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[エコノフォーカス]建設業、強まる人材難 求人倍率2倍超に
公共事業拡大に制約
建設業の人手不足が強まっている。震災復興需要で求人は増えているが、有効求人倍率は技術職、労務職ともに2倍を超えた。就業者が15年間で3割減少するなど建設業の「冬の時代」が続いたことが響き、需要があっても人が集まらない。自民・公明による新政権は防災名目で公共事業の拡大を目指すが、人材難が制約になりそうだ。(柳瀬和央)
建設作業員の有効求人倍率は東日本大震災前は1倍前後だったが、復興関連工事の本格化に伴って上昇。2012年10月に2倍を超え、同11月は2.16倍に達した。土木作業員も同月に1.92倍となり、土木の仕事を探す人の約2倍の求人がある状態になった。
国土交通省によると、建設作業員の需給は11年7月に、人が余っていることを示す「過剰」から「不足」に転じた。12年11月時点では需要に対して労働者が1.3%不足しており、特に、型枠工や建築現場向け鉄筋工は2%以上足りない状態だ。先行きも、建設業者の4社に1社が「13年1月時点の労働者の確保が困難」としている。
測量や設計などの技術職はさらに不足感が強い。建設・土木・測量技術者の有効求人倍率は12年11月に2.68倍となり、半年で0.92ポイントも上がった。人手不足が深刻化している医師・薬剤師(7.06倍)や保健師・助産師(2.93倍)などに次いで高い水準だ。
官民合わせた建設投資は1992年度の84兆円をピークに減少傾向をたどり、10年度には半分程度の約40兆円まで縮小した。12年度は震災復興事業で45兆3千億円まで増える見込みだが、全盛期にはほど遠い。こうした構造変化を背景に、97年7〜9月期に698万人いた建設業の就業者は12年1〜3月期は492万人まで減った。
新政権は「国土強靱(きょうじん)化」を名目にインフラ投資を拡大する方針で、1月中旬にまとめる12年度補正予算案にも考え方が先取りされる見込み。
だが、人材難が供給制約になり、「大規模な公共事業を打ち出したとしても、どれだけスムーズに執行できるかには疑問が残る」(シティグループ証券)との声がある。
建設労働者の不足率は被災地の東北(1.7%)よりも、北海道(4.2%)、関東(2.0%)、中部(1.9%)の方が大きい。賃金が上がった被災地に労働者が移動しているためだ。
こうした状況で公共工事を一気に拡大しようとすれば、建設労働者の賃金相場は大幅にアップしかねない。人件費が膨らんで事業の費用対効果が下がる可能性がある。
高学歴化や少子化響く
政府が公共事業を拡大しても建設業の就業者が増加するかは不透明だ。高学歴化や少子化を背景に建設現場への主な人材供給源だった高卒の労働者が減っているためだ。
公共事業は高度成長期には雇用対策として効果があったが、当時とは特に若年層が求める仕事は変わった。1995年に3割強だった大学進学率は現在、5割を超え、工事現場や工場での作業よりも事務的な「ホワイトカラー職場」の希望者が増えている。
過去5年を見ても建設業で約50万人、製造業で約120万人それぞれ就業者が減った。政府が大規模な予算をつけ、建設労働者の賃金が上がっても、十分な人材が集まる見通しは立っていない。
高齢化が進む日本では、医療・介護など担い手不足が懸念される分野はほかにも多い。介護職員の賃金アップを促すなどの政府の後押しもあって医療・介護の就業者は5年間で約100万人増えたが、「なお不十分」との指摘が多い。
人口減で働き手が減少する日本にとって、貴重な労働力は日本経済をけん引する成長分野に手厚く配置する必要がある。公共事業の拡大には、日本経済の再生にどれだけ資するのかを精査するのはもちろん、雇用のミスマッチ解消策や外国人労働者の活用まで含めた幅広い議論が欠かせない。
[日経新聞1月4日朝刊P.3]
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