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2012年12月29日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆安倍晋三首相は、「景気を押し上げる5つの基礎的条件」の2つ目「政財官学界から最低5〜6人、多くて10人前後の『仕掛け人』のチーム編成」について、しっかりと固めつつある。
仕掛け人チームの本拠地は、首相官邸に設置される「経済財政諮問会議」(議長=安倍晋三首相の諮問会議)である。
政府は12月27日、民間メンバーを内定した。毎日新聞社毎日jpは12月28日午前 11時34分、「経済財政諮問会議:民間メンバーに佐々木・東芝社長ら内定」という見出しをつけて、以下のように配信した。
「政府は28日、経済政策全体の司令塔となる経済財政諮問会議の民間メンバーに、東芝の佐々木則夫社長(63)ら企業経営者と学識経験者の計4人を内定したと発表した。来年1月上旬にも第2次安倍政権での初会合を開いて、経済財政の中長期方針や予算編成などをテーマに議論し、政府の経済財政政策の道筋を示す役割を担う。
佐々木氏の他は、三菱ケミカルホールディングスの小林喜光社長(66)、東京大の伊藤元重教授(61)、日本総合研究所の高橋進理事長(59)。諮問会議の議長は安倍晋三首相が務め、麻生太郎副総理兼財務相、甘利明経済再生担当相ら関係閣僚と、日銀の白川方明総裁がメンバーに加わる。
諮問会議は01年に設置され、小泉政権では経済財政運営の基本方針となる『骨太の方針』を策定し、公共事業費削減などの改革を進めた。民主党政権では休眠状態だったが、政権交代を機に安倍首相が復活を決めた。
安倍政権は諮問会議と併せて、経済対策や成長戦略を担う新設の日本経済再生本部(本部長・安倍首相)との2本柱で『強い経済の再生』を目指す。【久田宏】」
◆大東亜戦争に敗戦した後、「仕掛け人のチーム編成」に成功したのは、吉田茂元首相、池田勇人元首相、中曽根康弘元首相のわずか3人にすぎない。
吉田茂元首相は、宮嶋清次郎(日清紡社長、学習院時代からの同級生、吉田茂元首相に政治献金していた)、大蔵、通産など官僚群が、「日本復興」という強い志を抱いて、全面的に協力した。この結果、敗戦による廃墟から立ち上がることができた。
池田勇人元首相は、宮嶋清次郎の弟子である水野茂夫、永野重雄、桜田武、小林中の「財界四天王」と言われた実力者が、ガッチリ手を組み、これに大蔵、通産など官僚群が協力して、「所得倍増、高度経済成長」に弾みをつけるのに成功した。
中曽根康弘元首相は、建設族の2人のドンである竹下登蔵相(後に首相)、金丸信元建設相(後に副総理)を抱き込み、チーム編成。財界からは、金融・証券業界=田淵節也(野村証券社長)、中川幸次(野村総研所長、中曽根康弘元首相の旧制静岡高校の同級生)、磯田一郎(住友銀行頭取)、建設・不動産業界=石川六郎(鹿島建設社長、日本商工会議所会頭)、江戸英雄(三井不動産社長)、安藤太郎(住友不動産社長)、鉄鋼業界=斉藤英四郎(新日本製鉄社長、経団連会長)、学識経験者からは、長谷川慶太郎(経済評論家)が参加した。これに大蔵、通産などの官僚群が協力した。とくに、大蔵省の西垣昭理財局長(後に大蔵事務次官)が、国有財産を洗い出し、民間に払い下げる土地をリストアップした。中曽根康弘元首相は、自らの政治資金源の1つである東京興産を使い、都市再開発計画のプロモーターとして実行推進させた。市中でカネ余り現象を巻き起こしていた金融機関の資金を使うことを「民間活力の活用」と称して、「カネと土地」を動かして、経済・景気を盛り上げるのに成功、日経平均株価は、史上最高値3万8915円まで高騰した。ただし、バブルがはじけて、これが崩壊した後、「バブル経済」と呼ばれた。
◆しかし、安倍晋三首相の「と書け人チーム編成」は、吉田茂、池田勇人、中曽根康弘3人の「チーム編成」に比べると、まだまだ不完全である。
それは、「国家を何とかしなくてはならない」という志と熱意、そして覚悟のほどが、希薄だからである。まだ、本気になっていない。
政治家では、安倍晋三首相、麻生太郎副総理、甘利明経済再生相の3人がチーム編成の柱になっているけれども、「カネと土地を動かす」という「政治力」(人とカネを動かす力)が弱い。金融・証券業界、建設・土木・不動産業界を電話一本で動かせる実力ある政治家が、チームに入っていないからである。
金融業界を動かそうとして白川方明総裁の弱点を握って脅しをかけて、軍門に下したと言われている。だが、お札をバンバン刷って流通させようとしても、現場の銀行が、その気にならなければ、カネは、末端まで流通しては行かない。土地を動かすには、大手ゼネコンを電話一本で動かなくては、実効は上がらない。
自民党のなかには、「国土強靱化基本法案」をまとめた二階俊博元運輸相(元北海道開発庁長官、元経済産業相)がいて、小沢一郎元代表と近しい関係にあり、ゼネコンを動かせる政治家だが、金丸信副総理から建設利権を受け継いだ小沢一郎元代表ほどの政治力はない。そもそも、建設族がいなかった自民党福田派「清和会」に所属の安倍晋三首相が、「カネと土地」を動かそうとすることに、無理がある。「デフレ脱出」の「危機突破」を標榜する安倍晋三首相が、成功するには、小沢一郎元代表の政治力を借りるしかないのである。
本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
「卒原発」の日本未来の党の嘉田由紀子代表と飯田哲也代表代行が、「ただちに原発ゼロ」の小沢一郎元代表をなぜ、押さえ込もうとしたのか?
◆〔特別情報@〕
日本未来の党の嘉田由紀子代表(滋賀県知事)と飯田哲也代表代行の権力欲の強さと「カネの亡者ぶり」が、曝露された。それは、総選挙公示日のドタバタ劇から始まり、選挙後に提示した人事案で小沢一郎元代表を共同代表に就任させるのを頑強に拒否し、「顧問」に祭り上げようと画策したことにはっきり表れていた。その本当の狙いは、何だったのか?
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