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TPP「決断、参院選前に」 安倍政権の懸案、米CSIS所長に聞く 原発、安保上も重要 日中の衝突、米は望まず
米国の有力シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のジョン・ハムレ所長は日本経済新聞のインタビューに答え、安倍晋三政権の懸案に関して見解を示した。日本の環太平洋経済連携協定(TPP)参加の決断が今夏の参院選以降に先送りされる場合、米国の失望を招くと指摘。日本が原発政策を維持することは、日本経済再生や安全保障上の観点からも必要との考えを強調した。やり取りは次の通り。
――安倍政権は日米関係の再構築を掲げています。
「最近の日米関係は、民主党政権時代でも野田政権とは良好で、安定していた。沖縄の米軍普天間基地の移設問題が長年の懸案だ。普天間問題がすぐに解決しなくても、日米はアジアの安全と安定のために役割を定義していかなければならない。例えば、米軍の最新鋭ステルス戦闘機F35の日本への配備は日米関係の強化につながる」
――オバマ政権は日本のTPP参加が「死活的に重要」との立場です。
「2期目のオバマ政権は1期目よりも貿易政策の優先順位が高い。オバマ政権が欧州連合(EU)と自由貿易協定(FTA)締結交渉を強力に推進しているのは、その好例だ。TPP交渉は日本抜きで進んでいる。安倍政権はオバマ政権の貿易政策重視の方針とFTAやTPP交渉の現状を注意深く見る必要がある」
「日本では多くの人が日本のTPP参加が米国の利益と日本の損失につながると考えているようだが、それは違う。TPPは参加国すべてが勝者になる枠組みだ。もし安倍政権が参院選前までにTPP参加を決断しなければ、米国は失望するだろう」
――原発の再稼働問題も注目されています。
「安倍政権が直面する最も重要な課題だ。福島の原発事故は悲劇であり、住民は政府が事故から守ってくれず、その後も有効な対策を取っていないと不満を募らせている。問題は住民が政府を信頼していないことだ。住民にとって安全な環境を整えることを政府は最優先すべきだ」
「一方で日本はエネルギー資源が豊富ではない。原発を再稼働しなければ、短期的には火力発電所を建設しなければならないが、コストがかさむ。日本経済への打撃は深刻で、競争力も衰える。米国はまず現存する原発の再稼働を希望する。原発は経済再生へ不可欠であり、日本の国家安全保障上の観点からも必要だ」
――周辺国には「右傾化」懸念もあります。
「今回の衆院選は日本の『右傾化』や『左傾化』を選ぶ選挙ではなかった。無意味な議論だ。選挙結果は民主党の政権運営への不満であり、拒絶だった。自民党の肯定ではない。国民は安倍政権や自民党に経済再生やエネルギー問題の解決の機会を与えたにすぎない」
「沖縄・尖閣諸島を巡って日中の緊張が高まっている。尖閣問題は日中2国間にとって重要な問題だが、世界のほとんどの国にとっては重要ではなく、関心もない。日中の衝突は双方に打撃だ。米国は日中の衝突を望んでいないし、私はそうならないと期待している」
「従軍慰安婦問題は日韓の争いであり、懸念している。もしこの問題について日韓の間で論争が起きれば、日米韓3カ国にとって良くない。次の4年ないし5年をこの問題に費やすのは日米韓3カ国にとって失うものが大きい」
(ワシントン=吉野直也)
ジョン・ハムレ氏 ジョンズ・ホプキンス大院博士。クリントン政権で国防次官、国防副長官を歴任。2000年1月から現職。62歳。
[日経新聞1月5日朝刊P.7]
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