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安倍政権、長期の予感
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34425
2012年12月24日(月)田崎 史郎「ニュースの深層」 現代ビジネス
先の衆院選で自民党が圧勝したのを受けて、26日に衆院本会議で行われる首相指名選挙を経て自民党総裁・安倍晋三が首相の座に就く。この政権は安倍の自民党総裁任期(1期3年、2期まで)が切れる2015年9月まで少なくとも続き、総裁選で再選されればさらに長期政権になると、筆者は見ている。1年で首相が交代する悪例をつくったのは安倍だったが、安倍はこれを打破するだろう。
■自民党の持つ議席数の意味は極めて重い
その最大の根拠は衆院選で自民党は294議席も得たことだ。もとより、この議席は自民党の力で得たものではなく、民主党政権の失態や第三極各党の体たらくによってもたらされたものである。しかし、この議席数の持つ意味は極めて重い。
連立を組む公明党を含めれば、参院で否決されても衆院で再可決が可能になる3分の2の議席に達する。自民党内に民主党を離党した小沢一郎のような横紙破りの実力者はおらず、自民党議員は政権にいることによるうまみを知り尽くしている。だから、自民党が民主党のように分裂する可能性は極めて低い。
公明党が難色を示すようなら公明党よりも議席が多い維新の会に協力を求めれば良い。公明党は衆院選の結果、議席を10増やし31としたが、自民党との交渉力においては弱まってしまった。
たしかに、参院の過半数割れは来年7月の参院選まで続く。しかし、歴代政権を悩ませてきた赤字国債発行特例法案について、自民、民主、公明3党は15年度まで赤字国債の発行を自動的に認めることで合意している。政府は来年の通常国会で与野党が激突するような法案を提出しない方針なので、国会は荒れないだろう。
加えて三ケタに達する野党はなく、民主党が57、維新の会が54、みんなの党が18議席、残りの野党は一ケタだ。民主、維新、みんなの3党は今後、協力を模索していくだろう。しかし、時すでに遅し、自公で325議席という分厚い壁を壊すことは至難の業だ。
安倍政権の鬼門として来年7月の参院選が挙げられる。07年7月の参院選で自民党が37議席しか取れず歴史的大敗を喫したことがその2カ月後、安倍が健康上の理由で退陣する引き金となった。しかし、選挙の常識から考えてもこの議席を下回るのは難しい。自民党は今回、すべての力を参院選勝利に向けている。40議席を下回ることはまず、ないだろう。
■2度目の安倍政権
安倍の健康不安がしばしばささやかれる。たしかに選挙戦の終盤や終了直後、テレビに映し出される安倍の表情には疲れが見えた。懸念した自民党の安倍支援チームが疲れを目立たないようにするメークを提案し、安倍も受け入れたのは事実である。
だが、あの寒さの中で強行日程をこなしていたのだから、疲れるのは当然のことだ。安倍が「潰瘍性大腸炎という難病で医学的に完治はしてないが、新しい薬でコントロールできている」「相当過酷な選挙運動だったが、十分耐えることができ、体調の変調は全くなかった。首相の職を十分こなせる」(17日の記者会見)と言ったのは文字通りに受けてとめていいのではないか。
また、2度目であることを前向きにとらえたい。月刊誌「文芸春秋」2013年新年特別号(12月10日発売)で安倍は首相当時を振り返り、次のように書いている。
「今にして思えば、やや気負いすぎていたと思う部分もあります。今でも『あのときはこうするべきではなかったか』と思い返す事も少なくありません。そうしたことのひとつひとつをノートに書き留めて、この5年間、折に触れて読み返してきました。挫折も含めて、あの時の経験が私の政治家としての血肉になっている」
戦後、首相に復帰したのは吉田茂だけだが、吉田は1度目は368日で退陣、復帰後に2251日間、6年余も在職している。政界以外ではプロ野球監督の長嶋茂雄、アップル社を創業した故スティーブン・ジョブズも2度目に大きな成功を収めている。
「再び重責を担うことになった。今度はしっかりと使命を果たしていく」
父・晋太郎の墓前で22日、安倍はこう誓った。安倍はこの誓いをかみしめながら政権運営に当たるだろう。(敬称略)
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