感しました。
「取り除いた土や枝葉、洗浄に使った水の一部を現場周辺の川などに捨てる『手抜き除染』が横行している」。「元請けゼネコンの現場監督が指示して投棄した例も」。「発注元の環境省は契約違反とみて調査を始めた」。「汚染廃棄物の扱いを定めた特別措置法に違反する可能性」。
1月4日付で「朝日新聞」が報じた“除染ビジネスの闇”に対し、政府は「除染適正化推進本部」を設置し、「徹底的な原因究明を」と根本匠復興相が意気込む一方、民主党政権で環境相だった細野豪志幹事長は「除染担当だった私自身も責任を感じている」と陳謝する展開です。「何の為の除染か。画一的な手法、再考する時」と唱和する報道も含め、事の本質を見極めていません。「除染は『移染』に過ぎず、1日に放射性セシウム500億ベクレルが阿武隈川に流れ込む悲劇を1年前に警告するも虚し」とツイッターで僕は慨嘆しました。
一昨年12月8日、衆参両院が合同設置の「事故調査委員会」初回会合で僕は、「『放射能に占領された領土』と冷徹に捉えるべき。原発から少なくとも30km圏内は居住禁止区域に設定し、愛着を抱く郷里から離れる当該住民には、国家が新たな住居と職業を保証・提供すべき。それが『国民の生命と財産を護る』政治=立法府の責務」と提言しました。
昨年1月27日の衆議院本会議代表質問でも「京都大学、筑波大学、気象研究所の合同調査で、阿武隈川から太平洋に流れ出る放射性セシウム量は1日500億ベクレルにも上ると判明。『ニューヨーク・タイムズ』も福島の除染作業は日本最大・最悪の『有り難迷惑な公共事業・無用の長物』と批判。洗浄した水は何処へ行くのか?海に流れ込んだら水俣病を上回る惨劇」と警告を発しました。
一例を挙げれば、バブル崩壊後に開店休業状態な全国のゴルフ場等を国家予算で買収し、「フクイチ」周辺に戻れぬ住民の為に「新しい街」を建設する「決断」こそ、国民に勇気と希望を与える新しい公共事業の在り方です。洞察力こそ政治の根幹。にも拘らず、「にっぽん改国」は未だ遙か。
長野県知事時代から10年間、御愛読頂いた当連載も今回で一旦休憩。春には装いも新たに、「あなたから尊敬される国」を構築すべく再開の予定です。御期待下さい。
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