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2013/1/5 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
父親の墓前で「今度はうまくやります」と誓ったというその幼児性に識者が絶望
「首相を拝命し、きょうで10日目。国造りに邁(まい)進(しん)する決意を新たにした」
伊勢神宮を参拝した4日、安倍首相は会見でこう話した。表情は終始にこやか。年はかわったが、政権発足からは日が浅い。今はまだ、再登板のうれしさを隠せないようだ。
なにしろ退任した首相の返り咲きは戦後2人目のレアケースである。大マスコミは、「吉田茂以来、64年ぶり」と仰々しい。下痢が止まらず道半ばで倒れた男の再チャレンジを歓迎しているかのようだ。
果たして安倍は、復活が期待された実力者なのか。還暦を2年後に控える58歳。どこから見ても立派な大人のはずだが、昨年末は父親の墓前で「今度はしっかりと使命を果たすと誓った」(本人)という。驚くべき幼児性。いまだに親離れができないような男に、いったい何ができるのか。
「結局、政治家3代目のボンボンということです。父や祖父の墓を回るのは、家柄もアピールしたいのでしょう。敷かれたレールの上を歩くだけの世襲政治家が、あろうことか2回目の首相を射止める。いかに自民党に人材がいないかが分かります。安倍さんは消去法で選ばれたに過ぎない。おかげで党内も、みんなで安倍をもり立てようという雰囲気はゼロです」(政治評論家・山口朝雄氏)
政界を覆う未曽有の人材難が、ひ弱な坊ちゃんの復権を許したのだ。「首相再登板」の値打ちも大暴落だが、吉田と安倍が同じなのはカムバックしたことだけではない。対米隷属を是とする政治家であるところもそっくりだ。
「歴史は繰り返す」とは、よく言ったものである。
◆民主党「対米自立路線」に終止符打った野田
吉田は「戦後日本の礎を築いた人物」と評価が高い。歴史の教科書でも、大宰相と紹介されている。だが、専門家の見方はまったく違う。今の植民地国家の元凶と指弾されている。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏が言う。
「吉田は、1951年に日米講和締結のために来日したダレス特使との交渉で、米国の要望を無条件で受け入れる約束をしている。それによって米国は、必要なだけの軍隊を必要な場所に必要な期間だけ駐留できる権利を確保した。吉田が結んだ日米安保条約と日米行政協定(現在の地位協定)は、今も続く対米隷属の始まりとなったのです」
吉田は「アメリカに言われたらジタバタせずに受け入れる。それが、まな板の上の鯉の美学」とうそぶいていたという。1兆円に満たない当時の国家予算から、毎年550億円もの巨費を在日米軍に拠出する取り決めもしている。
当時の日本は占領下だ。それでも国益を考えれば、プライドを捨ててまで言いなりになる必要はなかったはずである。しかも吉田は、サンフランシスコ講和条約を結んだ後も首相を続けた。
独立国家となってもなお、「鯉の美学」で米国に無抵抗のリーダーが権力の中枢を占める。おかげで日本の対米隷属は固定化した。独立とは名ばかりのポチ国家路線が続いているのだ。
09年衆院選で「東アジア共同体」構想を打ち出した鳩山民主党政権が誕生。「日米は対等の関係」と主張し、米軍基地の辺野古移設にも待ったをかけようと奮闘した。
それを許さなかったのが、官僚とマスコミと経済界だ。
県外移設を唱える鳩山を「宇宙人」と呼んで変人扱いし、「日米同盟に亀裂が入った」と大騒ぎ。鳩山が袋叩きに遭うサマを目の当たりにした菅は、わが身かわいさで対米隷属路線に舵を戻した。次の野田も、消費増税やTPPで米国の歓心を買おうとした揚げ句、自爆テロ選挙で政権を自民党に戻している。「鯉の呪縛」は依然、解けていないのだ。
◆米国にハシゴ外される安倍の末路
安倍も吉田と同じ。米国から言われたことをそのまま実施するのが仕事だと勘違いしている。実際、集団的自衛権の行使を容認することで米軍が出向くところに軍隊を送り、1機100億円の「殺人ヘリ」オスプレイを自衛隊に導入、米軍普天間基地は辺野古に移設する構えだ。
「安倍首相の取り巻きにはナショナリストがたくさんいますが、米国からの自立を主張する人はひとりもいません。日米同盟強化を謳(うた)い文句にして米国に追随するグループが、応援団として安倍政権を支えているのです。安倍首相は祖父岸信介の墓参りをした後で、『日米安保条約を改定した祖父と同じ信念、決断力で結果を出す』と話していたそうです。でも、岸は行政協定、つまり地位協定に手を付けようとした。吉田が固定化した対米隷属路線を変えようと動いたひとりです。恐らく安倍首相は、岸の真意を理解していないのでしょう。分かっていれば、軽々しく『同じ信念』などと言えないはずです」(孫崎享氏=前出)
なんとも浅はかな男だが、安倍は米国政治の現状も理解していないフシがある。
中曽根や小泉に代表されるように、米国のポチ政権は寿命が長い。吉田も第5次まで2600日以上在職している。だが、再登板となった安倍が長続きする保証はゼロだ。
前出の孫崎享氏が言う。
「日本の政治家を動かしてきた米国のジャパンハンドラーの人たちは、中国の脅威を煽(あお)ることで日本の従属体制を維持してきました。安倍首相も彼らの意向を受ける形で対米隷属を続けている。でも、オバマ大統領の周辺にいるのは、米国と中国で世界を仕切る『米中G2論』を展開しているグループ。安倍首相が米国に良かれと思ってやったことが、オバマ大統領に評価されないという現象が起こり得る状況です。5年前も、北朝鮮のテロ国家指定を外そうとしていた米国にとって、北朝鮮強硬派の安倍は厄介な存在になり、ハシゴを外された格好になっていました」
首相就任会見で安倍は、「日米同盟の強化が日本外交立て直しの第一歩」と協調した。だが、安倍がどれだけ服従しても、利用されるだけ利用されてポイ捨てされるのがオチだ。日米同盟強化=対米隷属強化は、この国と国民を混乱させるだけである。
批判精神なき大マスコミは、安倍政権を持ち上げているが、後ろ盾と頼る米国にすら相手にされず途方に暮れる運命のリーダーに、いったい何を期待すればいいのか。
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