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2012年が幕を閉じる。
日本政治を是正しなければならなかったが、逆に転回した。
このまま進めば完全に元の木阿弥だ。
2009年に政権交代が実現したとき、日本中が未来への希望に沸き立った。
しかし、今回の政権再交代に際して、そのような熱い空気は存在しない。
ただ、メディアが沸き立っているだけだ。
既得権益が権力を奪還したことが、メディアにとっては最大の喜びなのだろう。
比例代表選での得票率は、2009年の民主党が42.2%だったのに対し、今回の自民党は27.7%だった。投票率も低く、自民党は全有権者の16%の得票しか得ていない。
この少数支持の政党が日本を支配してしまうことに問題がある。
さらに、今回選挙では大規模な不正が行われたのではないかとの疑いが浮上している。
メルマガ読者から送られた情報だが、「日本未来の党」候補者が立候補した選挙区で、不可思議な現象が観察されている。
それは、「日本未来の党」候補者が小選挙区選挙で獲得した得票に対して、同じ地域の比例代表選で「日本未来の党」が獲得した得票が大幅に少ないケースが数多く観測されていることだ。
読者が提供してくれたデータの一部を示す。
比例代表得票/小選挙区得票 と その比率。
・宮城2区 斎藤やすのり候補
宮城野区 6307/10406 = 0.606
若林区 4623/7697 = 0.601
泉区 9488/16185 = 0.586
合計 20418/34348 = 0.594
・新潟1区 内山こう候補
北区 765/1302 = 0.589
東区 4124/6974 = 0.591
中央区 5813/9655 = 0.602
港南区 741/1208 = 0.613
西区 5368/8610 = 0.623
合計 16811/27794 = 0.605
また、
岩手4区で
小沢一郎氏が78,057票を獲得しているのに、
未来の比例票は45,318票(58%)だった。
広島6区で
亀井静香氏が91,078票を獲得しているのに、
未来の比例票は22,711票(25%)だった。
この票数は極めて不自然である。
小選挙区で「日本未来の党」公認候補者に投票した有権者が比例代表選挙で「日本未来の党」に投票しないことは考えられない。
両者の比率はほぼ1対1にならないとおかしいと考えられる。
ところが、上記の宮城2区や新潟1区の場合、比例代表での得票が、どういうわけか、小選挙区得票の6割になっている。
比例代表選での「日本未来の党」票の4割が消滅したように見受けられる。
現段階では確証のある推論は成り立たないが、今回選挙において、何らかの不正が行われた可能性を排除することはできず、徹底的な検証作業が不可欠である。
巷間で浮上している憶測は、「日本未来の党」の得票が何らかの不正操作によって廃棄または差し替えられたのではないかというものである。
万が一、そのような事実が発覚すれば、今回総選挙結果そのものが正統性を持たなくなってしまう。無効選挙になる。
重大な問題であるから、憶測だけで断定的な判断を下すことはもちろんできないが、重大問題であるからこそ、疑惑については一点の曇りもないように、完全なる事実解明が求められる。
今回の総選挙結果を受けてのメディアのはしゃぎぶりには辟易するが、何よりも気になるのは、全有権者の16%の支持しか得ていない政党が、日本の命運を左右する重大問題について決定を下し、それを進めていって良いのかという点である。
安倍晋三氏は選挙戦中の発言とは大きく異なる方針を示し始めている。
これでは、自民党に投票した16%の人々でさえ驚くことになる。
日本の命運を左右する重大問題とは、もちろん、原発、消費税増税、TPPなどの問題だ。
自民党は原発ゼロとは言わなかったが、脱原発依存とは言っていたのではないか。
ところが、安倍氏は原発の新設まで表明し始めている。
TPPについて、日本の主張が受け入れられなければ参加しないとしていたのが、参加を見送る方向の話がまったく聞かれなくなった。
日本郵政の次期社長に財務省OBを据える人事に安倍氏周辺は異論を表明していたが、結局、財務省OBの天下りを容認する姿勢に転じている。
これらの時代逆行の政治を、自民党に投票しなかった84%の国民が、どう判断するのかが問われている。
これが、2013年参院選で問われることだ。
国民が無気力になって、16%の国民の意思で日本の未来を定めてしまうことを容認するなら、事態は変わらない。
時計の針は完全に逆戻りしたまま動かなくなる。
それではまずいと主権者国民が目覚めるなら事態は変化し得る。
主権者国民の2割が覚醒し、連帯して行動すれば、時計の針の逆行を止められる。
2013年を迎えるに際して、最大の警句は「覚醒」ということになる。
国民が目を覚まさなければ、この国の未来は少数の既得権益に握られてしまうのだ。
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