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2012/12/28 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
◆産業界も足並みそろえてバックアップ
予想されたことだが、安倍政権がさっそく“原発推進”に舵を切った。茂木敏充経産相が就任直後の記者会見で民主党政権時代からの明確な「方針転換」を明言したのである。
茂木は、「2030年代に原発稼働ゼロ」という民主党政権時代のエネルギー戦略について「再検討が必要」と言い放ち、未着工の原発の新増設についても「今後専門的知見を十分蓄積した上で政治判断したい」と発言。そのうえ、使用済み核燃料を再処理する「核燃料サイクル事業」についても「完全に放棄する選択肢はない」とし、事実上の継続にGOサインを出したのだ。つまり、現在止まっている原発の再稼働はもちろんのこと、新しい原発も核のゴミもドンドン増やすということだ。
この流れは、16日に自民が圧勝した直後から始まっていた。息をひそめていた“原子力ムラ”が動き出したのだ。
「電事連会長の八木関電社長は17日、『2030年代の原発ゼロ実現は課題が大きい。新政権で見直しをお願いしたい』と談話を発表しました。経団連は18日、『電力の供給不安を解消し、価格上昇圧力を抑制するためには、原発を再稼働していく必要がある』と提言。日立製作所の中西社長は25日、『原子力をやめるのは無理』と報道各社のインタビューに答えています。産業界が足並み揃えて、原発推進で自民党をバックアップする態勢を整えています」(経済ジャーナリスト)
許せないのは、政権交代のドサクサに紛れて、きのう(27日)東電が原子力損害賠償支援機構に対し、福島原発事故の賠償費用として6968億円の追加支援を要請したことだ。自民党政権に代わってホッと胸をなで下ろしているさまが目に浮かぶ。だが、核のゴミの処理はどうするのか。核燃料サイクル政策はこれまで10兆円以上を投入しても“再利用の輪”が完成していない。青森県六ケ所村の使用済み核燃料の貯蔵プールはほぼ満杯だ。核のゴミ処理を考えたら、原発は決して“安価”とはいえないことを、いまや多くの国民が知っている。
衆院選では、投票した有権者の78%が原発の即時廃止か段階的廃止を希望していたという新聞社の調査もある。数に浮かれている自民党はよく考えた方がいい。
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