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2012年12月28日 植草一秀の『知られざる真実』
「日本未来の党」が「生活の党」に名称を変更し、森ゆうこ議員が新しく代表に就任した。
総選挙で議席を大幅に減少させたのち、混乱が続いていたが、順当な着地を示した。
嘉田由紀子前代表は嘉田氏と阿部ともこ氏の共同代表案を提案したが、党所属国会議員の圧倒的多数から賛同を得られなかった。
党所属議員の圧倒的多数は嘉田氏と小沢一郎氏の共同代表案を提示していた。
民主主義政党における党首は独裁者ではない。
党の決定を行うには、党内の民主主義手続きを経ることが必要不可欠だ。
嘉田氏の提案は党所属国会議員の賛成を得られるものではなかったから、党内での民主主義手続きを経て決定できるものでなかった。
嘉田氏が引き続き代表としての職務を継続するには、党内民主主義手続きに則ってものごとを決めることを受け入れるしか道はなかったが、この道を選択しなかったために党を離れることになった。
嘉田氏は「日本未来の党」の名称を引き継ぐとしているが、所属する国会議員は阿部ともこ氏しか存在しない。「みどりの風」に亀井静香氏と共に合流する可能性があるが、こうなると多党乱立の弊害は残存してしまう。
もとより「日本未来の党」は「国民の生活が第一」を主軸に創設された新党であり、「国民の生活が第一」関係者が政党幹部に就任するべきであった。
その人事に問題があった。
私は新党創設に際して、新党名称を「生活」とするべきだとの意見を提示した。
11月28日付ブログ記事
「主権者国民連合政党名称は「生活」とする方が良い」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/post-bdeb.html
嘉田由紀子氏が総選挙に出馬しないから、トップは国会議員が務めるべきであるとも書いた。
紆余曲折はあったが、結局落ち着くべきところに落ち着いた。
森ゆうこ氏は小沢一郎元代表と十分な意思疎通をしているから、今後は円滑な党運営が行われることになるだろう。
総選挙では「国民の生活が第一」の名称が浸透し始めた段階で「日本未来の党」に名称が変更されたため、有権者への浸透が十分にできなかった。
この意味も含めて私は、新党名称を「新党生活」とするべきだと考えた。
今回、「生活の党」と名称が変更されたことは、この意味で好ましい。
略称も「生活」になるから、表現もしやすくなる。
小さなことのように見えるが、選挙戦を戦ううえで名称は極めて重要だ。
問題は、日本政治をこれからどのように立て直すかだ。
安倍晋三政権が発足したが、完全な「旧政復古政権」=「元の木阿弥政権」だ。
「昔の名前で出ています」政権でもある。
原発推進、消費税大増税強行、TPP参加政権である。
沖縄では辺野古の美しい海岸を破壊しての巨大な米軍基地建設が強行されることになるのではないか。
日本財政を激烈に悪化させた張本人は麻生太郎氏である。
麻生政権は2009年度補正予算を14兆円規模で編成した。
そして、2009年度税収見積もりを9兆円も読み誤った。
このために日本の財政赤字は2007年度の25.4兆円から2009年度の52.0兆円へと2年間で倍増したのである。
日本財政を激烈に悪化させた主役は麻生太郎氏である。
この麻生氏が2009年3月に消費税増税を法律に組み込んだ。
これが所得税法附則104条である。
これをマッチポンプという。
自分で放火して火事を引き起こし、自分でポンプから放水する。
自作自演、「財政赤字激増と巨大増税」の悪夢の創作者は麻生太郎氏である。
2009年度の第一次補正予算13.9兆円は大資本と官僚のための利権てんこ盛りの予算だった。
本ブログでは2009年5月28日付記事
「お手盛り・バラマキ補正予算成立と総選挙日程」
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-324d.html
にその内容を記述した。
「補正予算では、本予算で6490億円しか予算が計上されない公的部門の施設整備費に2.8兆円もの国費が投入されることが明らかにされた。大盤振る舞いの補正予算で、役人が使用する公共施設を豪華に刷新しようというのだ。
マンガ・アニメの殿堂には建設費だけで117億円が用意される。思いつきで決めた支出対象に、無尽蔵の国費を使いたい放題である。
また、「エコカー」、「エコ家電」にかこつけて、役所の公用車が1万5000台=588億円、地デジ対応テレビが7万1000台=71億円、購入される。補正予算を「官僚のこづかい」と捉えているのだろう。
さらに、補正予算では58の基金に4.6兆円の国費が投入される。4.6兆円のうち、どれだけが事務経費に充当されるのかは国会審議でも明らかにされなかった。58基金への4.6兆円が「天下り」利権拡大に利用されることは間違いないだろう。」
日本政治は麻生時代の官僚利権だけが丸々焼け太りする時代に逆戻りする。
旧政復古=アンシャン・レジームなのだ。
これを、もう一度、刷新しなければならない。
そのためには、新党「生活」を主権者国民の声を糾合する大きな政治勢力に育ててゆかなくてはならない。
そのためには、現在の民主党が悪徳衆を放逐して原点回帰するなら、これと連携することも視野に入れてゆくべきだろう。
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