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2013年01月05日(土)歳川 隆雄「ニュースの深層」 現代ビジネス
昨年末に発足した安倍晋三第2次内閣は、筆者が名付けた「安麻(あんあさ)内閣」の言葉通り、麻生太郎副総理・財務金融相の存在感が際立っている。幾つか、事例を挙げて説明したい。
安倍首相は年初の1月4日にマクロ経済政策の拠点と位置づける経済財政諮問会議(議長・安倍首相)の第1回会合開催を予定していた。ところが、麻生氏が2日〜5日までミャンマーを訪問しているため、開催日を7日に延期せざるを得なかった。
日本ミャンマー協会(会長・渡辺秀央元衆院議員)最高顧問としての訪緬は12月26日の組閣前から決まっていたことであり、他意はないと麻生氏は説明する。が、同氏不在では経済財政諮問会議が開けないということを政府関係者に知らしめる結果になった。
■麻生大臣の秘書官に財務省が異例の人事
財務省(真砂靖財務事務次官・1978年旧大蔵省入省)は、12月26日付で麻生財務相の秘書官(事務担当)に浅川雅嗣国際局次長(81年)を同局次長兼務で起用することを決めた。大臣秘書官は課長級以下の職員から選ぶのが慣例となっており、異例の人事である。
浅川氏は麻生首相時代の首相秘書官(事務担当)務め、麻生氏の信任が厚いことを考慮したものだ。経済産業省(安達健祐経済産業事務次官・77年旧通産省)が麻生首相時代の首相秘書官(同)だった柳瀬唯夫前経済産業政策局審議官(84年)を安倍首相の首相秘書官として官邸に送り込んだことに倣った人事と言える。
因みに、経済産業省の官邸での存在感が増している事例として挙げられるのが、前資源エネルギー庁次長から事実上の首相首席秘書官として首相秘書官(政務担当)に転出した今井尚哉氏(82年)である。
今井氏は第1次安倍内閣時の首相秘書官(事務担当)であり、安倍氏の絶大な信頼を得ている。その今井氏が安倍氏に柳瀬氏を首相秘書官に起用するよう進言した。また、安倍第1次内閣時代の内閣広報官だった長谷川栄一前東京大学客員教授も首相補佐官として官邸入りしたが、同氏もまた中小企業庁長官を務めた経済産業省OB(76年)である。
柳瀬氏が06年の安倍第1次内閣時代、望月晴文資源エネルギー庁長官(後に経済産業事務次官・73年)の下で原子力政策課長として原子力政策の基本方針である原子力政策大綱を策定した。同氏が首相秘書官に決まった時点で安倍第2次内閣が原子力発電所の再稼働と原発新設を決定することは見えていた。
■意外だった飯島起用は小泉進次郎対策
次は内閣官房参与人事である。小泉純一郎首相の首相秘書官(政務担当)を務めた飯島勲氏が7人の内閣官房参与の一人に起用されたのには、正直いって驚いた。同氏が第1次内閣時代に厳しい安倍批判の論陣を張ったことを覚えているからだ。安倍氏の度量の広さを世間に見せたことになるが、同氏の起用は小泉進次郎青年局長対策ではないか。
安倍氏が目指す参院選勝利には進次郎氏の圧倒的な人気が不可欠である。だが、同氏は昨年6月の民主、自民、公明3党の基本合意を批判した“前科”がある。要は、お目付け役なのだ。
政策的な意味で重要なのは、谷内正太郎元外務事務次官(69年外務省)と丹呉泰健元財務事務次官(74年旧大蔵省)の2人の内閣官房参与である。谷内氏が安倍氏の外交アドバイザーであったことは周知の通り。読売新聞監査役を辞めて就任した丹呉氏については、財務省挙げての安倍官邸への働きかけの賜物である。
内閣官房参与は、特別国家公務員であり、兼職を認めている。野田佳彦政権時代、ベトナムをはじめ中東諸国への対外インフラ輸出戦略を担った前田匡史国際協力銀行(JBIC)執行役員インフラ・ファイナンス部門長は、同職を務めながら内閣官房参与の任に当たった。いずれにしても、谷内氏が安倍、麻生両氏から高く評価される戦略的な元外交官であることは事実である。
自民党執行部人事にも麻生氏の影がちらつく。石破茂幹事長の“無力化”と言っていい人事が、党4役に格上げとなった選対委員長に河村建夫前選対局長、幹事長代行に細田博之前総務会長を起用、さらに高村正彦副総裁を党則変更の上で党役員ラインに乗せたことである。事実上の安倍総裁の代行である。この河村、細田、高村の3氏はいずれも麻生氏に近い。石破幹事長を3氏でサンドイッチにしたようなものだ。
こうして見てくると、まさに安倍政権は「安麻連立政権」であることが理解できよう。田中角栄、大平正芳両元首相を「大角」、安倍晋太郎元外相と竹下登元首相を「安竹」と称したように「安麻」なのだ。
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