http://www.asyura2.com/12/senkyo142/msg/169.html
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産経新聞は安倍や麻生のイデオロギー宣伝機関だから、朝日のように都合の悪い内容を隠蔽したりせず、丹念に公告する。それで腹が立つのをこらえて読んでみた。大みそかを穏やかに過ごしたいと思う庶民を不幸にするが、皆様にも一読をお勧めする⇒
【産経の安倍インタビュー記事】
➊「集団的自衛権も対中戦略」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121231/plc12123102070000-n1.htm、
➋安倍インタビュー「詳細」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121231/plc12123102070001-n1.htm
1.安部の「村山談話は踏襲する」は詭弁と見破られ、中米韓から見放された
@安倍晋三は菅義偉官房長官に、「村山談話は踏襲する」とメッセージを中国に送らせたが、中国は冷ややかだった。温家宝首相は首相就任の祝電すら送らなかった。人民日報は「日本が歴史問題でずる賢く立ち回ることこそ本当の『自虐』」という警告論文:
http://j.people.com.cn/94474/8074030.html
A米国や韓国も冷ややかだった。米国の国務長官と国防長官の後任候補はいずれもクリントンとパネッタと同じ意見を持っており軍事外交を嫌う。韓国の新大統領も米国議会での“日本軍による性奴隷公聴会”に関心を持っていた。
BNY Times:「内閣官房長官菅義偉は無遠慮な国家主義者である安倍晋三首相が1993年の慰安婦に関する謝罪を支持するかどうか明白に言うことを拒絶した。・・・安部氏の謝罪拒否は米国を困らせる。米政府関係者は、河野談話を改訂するという行動を延期するように安倍氏に要求した」
CSouth Korea’s newly elected president, Park Geun-hye, has also shown personal interest in the matter (sex slaves), attending United States Congressional hearings in 2007 that criticized Mr. Abe’s denials that the women were coerced.
参照)NY Times12/28
http://www.nytimes.com/2012/12/28/world/asia/japan-might-revise-apology-on-wartime-sex-slaves.html?ref=asia&_r=0
Dすると安倍晋三は産経に“「村山談話」に代わる「安倍談話」を作成する”と言い換えて、三つの談話※の全てを見直すか踏襲しないと宣言した。
※「三大談話」:
1982年の「宮沢談話」は教科書の内容は隣国を刺激してはならないと表明。
1993年の「河野談話」は日本軍による慰安婦強制連行についておわびし、
1995年の「村山談話」は日本の侵略と植民地支配についておわびした。
E中台韓だけでなく比国を除くASEAN各国からの友情を失い、孤立し、危険視されるだけでなく、それが日本製品に対する嫌悪感を発生させて経済すら立ち行かなくなるという『自虐』を日本人が欲しているとは思えない。だが、安倍や下村はそんな犠牲を国民に強いてでも戦前を肯定すると思う。
2.安部は古臭い冷戦思考の“中国包囲網”に追い込まれた
@安部が中国に送ったメッセージ「尖閣諸島への公務員常駐は当面実施しない」は数日で撤回され、昨日の産経インタビューで安倍は「可能性はある」に言い換えた。
Aそれに加えて、率直と言うか愚かというか、安部は「現状では日中2国間だけで平和裏に問題を解決するのは難しい。日米同盟に頼るばかりでも効果は限定的となる」と日米同盟すらあてにならぬことを告白してしまった。
B突きつく先は古臭い『中国包囲網』の構築に再チャレンジであった。中国包囲網の構築は原発プラントの実質ダンピング輸出とセットにした核利用協定とそれに付随する軍事協力協定が中心となるが、それは岡田外相によって大々的に開始され、前原外相で完全に挫折した。
Cその間に、中国は比国を除くASEAN各国や印度と密接な協議を繰り替えし、軍事ではない経済協力でWIN―WINを実現するためのインフラ整備や社会制度における国を超えた連絡調整の実務体系をも構築した。
D憲法9条を持つ国が軍事外交を押し進め、中国は経済外交に徹底するという完全なる逆転現象をASEAN各国や印度に見せつけた。そのことによって日本政治が総右翼化し、平和のために危険な国になりつつあると危惧させる原因となった。衆院選の結果は「やはりおうか」と確信させた。
EASEANは2015年の共同体設立を目指して経済と社会制度の調整を始めている。それに中国が協力し、日本と比国だけが外乱になった。会議から締め出される傾向にすらある。
F安倍晋三はさらに遠く印度やモスクワに思いをはせるしかなくなった。だが安倍晋三のユーラシア大陸に張り巡らせる“中国包囲網”など馬鹿げた白日夢であり、日本の国益を増々失うだけたろう。
G安倍晋三「地球儀を思い浮かべ、世界を俯瞰しながら日中関係を考えていくことが大切だ」と(産経)「中国を取り囲むロシア、インドネシア、ベトナム、豪州、インドを訪問する意向も示す。インド、豪州と安全保障で関係を強化」
Hインドネシアは2015年A.S.E.A.N共同体設立に邁進しており、中国包囲網はそれに対する破壊活動と捉えている。
I「首相周辺は『日本が一刻も早く集団的自衛権行使を認めるよう求める声が伝わっている』と明かす。中国の台頭に脅威を覚えている国々も、日米同盟強化に期待している」(産経)は良く聞く台詞であるが、それを言ってアジア諸国が食ってゆけるわけではない。これに縋れば日本は利用さる。
Jロシアやベトナム及びインドはしたたかで、経済利益最重視で日本と対応して来る。ベトナムとインドは原発で巨額財政支援を、ロシアは天然ガスの新たな巨大輸出先に日本を狙う。(冷静に振る舞うなら、その輸入は電気料金の低下を促し、脱原発の助けになる)
3.安倍はロシアを味方に引き入れることに失敗するだろう
@安倍晋三は親日のロシア大統領に託して、北方領土3.5島返還論で交渉を再開し、ロシアの天然ガス輸入によって、EUへの天然ガス輸出減少で苦慮するロシアを救えば、米国に頼らずに島の返還が実現し、中国牽制に米国を引き込めると算段している。
Aしかし、この「3.5島返還論」はロシア国民の心情を逆なでするだろう。中露国境紛争の解決方式=面積等分割と同じだからという期待からでているが、中露間は戦勝国同士の川中島の分割であり、北方領土は戦勝国と全面降伏した国間の領土問題である。
B日本では旧ソ連が不可侵条約うんぬんとか戦勝国ではないとか、いろいろ言ってそれが主流の意見となっているが、それは日本国内だけでしか通じない。第二次世界大戦は日中・日米・日英・日蘭と“個別に戦った戦争”であり、日ソは戦争していないと言いたいらしい。
C戦争の評価と実態は戦勝国が決める。大戦は“複数の個別二国間戦争”とは誰も考えない。“枢軸国”と“連合国”の大戦であり、ソ連は自国が対独戦争の戦場となったのでそれに専念していた。連合国は原則的な戦場分担をした。日本には米国が、ドイツは英露がと。
D先に英露がドイツを破った。米国は日本の特攻に手を焼いている。そこでソ連参戦は米国大統領によって依頼された。日ソ条約の破棄問題もあったが、破棄は6ケ月前に通告済みであり、それ以上に枢軸国ドイツによる独ソ不可侵条約の破棄が日ソ間条約も無効にしたと解釈された。
E旧ソ連にとってサハリンは当然として南クリル諸島(南千島)は、オホーツク海に米軍艦船や潜水艦を自由航海させないと言う、軍事的に貴重な戦利品であった。もし南クリル諸島が無かったら、冷戦は最初から成り立たなかったかもしれない。サハリンで大韓航空機が撃墜されたことでも判る。
Fシベリア沿海やサハリン沿海でガス田が開発されている。南クリル諸島も有望だろう。それに3世代にわたって開発者が暮らしてきた。天然ガス輸入の交換条件に南千島を手放すはずはない。歯舞と色丹は日本に近すぎ、小さいから天然ガス輸入の交換条件としての返還は可能だろう。
Gしかし、面積半切の3.5島返還の主張は「歯舞、色丹、国後3島と択捉島の南半分」を返せという要求であり、メドベージェフなら嫌味を返すに違いない=「択捉島の北半分を返還する。歯舞、色丹、国後3島と択捉島の南半分はロシア領。これでどうだ?」と。
H「歯舞・色丹返還+天然ガス輸入で日露平和友好条約締結」でしか妥結は有り得ないし、それは古く鳩山一郎とソ連の間で内々の意見一致を見ていた内容である。その時は、日本国民の説得待ちとなったが、その後増々おかしくなって、今に至っている。
参照)「安倍首相「尖閣、交渉余地ない」=北方3.5島返還論、否定せず」
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012123000095
4.中国包囲網に米国を引き込む安倍の算段
@オバマ大統領は米国政府財政と経済再建を“輸出倍増”に求めた。それは失業率を改善し税収を増やす唯一の道であると、リーマンショックで追い詰められた当然の選択である。
Aクリントン国務長官とパネッタ国防長官はオバマの輸出倍増政策を進めるためにスクラムを組んだ。クリントンは中国を頻繁に訪れ、長期にわたって滞在し人脈を構築した。パネッタも中国軍に訪問し3日にわたって中国軍の幹部から将兵に至るまで愛嬌を振りまいて日中両軍の親和を演出した。
Bそんなクリントンーパネッタ体制を突き崩そうとしたのが産軍複合体でありその工作者である保守財団である。彼等は日本の右翼財団と手を組み、石原慎太郎を動かした。野田もその動きは個人的に賛成であった。そして“尖閣国有化”が強行された。クリントンーパネッタは中国に二枚舌と避難された。
Cそれでもオバマが大統領に再選された。クリントン国務とパネッタ国防の後任には産軍複合体に支配されない人材を配置するだろうと、期待を込めて報道されている。「知日派の要職就任が焦点=外交・安保チーム−オバマ米政権2期目」
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012123000051
DそれはラッセルNSCアジア上級部長やシファー前国防次官補代理(東アジア担当)らの名前であるが、NSCはアジアの平和には少々やっかいな機関であったし、シファーに至っては「2013会計年度国防権限法案に米国の「尖閣防衛義務」を明記するのに尽力したとされる」人物。
E焦った日本右翼新聞は、次官級人事に産軍複合体の代理人が任命されると観測気球をあげているが、怪しげな話であり、実現しても産軍複合体の嫌う軍事費削減と日本への軍事費肩代わり交渉を担当させられるだけだろう。
Fそれを類推させる報道がある⇒「米無人偵察機を自衛隊に導入、尖閣監視強化へ」=最新鋭の高高度無人偵察機「グローバルホーク」(読売)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20121231-OYT1T00016.htm
Gこの無人偵察機は韓国にも売り込もうとしており、オバマが輸出許可した途端に韓国でその高額さが騒がれ始めた。韓国に4機売却するとその利益だけで米軍が8機調達できる勘定であると発覚したからだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2012122702000089.html
H日本もF35戦闘機やオスプレイそれに追撃ミサイルを購入するが、同じことが行われるだろう。つまりは、日本か韓国か台湾が米国の戦闘機を100機買ったら、米国政府が無料で200機貰えるような吹っかけ方である。これまでもそうであったが、もう通用しない。
I正常なビジネスなら、輸出によって開発費償却と生産ライン維持のコストが低下し、価格は下がる。米国最大の輸出商品は売るほどに値上がりするという反市場主義である。米国が強欲資本主義に陥っている証拠ともなる。
J昨日の安倍晋三インタビューは、米国の産軍複合体の代理人を国務省と国防省の次官に据えようとする動きを支援してオバマ政権の閣僚人事に介入している。そのために安倍は米国産軍複合体に盛大なる貢物を約束しているかに見える。
Kその貢物:“集団的自衛権の拡大を解釈改憲で実現する”という約束。内容は「➊公海上でも米軍艦船の護衛戦争、➋米国向けミサイル撃墜、➌PKO駆けつけ戦闘、➍戦場での米軍への武器・弾薬・食料の供給と兵員輸送等。そのために、米国並み“国家安全保障会議”で官邸を“艦艇化”する。
Lオバマ政権を中国軍事包囲網に引き込もうとする安倍晋三の政策は、米国の経済再生を阻害するだけでなく、財政再建をも泡沫となすだろう。日本は失われた20年が30年になる。
].日本の生きる道
@日本は経済大国の夢と冷戦思考を捨てるべきだ。中国が日本の十倍以上の人口と国土を持つからだけではない。
A両国の政治制度や経済構造はほとんど相似形である。しかし両国国民の気質は異なるが、その相違は補い合う内容である。中国もそれを認識している。それを認識すれば日本の生きる道が定まる。
…………余談…………
@小泉内閣時代以降、社会の権限と権力を持つあらゆる人間が右翼化した。右翼でないと管理職になれない。そんな管理層選抜基準が20年も続いたから、マスコミも本格的なマス塵に堕落し、官僚も欲望の虜になって今の日本がある。
A慎太郎を必要とする管理層が厚くなった。右翼思想が昇進の資格だから、大抵は無能で見識が無い。昇進しても部門を把握できない。部下を恫喝によって従わせようとする傾向が顕著になる。それが若者の閉塞感の原因となる。教師も生徒も虐めを恫喝に変化させる。
B安部らが作った自民党の憲法改正案は、単純な大日本帝国ノスタルジーではない。民主主義の体裁を持つ日本と言う国の民衆と共通の感情や意見を持ちえず、民衆を恫喝して押え付けたい衝動ばかりが突出している。安倍らも結局は右翼でないと昇進できない世代の無能さの象徴である。
C若い人はもう出来るだけアジアに散った方がいいと思う。極端な比喩を言うと、どこかのTV局の連続ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」が20年も続く異常さの根底を知れば、この国に期待を抱くなど無謀であって、絶望から再出発するかアジアに飛躍するかしかない。
◆そのようにはさせたくない! させない!
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- 4.中国包囲網に米国を引き込む安倍の算段 の修正版 SukiyakiSong 2012/12/31 17:01:52
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