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2012年12月29日 植草一秀の『知られざる真実』
「日本未来の党」が「生活の党」に名称を変更して出直しを図ることに対して三流新聞がかみついている。
毎日にしても産経にしても、ことが小沢一郎氏に関わることになると、途端に冷静さを失って吠えたてるのはなぜだろうか。
メディアにとって小沢一郎氏の存在はそれほどに大きいということなのだろう。
毎日新聞は社説まで使って、
「未来はや分裂 国民への詐欺的行為だ」
と論じた。
未来が「分裂」とは言うが、党所属のほとんどの議員が残留して、党名を「生活の党」としただけである。
「日本未来の党」に投票した有権者の大半は、今回の顛末について、極めて冷静な受け止め方をしている。
嘉田由紀子代表が党から離れて、新たに新党を結成する理由は、自分の提案が党内で受け入れられなかったからである。
この政党は民主主義政党であり、党首独裁の党ではない。
党首独裁の党であれば、党首の提案に党所属議員が服従しなければならないのだろうが、民主主義政党の場合は違う。
党首の提案であれ、党所属議員の多数が賛同しなければ、その提案を押し通すことはできない。
民主主義政党における意思決定の歪みは、小泉政権から始まっている。
2005年に郵政民営化関連法案を提出した小泉政権。
党における意思決定の段階から、これまでの意思決定のルールが踏みにじられていった。
小泉氏は党首の提案に賛成しない人間は切り捨てるとの暴挙に突き進んだ。
民主主義政党において、ある特定の問題について賛否が分かれるのは当然のことだ。
民主主義政党であるなら、徹底した討論と説得を繰り返して、党としての意思を統一する必要がある。
それを、十分な論議もせずに、党首の考えに絶対服従しろというのでは民主主義政党とは言えない。
小泉純一郎氏は自分の提案に賛成しない議員を党から追放して、刺客まで送り込んだ。民主主義政党を自称していた政党が民主主義を捨てたのである。
この悪弊をまねたのが野田佳彦氏である。
TPPや消費税増税は、国民の未来、生活を左右する重大な問題である。
民主党内でも賛否両論が存在した。
これらの問題について、民主党が党としての意思をまとめるなら、徹底した討論が必要であったし、最終決定に際しては多数決採決などの民主主義のデュープロセスを踏むことが必要不可欠だった。
ところが、野田佳彦氏はTPPについても、消費税増税についても、党内での民主主義プロセスを踏まずに党の決定を行った。
多数決採決を行うと反対多数で否決されることから、多数決採決を行わずに党の決定としたのである。
これでは民主主義政党とは言えない。
毎日新聞は「生活の党」に懸命に噛みついているが、現に「日本未来の党」に投票した有権者の大半が、今回の決定を正しい決定だと評価している。
ましてや「詐欺」だと考えている者は皆無である。
それよりも、野田佳彦氏が2009年の総選挙に際して、主権者国民に対して「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」と明言したにもかかわらず、その後に「シロアリ退治なき消費税増税」に突き進んだことについて、毎日新聞は適正な論評を行ったのか。
これこそ正真正銘の「詐欺」である。
主権者国民は、消費税増税論議の前に、天下りやわたりを根絶する「シロアリ退治」が行われることに賛同して民主党に一票を投じた。
ところが、野田佳彦氏はこの確約を踏みにじって、天下り廃止もわたり廃止も、まったく進めないまま、消費税大増税に突き進んだのだ。
この行動に対して毎日新聞は「国民への詐欺的行為だ」と論評したことが一度でもあったのか。
このような不正な報道を繰り返すから、「マスゴミ」と呼ばれるようになるのだし、購読部数が減少の一途を辿り、特定の政治勢力の支援なしには経営を成り立たせることさえ困難になるのだ。
「日本未来の党」所属議員の大半が残留し、党名が「生活の党」に変更された。
人事案が党内で受け入れられなかった党首が党を離党して新党を結成するに至った。
それだけのことだ。
党名については、選挙前に「日本未来の党」とされたが、「日本未来の党」に清き一票を投じた有権者の大半は、「生活の党」の方が良いと考えている。
報道で記事にするなら、主権者である国民の意思をよく確かめてから掲載するべきだ。
嘉田由紀子氏は選挙に際して大いなる尽力をされたと思うし、そのことを「生活の党」支持者は高く評価していると思う。しかし、「生活の党」が民主主義政党である限り、党所属議員の大半が賛成できない人事案が了承されないから党を離れるというのは、いかがなものかと判断されるだろう。
要するに、毎日新聞をはじめとするメディアは、小沢一郎氏を叩きたいだけなのだ。
毎日新聞には、ものごとの筋道、主権者国民の視点に立ってものごとを考える姿勢が皆無である。
賢い主権者国民はいま、急速にマスメディア離れを進めている。
地上波、全国紙から得られる有益な情報は皆無に近い。
マスメディア16社体制のなかでは、東京新聞=中日新聞、北海道新聞などがわずかにメディアとしての良心を維持しているだけだ。
◇
未来はや分裂 国民への詐欺的行為だ 毎日新聞社説
http://mainichi.jp/opinion/news/20121229k0000m070115000c.html
2012年12月29日
これは1票を投じた有権者に対する詐欺的な行為である。結党からわずか1カ月。日本未来の党が衆院選が終わった途端に分裂した。
党は小沢一郎氏ら旧「国民の生活が第一」系議員が引き継ぐ形となり、党名を「生活の党」に変更する。一方、代表だった嘉田由紀子滋賀県知事は「未来」の名称を引き継ぐというが、国会議員は阿部知子氏のみで政党要件を満たさず政治団体扱いとなる。実態は嘉田氏らが追い出された格好だ。
しょせん小沢氏と嘉田氏は水と油だったといえばそれまでだ。だが、あまりにも醜悪な分裂劇だった。
発端は嘉田氏が自身と阿部氏を共同代表とする意向を示したのに対し、小沢氏系議員が小沢氏の共同代表就任を求め猛反発したことだ。
民主党を離党し、旧生活を結成したものの支持率低迷が続いていた小沢氏らにとって、嘉田氏を代表とする新党への衣替えは、小沢氏のマイナスイメージを隠す狙いがあったはずだ。ところが衆院選で「嘉田効果」は乏しく、議席が激減すると一転して嘉田氏に不満が爆発する−−。要するに嘉田氏はお飾りに過ぎず、実態は「小沢党」だったことをあからさまに認めたようなものだ。
手続きを急いだのは、政党交付金の額が1月1日時点の国会議員数などに応じて決まる事情以外に考えられまい。8億円以上になるとみられる交付金は小沢氏側が手にする。
だが、惨敗とはいえ比例代表で未来が獲得したのは約340万票に上る。まさか選挙後、直ちに分裂すると思って投票した人はいないだろう。「水と油」と分かっていても、「卒原発」を掲げてきた嘉田氏が代表だから投票した人もいるだろう。にもかかわらず、なぜ大敗したのかの反省もなく、勝手に分裂した揚げ句に交付金=税金だけは手にするというのだ。いくらルールに基づいた手続きとはいえ、大きな疑問を抱く。
小沢氏らにとって「卒原発」の訴えも衆院選をしのぐための単なる道具だったのではないかとさえ疑う。一方、「小沢氏を使いこなす」と言っていた嘉田氏もまったく力不足だったということだ。自民党政権の復活で原発政策の見直しが急ピッチで進もうとしている中、今回の内輪もめは脱原発への機運もそぐ可能性がある。その責任も大きい。
それにしても小沢氏は一体、何度、政党を作っては壊すのだろう。
政党は自らの権力闘争の道具であっていいはずがない。政治家が生き残るための選挙互助会であっていいはずもない。衆院選での未来の敗北は有権者の多くがとっくにそれに愛想を尽かしている証明でもある。まずそれに気づいた方がいい。
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